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- 昼ビールは我慢!? 10月が活動ピークの「蚊」にゴルフ場で“刺されない5カ条” 生態知り尽くす教授が伝授
意外にも“暑すぎる”のは苦手な「蚊」。猛暑だった今年は10月が活動ピークと考えられます。せっかくゴルフのトップシーズンなのに、寄ってくる蚊が気になったり、刺されてしまいかゆくてプレーに集中できないのではもったいないことこの上ありません。効果的な対策を蚊の生態を知り尽くす大学教授に聞きました。
“林に打ち込み焦って走る”は完全に「蚊」の餌食
夏場のゴルフ場では、よく「蚊」に刺されます。でも、蚊は暑すぎるのが苦手なため、猛暑の今夏は活動が鈍かったそうです。
とはいえ「夏も終わり、もう刺される心配はないですね」と安心するわけにはいきません。どっこい蚊は、気温が下がるのを待って活発化するからです。今年は9月から11月にかけて、特に10月上旬が活動のピークになると予想されます。蚊に刺され、血を吸われ、かゆい思いをさせられるのは、むしろこれからなのです。秋のゴルフシーズンを楽しみにしているゴルファーの皆さんには、決して人ごとではありません。

そこで、テレビの情報番組等でもおなじみの、ヤマザキ動物看護大学・長島孝行教授(動物看護学部 動物人間関係学科)にお話をうかがいました。長島先生は、さまざまな昆虫の生態や能力を研究・応用して医療器具等の開発にも取り組み、蚊の生態を知り尽くしています。
ゴルファーがラウンド中、蚊に刺されないようにするには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。蚊の生態や特長を元に、しっかりと対策を教えていただきました。
「ゴルフ場でも住宅地でも、一般に多いのは“ヒトスジシマカ”、俗にいう“ヤブ蚊”の一種です。蚊は暑さが苦手で、気温が40度を超えるとほとんど死んでしまうため、32~33度以上になると木の葉の裏などに隠れて気温が下がるのをじっと待ち、25~30度くらいで活発になります。気温が高いときは早朝や夕方の時間帯に活動し、9月から11月にかけて気温が下がってくると昼間も活動します。特に、10月あたりは早朝プレーや夕涼みプレー時だけではなく、日中のプレーも蚊の活動時間帯と重なりますので、ゴルファーの皆さんは気をつけてください」
「蚊は、そもそも水辺で産卵・発生し、成虫になると主に木陰の芝や葉の裏側にずっと止まっています。ゴルフ場でいうと、多くはフェアウェイ以外の、ラフ、林、木の枝や幹、特にヤブや深いラフや林にいるのです。林の中へボールを探しに行ったり、枝が張った大木の下に置いてあるベンチに腰かけたりすると、あっという間に上からすっと蚊が降りてきて、シャツから出ている首の周辺を刺されてしまうでしょう。飛んでいる姿は見えなくても、蚊は匂いを嗅ぎつけて1~2メートル先から寄ってくるからです」
まるで、秋のベストシーズンを迎えたゴルファーがコースに出てくるのを待ち構えているかのようです。夏のゴルフで蚊に刺される人は、ショットをミスしたり曲げたりして、フェアウェイ以外のところ、つまり林やラフを渡り歩いているのかもしれません。
もちろん、それだけではありません。姿は見えなくても、蚊は「匂いを嗅ぎつけて」寄ってくるといいます。それはどんな匂いなのでしょう。またその匂いは、よく蚊に刺されやすい人に共通するものなのかも気になります。
「端的にいうと、汗やCO2(二酸化炭素)の匂いです。そもそも体温が高い人は蚊に刺されやすいのですが、代謝や体温上昇によってさらに汗をかいたり息が上がったりすると、吐く息、つまり二酸化炭素が多くなります。その匂いに蚊が寄ってくるのです。ちなみにペットの犬が公園などを散歩していて蚊に刺されやすいのは、人間より体温が高く、呼吸も荒いからです」
「ゴルファーの場合は、こうした要因が負の連鎖を起こしやすく、蚊に刺されるファクターが跳ね上がります。例えば、ラフへ打ったボールを見つけに走る、昼食時にビールを飲む。そうした行動により代謝がよくなって、体温が上がり、息も上がるし汗もかきます。すると、犬以上に敏感といわれる蚊の嗅覚センサーが二酸化炭素や汗の匂いを拾い、1~2メートル離れた葉の裏からすーっと寄ってきて刺されてしまうのです。とりわけハーフターンの昼食でビールを飲んだあとは注意したほうがいいでしょう」
走ったりビールを飲んだりしたことによる呼気、発汗……。思い当たる節がありすぎます。
それにしても、自分で気づかないうちに出ている汗の匂い……言い換えれば汗臭さが蚊を呼び寄せているとは、いささかショックです。
「汗の匂いというのは、もともと皮膚にすむ常在菌が汗に反応して生じる匂いでもあります。蚊に刺されやすいのは足ですが、それは常在菌の匂いを拾って蚊が寄ってきたのであって、足が臭いというわけではありませんよ。蚊を寄せつけないためには、汗の匂いを出さないこと。本来は足を洗うのが一番ですが、ゴルフ場ではそうはいきませんので、靴下を足首まで下ろして除菌シートで拭くといいでしょう。さらに虫除けスプレーを靴下とズボンの裾にかけると効果が高まります」
これらのアドバイスを含め、ゴルフ場で蚊に刺されないためには、次の5つの対策が有効だと長島先生はいいます。
(1)できるだけ肌の露出を少なくする→短パンや7分丈ズボンやアンクルソックスは避け、長ズボンに、ふくらはぎまでかそれより長いソックスを着用する
(2)常在菌の匂いをとる→出ている部分はアルコール除菌シートなどで拭く
(3)9ホールあたり1~2回は防虫スプレーをかける→直接肌にかけるのではなく、ウエアの上からでOK。足や腕はもちろん、肩にかけて首回りを守り、帽子にかけて耳と顔を守る
(4)全身黒、黒×白のボーダー、紫のウエアはNG→特に黒が多く白の縞模様が入ったウエアは蚊の大好物なので避ける。光を反射する白一色に近いウエアほど蚊は寄ってこない
(5)風通しのいいところで休む→蚊は、風、直射日光、雨に弱く、風のある日や雨の日は木陰でじっとしている。風があるところには出てこない
また、若い人がよく使っている制汗シートや女性が使っている保湿クリームのなかには、効果がはっきりしないものや製品に含まれている成分の匂いに蚊が寄ってくることもあるそうなので、ラウンド時の使用は見合わせたほうがいいかもしれません。いずれにしても、誰にでもできそうなことばかりですし、蚊の生態を理解して対策を講じれば効率的です。
“吸血中”の「蚊」を見つけたら叩かず吸わせとくのが吉!?
それでも、蚊に刺されてしまうことはあります。
「蚊は人の皮膚に針を刺すとき唾液を出すことによって血液をサラサラにし、細い管から吸いやすくしています。十分血を吸うと唾液を吸収して、また次に使います。もっとも、一度満腹になった蚊は産卵にうつるため、もう人を刺すことはしないのですが……。一方、人間にとっては、その唾液こそが腫れやかゆみを引き起こす原因物質です。もし吸血中に追い払ったりすると、唾液は吸収されず皮膚下にそのまま残るため、患部が赤く腫れ、かゆみを生じます。しかも10月から11月にかけて、蚊にとっては最後の活動期ですから、お腹がいっぱいになるまで吸血しようとして何度も刺してきます。吸血中の蚊を見つけても、できれば途中で追い払わないほうがいいのです」
そうすればかゆみが少なく済むし、後の人のためにもなるといいます。
とはいえ、十分吸血させるまで我慢するというのも、なかなかできることではありません。ほぼ反射的に蚊をパチン!と叩いてしまった場合は、刺された患部に冷たいペットボトルを当てたり、水道等で流したりして、すぐに冷やすと腫れやかゆみが広がるのを防げるそうです。
最後に、長島先生が有効な提言をしてくれたのが印象に残りました。
「あの日本一有名なテーマパークには、蚊がほとんどいません。それは『CO2トラップ』といって、二酸化炭素を意図的に出すことによって蚊をおびき寄せ、処分するシステムを採用しているからです。止水をせず、水の流れをつくることで繁殖させないようにもしています。多くのゴルフ場が、殺虫剤に頼るだけではなく、このような方法を採用してくれると、蚊は激減し、ラウンド中に刺される心配もなく、より快適にプレーできるのではないでしょうか」
そういう日が早く実現するといいのですが、当面は、筆者を含め蚊に刺されやすいゴルファーは白いウエアを着て、除菌シートと防虫スプレーを必ずキャディーバッグに入れ、ハーフターンのビールを我慢してプレーするのがよさそうです。
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