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- 「グリップはゆるく握る」っていうけどどれくらい? 握力のない人はクラブがすっぽ抜けちゃわない!?
「グリップは力まず、ゆるく握りましょう」というレッスンやアドバイスを受けたことのある人は多いでしょう。しかし、握力の強さは人によって相当の開きがあります。握力の弱い人の中にはクラブがすっぽ抜けるのが怖くてどうしてもギュッと握ってしまう人も多いのではないでしょうか。「ゆるく」の度合いとはどれくらいなのでしょうか。
マキロイの握る強さは「9」というが万人には当てはまらない
「グリップは力まず、ゆるく握りましょう」とよく言われますが、「ゆるく」の度合いとはどれくらいなのでしょうか。
丸山茂樹の米ツアー3勝に貢献するなどツアープロコーチの草分けとして知られる内藤雄士コーチによると、グリップの強さを数値などで表すのは、個々の感覚の違いがあることから難しいと言います。ただ、グリップの握る強さに関して、大切なことは手首やヒジを柔らかく使える強さが条件になるとのことです。
「グリップの強さの感覚というのは人それぞれですが、レッスンをしていて上体に力が入り過ぎているなと感じる人に対しては、今の状態を基準にこれくらいの強さで握ってくださいと言ったアドバイスはします。しかし、例えば10段階で表現するのは難しいですね。ローリー・マキロイがそうした質問に対して『9』で握っていると答えたらしいんです。それを一般のアマチュアの人が聞くと、かなり強く握っていいんだって思うはずです。でも、プロがグリップの強さで大事にしていることは、クラブを柔らかく動かせるかどうかだけなんです。そのために言えることは、握りすぎは絶対に良くないということです」
「これは筋肉の仕組みの話になりますが、右打ちの場合、ローテーション(フェースの開閉)に最も使うのが左手なんですが、左手の中指と薬指はキュッと強く握ってもローテーションの動きを妨げることはないのですが、小指を握りすぎるとローテーションはしづらくなるらしんです。ただ、フェードヒッターに関してはフェースローテーションを抑える必要があるため、左手の3本(小指、薬指、中指)を強く握る傾向があります。平塚哲二なんかは、フェードヒッターですが、何回もアイアンのシャフトを潰したことがあるらしいんです。練習し過ぎて、グリップが開かなくなっちゃうこともあったほどです。でも、右手はそんなに強くは握らないんです。フェードヒッター、ドローヒッターで多少の握る強さや箇所の違いはありますが、タメとリリースに使う場所では柔らかく握っているという共通点はあると思います」
握力が弱い人ほど「どの指を強く握るか」の意識が重要
グリップの握りすぎが良くないことはわかりました。では、グリップを握るための力、要は握力に関して、握力があった上でゆるく握るのがいいのか、それとも、そもそも握力は必要ないのかという疑問に対して、内藤コーチは握力の弱い人ほど、どの指を強く握るかの意識は必要になるとのことです。
「グリッププレッシャーがない人に『柔らかく』とアドバイスすると、クラブがすっぽ抜けするような感じになってしまうので、どの指を強く握って、どの指は柔らかく握るという感じで、指によって握る強さを意識することは必要だと思います。握力が弱い人ほど、そういう意識は必要なのかもしれません。もともと握力がある人にとっては『支えているだけ』という表現が成立するんだと思います」
「そもそもクラブにはフェースにオープン特性というものがあります。シャフトの軸線上から重心距離まで距離があるので、それを開かないようにキープするには、ある程度の握力は絶対に必要になります。そのためにどこを強く握ったらいいのか、どうローテーションさせるイメージを持ったらいいのかなど、握力が弱い女性などはより意識が必要になります」
最近のスイング理論においては、フェースをシャット(バックスイングであまりフェースを開かない)に使ってローテーションを抑えることがトレンドになっています。そうした理論が一般アマチュアにも浸透してきていますが、内藤コーチはそれを非力な人が行うとボールがまったく浮かなくなると言います。
「バイオメカニクスの世界ではゴルフスイングは二重振り子でできていると言われています。1つ目の振り子は腕の振りで、2つ目の振り子がローテーションです。非力な人なのにボールの高さが出せて、強く振っているように見えないのに飛ぶ人っていうのは、ローテーションが使えているんです。だから握力はある程度は必要になりますが、それはローテーションを行うためだと思っていいでしょうね」
飛距離が落ちてくると飛ばそうとしてクリップは強く握りがちになります。ただ、強く握れば握るほど、手首やヒジなどの関節を固めてしまうことになり、ヘッドスピードを上げるために必要なローテーションの妨げになっていしまうということ。次のラウンドや練習では、クラブ(ヘッド)を自由に動かすことを重視して、グリップの強さを意識してみてはいかがでしょうか。
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