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- 「夏場はシャフトが軟らかく感じる」は本当!? 暑い季節に気をつけたいギア基礎知識
「寒い季節より夏場のほうがシャフトを軟らかく感じる」、「夏のほうがボールの性能を引き出せる」など、気温の違いによるギアへの影響には様々なウワサがあります。そこで、それらのウワサの真偽について、プレミアムゴルフスタジオの吉田智(よしだ・さとし)さんに話を聞きました。
夏は体がよく動くせいでシャフトが軟らかく感じるだけ?
夏になると、気温のせいでシャフトがやわらかくなるというウワサをときどき耳にします。東京・代官山の「プレミアムゴルフスタジオ」を主宰し、ツアープロのクラブ調整なども行っている吉田智さんに、実際はどうなのか聞いてみました。
「きちんと計測したわけではないのですが、僕の個人的な印象からすると、カーボンシャフトの硬さが季節によって変わるということはありません。夏場に変化を感じるのは、どちらかというとスチールシャフトですね。スチールシャフトは、真夏は真冬よりも半フレックスくらい軟らかくなるように感じます」(吉田さん)
気温によるシャフトの硬さの変化は条件付きで認めるものの、夏場にシャフトを軟らかく感じるのは、シャフト自体の変化よりもプレーヤーの体の動きの影響のほうが大きいだろうと吉田さんはいいます。
気温の高い夏場は、寒くて筋肉が硬くなっている冬場と比べるとプレーヤーの体がよく動くので、同じようにスイングしているつもりでも動き自体にスピードが出たり可動域が大きくなったりしてシャフトに大きな負荷がかかります。
その結果、冬よりもシャフトのしなりが大きくなり、それを、「軟らかくなった」と感じるようです。
だとすれば、冬と夏とでシャフトの硬さを変えるというような対応は、まったくのムダということはなさそうです。もちろん、費用対効果の面で「コストに見合うほどの効果があるか」というと難しいところではあるでしょう。
ゴルフにおいてシャフト以上に季節の影響が大きいのはボールです。コアにゴム系の素材が使われているゴルフボールは、気温が下がると明らかに硬くなり、飛距離が出にくくなります。
「夏と冬では、ボールの影響によって飛距離にかなりの差が出ます。冬場はボールを温めておくと飛ぶというのは本当で、厳密にはルール違反なので競技などではNGですが、ボールをホッカイロと一緒にポケットに入れておくだけでも効果があります」
「こういったボールや体の影響で飛距離が落ちたり打感が硬くなるのを、シャフトのせいだと感じるケースもあるのでしょうね」(吉田さん)
夏の影響はシャフトやボール以外にも… クラブの保管は特に注意
シャフトとは別に、夏のゴルフで注意してほしい点があると吉田さんが教えてくれました。それはグリップです。
手に汗をたくさんかく夏場は、汗がグリップに与える影響は無視できないといいます。
「ラバー(ゴム)素材のグリップは、結構汗を吸い込みます。汗の量が多い人だと、ラウンド中にグリップ側の重量が1~2グラム重くなって振り心地が変わる可能性すらあります」
「一方、エラストマー(プラスチック)系素材のグリップは、水分を吸うことはありませんがそのぶん表面にたまりやすく、溝などでうまく排水されないと、ラバーよりも滑りやすい特徴があります。ラウンド中、手が汗で濡れたままスイングしないような注意が必要です」(吉田さん)
素材の特性上、汗をかいても滑りにくいのはラバーのグリップですが、汗を放置しておくとグリップの汚れが進んで劣化が速くなり、結果的に滑りやすくなるリスクもあります。夏のラウンド後には、中性洗剤を含ませた雑巾などでよく拭くことをおすすめします。
もう1つ、夏場に注意してほしいのが、クラブの保管です。
車のトランクなど高温になる場所に置いておくと、ヘッドとシャフトをつないでいる接着剤が溶けて、破損の原因になるのです。
「ゴルフクラブの組み立てに使う『Y610』という接着剤は、シャフトをヘッドから抜く際にはヒートガンで温めて分解するくらいですので、高温に弱い素材です。真夏の車のトランク内は60~70度にもなるそうですから、放置しておくのはとても危険です。面倒でも、ゴルフ場や練習場への往復時以外は、必ずトランクから出して保管してください」(吉田さん)
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