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- 目土は人のためならず… ディボット跡はどう修復するのが正解?
アイアンショットをすると、ボールと一緒に芝も飛んでいき「ディボット跡」ができることがあります。正しく処理しないとマナー違反になりますが、どのように直したらよいのでしょうか。
ディボット跡ができたら必ず目土を盛る
ディボットとは、アイアンなどでボールを打った際に削れてしまった芝のことを指し、芝が生えていた場所にできたくぼみを「ディボット跡」と呼びます。ボールだけを拾うようにして打てればいいですが、クラブのヘッドがボールのかなり手前から入ると、芝やさらに下の土の部分まで一緒に削り取ってしまいます。
ビギナーの場合は上記のような「ダフり」のミスショットでディボット跡ができやすいですが、上級者の場合、ヘッドがスイング軌道の最下点に到達する前にボールに当たる「ダウンブロー」でディボット跡をつくってしまうこともあります。
中には、跡が小さかったり同じようなものが至る所に点在しているからと、自分でつくったディボット跡を直さずにそのまま行ってしまう人もいますが、明らかなマナー違反です。
では、ディボット跡を直すにはどのようにするのが適切なのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。
「芝生は空気中に根を張ることはできないので、土や砂のある場所に戻してあげる必要があります。ディボット跡を放置していると、地面がへこんだ場所に次の芝が生えるのでコースがでこぼこになってしまいます。じゅうたんのようにきれいで平らなゴルフ場を維持させるためには、ゴルファーそれぞれが目土を盛って対処する必要があります」
「かける目土の量は、掘り起こした穴を埋める程度ではなく、周りに生えている芝よりも少し高くなるまで盛るのがコツです。そして、軽く踏みつけて周りの芝と高さを合わせます。砂の量が少なく、かけた後に踏み固められていないと、風雨で簡単に流されてしまう可能性があります」
地面が露出した状態を放置すると、局所的に土が乾燥して新しい芝が生えてこなくなります。砂をかぶせることによって、土の中に含まれる水分を保持し、再生を促進させます。
ディボット跡を修復してゴルファーの鑑に
「わざわざ目土をしなくても、掘り起こした芝を元の位置に戻すだけでもいいんじゃないの?」と考える人もいるかもしれませんが、実は芝の種類によって戻していい場合といけない場合があります。
前者に該当するのは「ベントグラス」に代表されるような洋芝で、日本では北海道のコースのフェアウェイで多く使用されています。洋芝は根が細かく、養分や水分を保持しやすい特性のため、戻せば自らの力で修復できるようになっています。
一方で後者に当てはまるのが「野芝」や「コーライ芝」のような和芝で、横に根を伸ばす習性があり、地面になかなか定着しない点が大きな特徴です。
北海道を除くほとんどの地域でフェアウェイは和芝が使われているので、目土をかけるのが最も効果的といえそうです。どのゴルフ場でも、カートの後部にスコップが入った状態でぶら下がっているので、ダフってディボット跡をつくってしまった時に備えて常に砂を補充しておくようにしましょう。
また、自分で持ち歩けるように自前で目土バッグや目土ボトルを用意することもオススメです。いずれもインターネットで500~1000円台で売られており、場合によってはタンブラーやペットボトルでも代用可能です。バッグを持っていくときはスコップも入れておくと便利です。途中で目土がなくなったら、ティーイングエリアの近くに補充ポイントがあるので、適宜入れるようにします。
関氏はディボット跡を毎回きちんと修復する人こそが「ゴルファーの鑑」であると話します。
「アーノルド・パーマーは『目土もボールマークの修復も、自分が付けた数より1つ多く直して帰りましょう』という言葉を残しました。多くの人が実践すれば、おのずとゴルフ場全体が段々ときれいになります」
自分がプレーした後も、ゴルフ場には数多くの人がやってきます。次にラウンドする人が、目土がされていない穴だらけのコースに行くと不快な思いをするのは考えるまでもないでしょう。ゴルフ場もれっきとした「公共の場」ですので、みんなで美しいコースを守ることが非常に大切です。
特にビギナーはアイアンショットでダフる回数がとても多くなり、頻繁にディボット跡をつくってしまう人が多いです。1回1回直すのを面倒がらず、自分も芝の手入れに協力するのが、グッドゴルファーへの第一歩です。
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