「行きつけ」のコースを持つことで自信をつける
ゴルフ場は地形の起伏が激しい山間部から強風が吹きつける海沿いまでさまざまなコースが存在します。
ビギナーはある程度スキルを身に着けたらコースデビューします。今まで学んだことを生かし、ゴルフ場でしか味わえない状況に苦戦しながらさらなる上達を目指していきます。

しかし、いつまでも同じゴルフ場でプレーし続けると「あのホールはグリーンの右奥にバンカーがある」や「ここはOBエリアがすぐ近くにあるから曲げないようにしよう」などと各ホールの特徴が記憶されることで慣れてしまい、違うゴルフ場に対応できなくなるのではと考えがちです。
では、ビギナーは次々と新しいコースにチャレンジするのと、一つのコースを全て覚えるほど何回もラウンドするのとでは、どちらが上達につながるのでしょうか。レッスンプロの山本昌夫氏は以下のように話します。
「1カ所くらいは『行きつけ』のコースを作った方が上達しやすいと思います。同じコースを何度も回れば、各ホールの特徴やコースマネジメントの最適解が分かってくるのでスコアが伸びやすいです」
「ビギナーのうちは上達を感じることで、練習の意欲も上がってくるのでオススメです。一方で、毎回違うゴルフ場に行ったり自分の技量に合わない難易度の高い場所を選んだりしてしまうと、スコアが伸びず面白味を感じづらいです」
「私は、アマチュア時代にホームコースでハンディキャップを取得しました。自分が初めてプレーするゴルフ場は、どうしてもいつもよりスコアが伸び悩んで競技会で不利になる心配があったからです。なので、ビギナーでもよりうまくなりたければ、河川敷や山がちのゴルフ場でも何でもいいので、とりあえず『行きつけ』のコースを作った方がいいでしょう」
自分の「本拠地」である「行きつけのコース」を設定し、自信をつけてから新しいコースにチャレンジすることがよさそうです。
スコアを追求しないのであればいろいろなコースに行くのも良い
しかし山本氏は、スコアを追求しないのであれば色々なゴルフ場に行くのもアリだと話します。

「スコアを追求することだけがゴルフの醍醐味ではないので、例えば『あのゴルフ場のレストランが良かった』、『何番ホールからの景色が良かった』などを基準に選んでみても良いでしょう。しかし本来であれば、上級者でない限りあまりあちこち回らない方が無難です」
なかには、趣味程度で気楽にゴルフをしたいと思うビギナーもいるかもしれませんが、本気でスコアを意識し始めたら自分なりの行きつけのコースを見つけると、基礎的なスキルが身につきやすくなるといえそうです。
ほかにも、何度も同じコースでプレーすると、自分のクセや弱点を明確に理解できるメリットがあります。各ホールの細かい特徴をとらえたり、データを集めて分析したりすることによって「なぜ特定のホールばかりミスショットが多く出るのか」などのような疑問の解消につながるでしょう。
行った先のゴルフ場が常に初めての場合、コースの全体像を把握しきれないままプレーすることになるので、経験のない状況に置かれるとかえって混乱してしまいます。そのため、行きつけのコースで土台をしっかり固めることが重要です。