最新ツールを使って語学力がなくても接客が可能に
国内の観光地に行くとインバウンド客が多く目につくようになりました。それに伴い、都心の商業施設でも案内表示などでも英語のみならず韓国語や中国語などの案内が増えています。
ゴルフ場にもインバウンド客が来ていて、時折フロントで外国語が飛び交う場面に遭遇します。言葉の壁がある外国からのお客様とのコミュニケーションはどのように取っているのでしょうか、また外国人ゴルファーならではの出来事を様々なゴルフ場に聞いてみました。
外国人ゴルファーの対応で一番大変なのが「言葉の壁」ではないしょうか。日本と海外のゴルフ場ではドレスコードやクラブハウスでの振る舞いなど、異なるマナーがあるのでそれを伝えるにも言葉の壁を越える必要があります。
日本でも韓国企業が運営するゴルフ場が増えてきました。そんなコースの支配人に外国人ゴルファーへの対応を聞いてみると、「うちのゴルフ場の場合、韓国の本社から韓国語を話せるスタッフが常駐して対応するようにしています。またクラブハウス内の案内看板に韓国語のものも用意しました」と話してくれました。
しかし、多くのゴルフ場には語学堪能なスタッフがいないのが現実です。取材の中で多くのゴルフ場が使っていたのが、AI通訳機として有名な「ポケトーク」や翻訳アプリでした。様々な言語に対応していることもあり、あらゆる国のゴルファーとコミュニケーションを取ることが可能です。
「ポケトーク」をゴルフ場で購入しフロントに置いていたり、スマートフォンの翻訳アプリをインストールしておくことで、外国語に堪能なスタッフがいなくてもコミュニケーションが取れるというわけです。
ゴルフ場でのマナーの違いを多言語で掲示する必要がある
海外からのゴルファーは意外な注文をする人も少なくないといいます。
「外国人ゴルファーは1週間程度滞在する方が多く、洗濯物を干すための物干し竿を求められることもあります。さすがに物干し竿はなかったのでビニールひもを用意しました。基本的に富裕層が多く、ゴルフ場内の売店でお土産やゴルフ用品をたくさん買ってくれますね」と話すのはホテル付リゾートコースの営業担当。
1日に1.5ラウンドは当たり前で、滞在中はひたすらゴルフを楽しむ方が多いようです。驚くのはロッカーでの振る舞いで、脱衣所をではなくロッカーで全裸になってお風呂に行くゴルファーが多いそうです。そういった入浴時の習慣も異なるので、外国語による案内表示が必須だといいます。
箱根にあるゴルフ場では、「今日、ラウンドできないか?」と観光で来ていた外国観光客が突然来場してくることもあるそうです。
そんな想定外な時にも、「ポケトーク」や翻訳アプリのおかげで適切な対応ができるといいます。
これまでは言葉の壁の問題が大きく、日本語ができる人を同伴していないと外国人を受け入れないというゴルフ場も多くありました。しかし最近は、多くのゴルフ場で「ポケトーク」や翻訳アプリを使いながら外国人ゴルファーの対応をするようになったようです。
地域によってはインバウンド客のゴルフ場への受け入れを推進しているところもあるので、今後は頻繁に外国人ゴルファーを見かける機会が増えるかもしれません。