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- 猫背スイングは飛距離や弾道の安定性を低下させる!? ヒントは「綱引き」や「パワーリフティング」
最近では、パソコンやスマホの操作時間が増えて猫背になっている人も多いですが、猫背のままスイングするとボールが飛びにくくなるなど、さまざまなデメリットが生じてしまうそうです。
猫背になると「遠心力」に耐えられなくなる
最近では、デスクワークをはじめパソコンやスマホを操作する時間が増えたことにより、日本人の姿勢は段々悪くなっていると言われており、なかにはつい猫背になってしまっているゴルファーもいるかもしれません。
しかし、猫背の状態でスイングするとボールが飛びにくくなるなど、さまざまなデメリットが生じるそうですが、どうしてなのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「7番アイアンから上の番手のクラブをフルスイングで振ると、ダウンスイングからフォロースルーにかけて遠心力が16kg前後かかると言われています。もしも身体が遠心力に耐えられないと、スイングで大切な軸がぶれてショットが不安定になってしまうので、クラブを自分の方へ引っ張り上げる抗力を遠心力と同じ分だけ付けて、軸がぶれるのを防がなければなりません」
「ゴルフと同じく、引っ張られる力に対して引っ張る力が必要なスポーツとして『綱引き』や『パワーリフティング』などが挙げられますが、これらの映像を見ても猫背でプレーをしている人はいないはずです」
「いずれの競技も、背中をまっすぐにするとともに、お尻を少しつき出したりあごを引いたりすることで遠心力に負けない体勢にしているのですが、よく考えてみるとゴルフの構え方とまったく同じメソッドであることに気が付くでしょう」
「綱引きやパワーリフティングに加え、ゴルフのフォームも腕はあくまでも身体と用具をつなぐ『鎖』にしかすぎず、背中に力を入れて引っ張り返さなければならないため、猫背ではいけないと一般的に言われているのです」
猫背の状態でスイングすると肩を回転させにくくなるので、代わりに手や腕に力を加えて補おうとします。その結果、テークバックが浅くなって身体が開きやすくなり、スライスしたり、クラブのネック部分に当たってシャンクしたりしてしまいます。
さらに、手打ちは力の入れ方が毎回安定しないうえに、スイングの軌道も狂いやすくなります。従って、ヘッドスピードが低下するだけでなくミート率も低下して、飛距離がダウンしてしまうリスクも考えられるのです。
極度な猫背を防ぐにはどうすればいい?
では、構えた時に猫背にならないようにするためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。同じくレッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します。
「まず、ゴルフで極度な猫背になるのを防ぐには、アドレスをとっている時はもちろんですが、コース内を歩いている時も頭をまっすぐ持ち上げることを心がけると良いでしょう。歩く姿勢が良くなければ、ゴルフのフォームが良くなるのも当然と言えるので、背筋を伸ばして胸を張り、グリーンなど遠くを見ながら歩くのをオススメします」
「また、アドレスを取る際に猫背だと上半身がボールの上から覆い被さるような形になって、バランスが崩れやすいです。さらに、ダウンスイングでスイング軌道がアウトサイドインになって手打ちになるだけでなく、無理して身体を回そうとすると左半身が起き上がってクラブのフェースが開きやすく、スライスの原因にもなってしまいます」
「そこで、前傾姿勢をとる前に足の位置を決めるとともに、直立した状態で両手を胸の前に置き、そこから下を向くということをすれば背中が丸まりにくくなるでしょう。それでも背中が丸まってしまう人もいますが、クラブを構えた段階で違和感を覚えるはずなので、自分の背筋が今どうなっているかを意識すると良いと思います」
さらに、ボールを上から覗き込むように見るのではなく、下目遣いで見ると首が丸くなくなり、同時に視野が広がってスイング全体を俯瞰する見方ができます。
ただ、猫背にならないことを意識しすぎて上半身が反ってしまうのも、あまり良くはありません。例えば、地面にある重い荷物を持ち上げる時は上半身を反らすとお腹に力が入りにくいため、無意識のうちに少しだけ猫背になるはずです。
そのため、適度に力が入った状態にするには、反り腰になるよりかは「ほんの少し」背中を丸めた方が良いというのが、現在のスタンダードとされているのも事実です。
猫背になり過ぎているスイングでは、飛距離や弾道の安定性を低下させるどころか、ボールをしっかりミートすること自体にも支障をきたしかねません。普段から背中を丸めがちの人は、背骨や肩甲骨に意識を向けて構えると良いかもしれません。
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