JGAも推奨! シャツの裾出しは“イン”より4度涼しい!? ゴルフ場はドレスコードを緩和するのか聞いてみた | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

JGAも推奨! シャツの裾出しは“イン”より4度涼しい!? ゴルフ場はドレスコードを緩和するのか聞いてみた

JGA(日本ゴルフ協会)は「真夏のゴルフを楽しむ皆さんへ」と題するメッセージを発信し、「ゴルフ場のドレスコードで認められているのであれば、~中略~プレー中にシャツを外に出すことで体温の上昇が抑えられると考えられます」と、シャツの裾出しを推奨。しかし、問題はゴルフ場が認めるかどうか。実際にゴルフ場はドレスコードとの整合性をどう考えているのか、聞いてみました。

間違いなく熱中症予防に有効な“シャツアウト”

 7月25日、JGA(日本ゴルフ協会)は「真夏のゴルフを楽しむ皆さんへ」と題するメッセージを発信しました。それには、「〈プレー中〉ゴルフ場のドレスコードで認められているのであれば、短パン(男性)~中略~の着用、またプレー中にシャツを外に出すことで体温の上昇が抑えられると考えられます。プレーするゴルフ場に確認の上、実践してください。」という一文が……。

「どうしたんだい、父さん。今日は“シャツアウト”にしてるじゃないか」「実はな、裾を出したほうが熱中症のリスクが低いと聞いてね。お前とラウンドしてるときにぶっ倒れたら、父の威厳が保てないじゃないか。それと少し……若く見られたくてね」「そいつぁー、一石二鳥だ!」「アハハハハ」「アハハハハハハ」(写真とキャプションはイメージです) 写真:AC
「どうしたんだい、父さん。今日は“シャツアウト”にしてるじゃないか」「実はな、裾を出したほうが熱中症のリスクが低いと聞いてね。お前とラウンドしてるときにぶっ倒れたら、父の威厳が保てないじゃないか。それと少し……若く見られたくてね」「そいつぁー、一石二鳥だ!」「アハハハハ」「アハハハハハハ」(写真とキャプションはイメージです) 写真:AC

 ウエアの形や着方に多様性を持たせることで熱中症予防に大いに役立つのではと期待された、このメッセージ。実際ゴルフ場の現場で「シャツ(の裾)を(ズボンの)外に出す」ことは、どれだけ反映されているのでしょうか。

 まず、いくつかの資料を見てみましょう。

 公益社団法人全日本病院協会では、熱中症を予防するために大事な4ポイントをHP上で公開しています。これをゴルファーの熱中症予防に置き換えると、次のような具体策が浮かんできます。

(1)暑さを避ける
 →コースでは日陰を歩く、帽子や日傘を使う
(2)服装を工夫
 →薄手で風通しのよいウエアを着る
(3)こまめな水分補給
 →ティーショット時やカート乗車時など、毎ホール水を飲む
(4)暑さに備えた体作り
 →屋外練習場の利用やウォーキングなどで日頃から体を暑さに慣れさせる
 ※矢印以下は編集部による補足です

 ここで注目したいのは(2)です。「服装を工夫」して「薄手で風通しのよいウエアを着る」ようにするなら、冒頭の日本ゴルフ協会から発信された「シャツを外に出す」ことは、かなり有用といえるでしょう。同じシャツを着るのでも、シャツの裾をズボンの中に入れる(イン)より、外に出す(アウト)ほうが、ずっと風通しがよくなるからです。でも本当に着方ひとつ工夫するだけでそんな違いがあるのでしょうか。

 ゴルファーでご存じの人もいるかもしれませんが、群馬県の中学生が「体育の授業で着るシャツの裾を出して着たら、どうなるか」をサーモグラフィーカメラで撮影・比較したデータがあります。それによると、運動2分後、シャツアウトした生徒のほうが、シャツインの生徒よりも上半身の温度が約4度低かったことが分かりました。

 検証を行なった理科教諭は「(シャツ)インだと熱がたまりやすいが、(シャツを外に出す)アウトは風通しがよいため熱を逃しやすくなり、この差が生じると考えられる」として、科学教育研究協議会の全国大会でこの結果を発表しています。

 この結果を受けて、昨年も大阪府の高校のサッカー部で同様の検証を行なっています。群馬県の検証と同様の結果を得て投稿したツイートには、1カ月で7万近くもの「いいね」がついて拡散されました。シャツの裾をズボンの外に出す着方は、理にかなった熱中症の予防策の一つとして、多くの人の賛同を得ているといえるでしょう。

アコーディア・ゴルフは「もとから“シャツアウト”OKですけど?」

 一方ゴルフの現場では、この話題に対する反応はほとんどみられません。ゴルフ場によってシャツの裾はズボンにインするよう定められたままだったり、禁止されているわけではないのにアウトする着方が憚られる雰囲気だったり……。さしあたりゴルフ場からの発信も、大きな変化もないようなのです。

 では、日本ゴルフ協会からの発信「プレーするゴルフ場に確認の上、実践してください」に呼応して、ゴルファーから「そちらのゴルフ場ではシャツアウトでもプレーできますか?」といったお問い合わせはないのでしょうか。

「検討中」などの理由で取材に応じてもらえないケースが続くなか、ゴルフ場運営大手の株式会社アコーディア・ゴルフが回答を寄せてくれました。

「そのようなことでプレーヤーからのお問い合わせは、今のところ特にありません。弊社ゴルフ場では、従来より厳しいドレスコードを設けているコースはほとんどなく、カジュアルゴルフを提唱しているため、(日本プロゴルフ協会の発信を受けて)ドレスコードを追加したり修正したりすることもございません。ゴルフウエアであれば、シャツアウトでもインでもOKです」(広報・CSR課、皆川典子さん)

 同社では、〈服装についてのお願い〉として、ドレスコードを次のようにアナウンスしています。

・プレー時は、Tシャツ・Gパンなど、ゴルフ(スポーツ)ウエアとして販売されていない服装はご遠慮下さい。
・プレー時は、ソフトスパイクまたスパイクレス仕様のゴルフシューズ着用をお願いします。
・プレー時は、危険防止と熱中症対策として帽子の着用を推奨いたします。

 回答にあるように、ゴルフウエアとして販売されているシャツならインでもアウトでも問題はないそうです。多くの人にゴルフを安全に、より気軽なスポーツとして楽しんでほしいという思いがあるからです。ゴルフウエアの持つスポーツ機能やTPOを尊重してもいるのでしょう。

 これならシャツアウト派のゴルファーも安心して涼しくプレーできそうです。

 シャツイン派のゴルファーも、試しに一度シャツの裾を外に出してゴルフをしたら「風通しが良くて、涼しくて……」もう、インする着方には、戻れなくなるかもしれませんね。

【写真】意外と分かってない? 同伴者が打つとき「立っていい場所」「ダメな場所」/正しいバンカーのならし方、レーキを置く場所

画像ギャラリー

怒られてしまう可能性がある立ち位置はココ!飛球線後方に立つのはマナー違反です
ショットをしようとしているゴルファーの邪魔にならない理想的な立ち位置はここ
ラインを踏む可能性があると思う時は「ここを踏んでも大丈夫ですか?」と同伴競技者に確認しよう
最初はレーキの刃のあるほうで砂を押すようにして
引き戻す
裏返して滑らかにならす
裏で滑らかにならしながら入った位置まで戻る
裏で滑らかにならしながら入った位置まで戻る
砂に残るレーキの線や跡がピンに向かって真っすぐになるよう、ピンの方向を意識しながらならす
アゴに近い傾斜の部分は押す力を強くして砂を戻してあげるように
もしアゴのそばにボールがあっても、アゴの側からバンカーに入ってはいけません
レーキを使い終わったらバンカーの手前の低いところに置く
「どうしたんだい、父さん。今日は“シャツアウト”にしてるじゃないか」「実はな、裾を出したほうが熱中症のリスクが低いと聞いてね。お前とラウンドしてるときにぶっ倒れたら、父の威厳が保てないじゃないか。それと少し……若く見られたくてね」「そいつぁー、一石二鳥だ!」「アハハハハ」「アハハハハハハ」(写真とキャプションはイメージです) 写真:AC

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