初めてのキャディー付きプレーでも“心付け=チップ”って渡すべき? 渡すとしたらどれぐらい?

キャディー付きプレーで回る場合、少々気がかりなのがキャディーさんへの“心付け”。プレーの代金にはキャディーフィが含まれていますが、改めてチップを渡すべきなのでしょうか。ゴルフの達人に聞いてみました。

日本のチップは“サービスの対価”というより“感謝の気持ち”

 日本のゴルフ場の場合、キャディー付きプレーの代金にはサービスの対価となるキャディーフィがすでに含まれています。それでもキャディーさんに、さらにチップを渡した方がいいのでしょうか。

 ここでまず捉えておきたいのが、日本には根付いていない“チップ”の考え方。

 チップ文化のある海外では代金にサービス料が含まれていないことが多く、チップは受けたサービスに対する対価と位置づけられています。このため、サービスを受けたらチップを支払うのが当然だと考えられているのです。

 従業員の給料はチップが支払われることを前提に設定されているので、チップはサービス業に従事する人たちにとって貴重な収入源の一部ともいえます。

宮崎カントリークラブでの一コマ。機敏な動きでプレーヤーをさりげなくポートするキャディーさん 写真提供:加賀屋ゴルフ
宮崎カントリークラブでの一コマ。機敏な動きでプレーヤーをさりげなくポートするキャディーさん 写真提供:加賀屋ゴルフ

 チップ文化のある海外でゴルフを楽しむ場合は、“郷に入っては郷に従え”でチップを支払うことに躊躇する人は少ないのでしょうが、すでにキャディーフィとしてサービスの対価を支払っている日本のゴルフ場の場合だと、チップを渡すべきかどうか迷う人がいても不思議ではないでしょう。

 では実際、日本のゴルフ場でのキャディーさんへのチップ事情はどうなっているのでしょうか?

 ここ10年、年間ラウンド数が200を超えるゴルフの達人、加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さんに、このあたりの事情を聞いてみました。

「日本のゴルフ場では“ありがとうの気持ち”を表す意味で渡す方がほとんどだと思いますよ。実際に僕も、“サービスの対価”というよりは“気持ち”でキャディーさんにチップをお渡しすることが多いです」

「チップを渡すか渡さないかに関しては、サービスを受けた側の気持ち次第じゃないですかね。気持ちの合うキャディーさん、合わないキャディーさん、いろいろな方がいらっしゃいますからね。人それぞれでいいと思います」

素晴らしいコースほど気持ちのいい仕事をするキャディーさんが多い

 セルフプレーで回る人が多くなった昨今。“キャディー付きプレーは未経験”という人の話も多く聞くようになりました。

 セルフプレー派の意見としては「プレー料金を少しでも安く抑えたい」、「数多くラウンドするためにキャディーフィは節約したい」といったものから、「気の合うベテランキャディーさんが付くとはかぎらないのでセルフで十分」、「キャディー付きだと、かえって気負ってしまいスコアが伸びない」といったものまで、実にさまざま。

「でもね、そういうセルフプレー派の方にもぜひ、機会があればキャディー付きプレーを楽しんでいただきたいと思うんですよ」と前田さん。

 キャディーさんは安全かつ円滑にプレーを進めていくために、さまざまなシーンでプレーヤーをさりげなくサポートしてくれます。一度でもキャディー付きプレーを経験したことのある人ならご存じでしょうが、その仕事は実に多岐に渡ります。

 ボールを拭いてくれたり、ショット後にクラブをキレイにしてくれたり……といったサービス的なものから、ショット後のボールの行方を確認したり、素早く目土をしてプレーの進行を手助けしたり……など、プレーヤーがゴルフに集中できるよう環境を整えてくれます。

 さらに、コースを歩き尽くしているキャディーさんだからこそ知り得るコース攻略情報を教えてくれたり、プレーヤーの腕前を考慮しながら最適なペースとリズム作りをアシストしたりと、まさにプロならではの見事な仕事をする人も多く存在します。

「素晴らしいコースには必ずといっていいほど、気持ちのよい仕事をしてくださるキャディーさんがいらっしゃいます」と、前田さん。

「各プレーヤーのその日の状態を見てプレーをサポートする人、ボールの落下地点を瞬時に教えてくれる人、キビキビとした動きでプレーヤーに元気をくれる人、素敵な笑顔で場を和ませてくれる人など。僕はこういった素晴らしい仕事をするキャディーさんに何度も助けられました。こういう方々になら、もっとフィをお支払いしてもいいと思ったことが本当に何度もあるのです。この“気持ち”の表れこそがチップだと思っています」

ゴルフ場の文化が表れる“チップ”は金額よりも“気持ち”が大事!

【写真】ちょっぴり緊張? 大西葵の初キャディーに挑む江澤亜弥

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江澤亜弥(左)とタッグを組んで試合に挑む大西葵(右) 写真:Getty Images
江澤亜弥のインスタグラム(@aya_ezawa)
宮崎カントリークラブでの一コマ。機敏な動きでプレーヤーをさりげなくポートするキャディーさん 写真提供:加賀屋ゴルフ
「キャディーさんとの接し方次第で、その日のゴルフが一段と楽しくなります!」と語る前田氏(中山CCにて) 写真提供:加賀屋ゴルフ
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