導入を推進したセコム山梨の社長はAEDを携行してプレー
この裏で奮闘しているのが、セコム山梨株式会社の田中慶一社長。国産メーカー・日本光電のAEDをSANWAのゴルフ場カートAED専用収納バッグに詰めることで「5分以内に電気ショックが可能」というAED設置ガイドラインに沿った導入計画を山梨県内のゴルフ場に働きかけてきました。
セコムでは、1回あたり講師2名をゴルフ場に派遣し、30名までに対応するAEDトレーナーと人体模型などを用意した講習を2回ずつ開催しています。
(1)プレー中の心停止を想定し(2)キャディーさんと他のプレーヤーが協力して救命対応を実施(3)119番通報と同時にクラブハウスに連絡し救急車手配していることを共有(4)AEDマークのあるゴルフカートへAEDを取りに行くというポイントを押さえつつ、人体模型などの機材を使ったAED講習を行っています。
そうした動きのキッカケとなったのが、この上野原CCだったというのです。しかも驚かされるのは、田中社長がどのゴルフ場にプレーに行くときにも、必ずAEDを携行することです。
「自分も趣味でゴルフをやっていますが、ゴルフ場ではAEDはだいたいクラブハウスに置いてあるだけ。クラブハウスから遠く離れたコース上で心停止が発生した場合、駆けつけるのに最低5分はかかってしまうでしょう。1分1秒でも早くAEDを使ったほうが救命率が高くなるので、常に身近に置いておきたい」と、持参したAEDを乗用カートに積んでプレーをしているということです。田中社長とプレーすることになった同伴プレーヤーたちも、心強いに違いありません。
高齢化が進む中、プレー中の突然死が続発している日本。この時期は猛暑という危険因子が加わっており、ゴルフ場側もAEDの設置に力を入れるべき時が来ているようです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。