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ショット前の素振りは本当に必要? “ノー素振り”を試して見えてきたメリットとデメリット

2026.07.11 のぐちまさひろ
スイング ルーティン

ショット前の素振りは、やり方次第ではデメリットになる可能性があります。その一方、雑にも思える“ノー素振り”には、意外と多くのメリットがあるようです。

“ノー素振り”は、迷いも力みも消してくれる

 プロゴルファーや上級者は、それぞれ形や流れは違うものの、ショット前の「ルーティン」を確立しています。常に同じ動作&リズムで行うルーティンは、心身をスムーズに整え、スイングの再現性アップに効果を発揮するからです。

 そのルーティンには、1回あるいは2回の素振りを含むスタイルが一般的です。その一方、青木瀬令奈や稲見萌寧など、一定数のプロゴルファーがインパクト付近を確認するだけの“ノー素振り”でプレーしています。

 では、一見すると雑にも思える“ノー素振り”には、どのようなメリットがあるのでしょうか。レッスンプロの小松拓夢氏に話を聞いてみました。

素振りはせずインパクトゾーンを確認するだけの人も 写真:PIXTA
素振りはせずインパクトゾーンを確認するだけの人も 写真:PIXTA

「自ずとイメージ重視になるノー素振りには、迷いなくスイングに入れる、無駄な力みを防げる、リズムを維持しやすいといったメリットがあります。また、副次的なメリットとして、プレーファストや体力の温存、体への負担軽減などが挙げられます」

「とはいえ、アマチュアの皆さんにオススメすることはありません。スイングが“日常の一部”として体に染みついているプロとは違うので、アマチュアは素振りで体をほぐしつつ、スイングの感覚やリズムを整えた方が好結果につながるはずです」

 筆者はつい最近、実際のラウンドで“ノー素振り”を試してみました。きっかけは「ソフトボールの試合と2日連続のラウンドで体の節々が痛い」「そういえば練習の時はノー素振りが当たり前だった」という切実あるいは単純なものですが、それなりの手応えを感じていたりもします。

 ノー素振りのラウンドは、良い意味で吹っ切れているので、スイングのあれこれを気にすることなく、ターゲットに集中して迷うことなく始動することができます。また、プレーファーストにもつながるし、ラウンド後に感じる疲れもかなり軽減された気がします。

 その一方、クラブをぷらぷらさせてヘッドの重さを感じたり、芝の上を滑らせたりといったイメージ作りは欠かさずに行いました。まだ自分のスタイルとして定着していないノー素振りですが、もう少し試してみようかと考えているところです。

オススメはコンパクトな連続素振り! “本気”の素振りは逆効果

 では、アマチュアが“ノー素振り”のラウンドスタイルを取り入れる際には、どのような点に留意すべきなのでしょうか。小松氏に続けて話を聞いてみました。

「ノー素振りといっても、スイングの感覚やリズムを整える“ルーティン”は、やはり必要だと思います。実際にノー素振りでプレーしているプロも、ハーフスイングあるいはハーフスイングの連続素振り、ダウンからインパクトまでの軌道を確認するといった動きをショット前に行っているはずです」

「オススメのひとつは、球筋をイメージしながら、打ち出したい方向にクラブを軽く振っていく動きです。振り幅はハーフスイング程度で十分ですが、動きを止めることなく、連続で振ることが重要です。軸をキープしつつ、クラブに振られている感覚を呼び起こせれば十分。これによって、スイングのリズムや上半身の“脱力感”を整えることができるはずです」

 ノー素振りも「アリはアリ」と話す小松氏ですが、オススメしない素振りもあるようです。それは、本番さながらの“本気の素振り”です。一体どういうことなのでしょうか。

「本番と同じつもりで素振りをすれば、スイングのイメージがより鮮明に湧き、そのイメージを残したまま本番に挑めば、ナイスショットが生まれやすいように感じるかもしれません。とはいえ、それはまったくの幻想で、“本気の素振り”には多くのデメリットがあると考えています」

 本気の素振りをした後は、どうしても余分な力みが出やすくなります。たとえ素振りと同じようにスイングするつもりでも、ボールがない状態からボールがある状態に変わると、当てる意識が過剰になりがちだからです。

「また、本気の素振りと本番を合わせると、実質的に2倍のスイング数になるので、体力も消耗しやすくなります。さらに本気の素振りは、野球でいう“空振り”に近しいとも言えるので、体への負担も意外と大きくなります。その他、しっかり構えてから素振りをする分、スロープレーにつながる可能性もあるでしょう」

 ノー素振りのラウンドを試してみた筆者は、ショット前の素振りはスイングの確認よりも、弾道やスイングの“イメージ作り”が本来の役割であることを実感しています。次のラウンドで、1ホールだけでもノー素振りを試してみると、意外な発見があるかもしれません。

のぐち まさひろ

ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「8.6」→「7.1」→「5.6」。

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