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- 「男は“白ティー”じゃなきゃ恥ずかしい」なんて時代遅れ!? 性別問わずレディースティーを使用していいの?
一般的に男性は「レギュラーティー」と呼ばれるティーイングエリアから打ちますが、飛距離に自信がない人は、前方にある「レディースティー」から打っても大丈夫なのでしょうか。
レディースティーでもスロープレートが標準以上の場合がある
ほとんどのゴルフ場で各ホールのティーイングエリアはプレーヤーに応じて複数設けられています。初めてコースでラウンドするまでは、1つしかないと思い込んでいたゴルファーも多いかもしれません。

標準となる「レギュラーティー」は白色のティーマークで表示されることが多く、男性はもちろん腕前や飛距離に自信のある女性もここから打ちます。また、レギュラーティーよりも後ろにある「バックティー」は上級者向けで距離が長くなるので難易度が高くなります。
なかには、さらに後方の「フルバックティー」が用意されているところも存在し、競技会で使用するケースが多いです。
反対に、レギュラーティーよりも前方に設置されているものは、一般的な飛距離の女性やジュニアがよく使用するので「レディースティー」と基本的に呼ばれます。レギュラーティーとレディースティーの間に「フロントティー」や「シニアティー」が設けられている場合もあります。
しかし、ビギナーをはじめ成人男性でもあまり長い距離を飛ばせない人は少なくないはずです。では、男性であってもレディースティーを使用しても大丈夫なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「もちろん、男性がレディースティーから打ってもまったく問題はありません。なぜなら、『すべての人が平等にゴルフを楽しめるような配慮をするべき』というのが世界のゴルフ界を統括するR&AやUSGAも提唱している考え方だからです」
「ゴルフ場には『コースレート』という難易度を示す数値が付与されていて、ハンディキャップゼロの『スクラッチゴルファー』がそのコースをどのくらいのスコアで回れるかを基準にしています。一般的なゴルフ場はパー72ですが、それよりも数字が大きければ難しいコース、反対に小さければやさしいコースと判断することができます」
「しかし、コースレートはあくまでスクラッチゴルファーにとっての難易度を示す尺度であって、必ずしもアベレージゴルファーや初心者にも当てはまるものではありません。上級者にとってはまったく問題にならない池やバンカーが、初心者にとっては大きな障害となり著しくスコアに影響することは珍しくないからです。つまり、2つのコースが同じコースレート72で、スクラッチゴルファーはどちらも72で回れるとしても、アベレージゴルファーが一方は90で回れるのにもう一方は100を打ってしまう場合、コースレートとは違った尺度が必要になります」
「一般的に難しいコースほど上級者とアベレージゴルファーのスコア差は大きくなるため、腕前とコース難易度の相関をグラフで表した場合、難しいコースは傾斜がきつくなり、やさしいコースは緩やかになります。この坂のようなグラフで表される難易度の基準を『スロープレート』といい、コースやティーごと男女別にそれぞれ付与されています。色にこだわらず、この数値で判断すれば、自分の実力に合ったティーが選択できます」
スロープレートは数値の幅が55~155まであり、標準値は113となります。そのため、113より大きい数字なら並のゴルファーにとっては難しいコース、反対に小さければプレーしやすいコースと考えることができます。なかには男性がレディースティーからプレーする場合でも標準の113前後かそれ以上の数値になることもありますから、躊躇せず前のティーからプレーしていいのではないでしょうか。
飛距離200ヤードなら5200~5400ヤードのティーが最適
もしスロープレートが表示されていない場合、単純に飛距離で選ぶ方法もあります。
「ゴルフのさらなる普及につなげるため、USGAやPGA・オブ・アメリカが共同して『ティー・イット・フォワード』と名付けた取り組みを進めていて、総ヤーデージをもとにゴルファーそれぞれのドライバーディスタンスに適したティーイングエリアからスタートしましょうと呼びかけています」
具体的には、ドライバーで275ヤード飛ばせる人は総ヤ―デージを6700~6900に、対して150ヤードしか飛ばせられない人の場合は3500~3700の間で設定すると一番楽しくラウンドできると示しています。
【ドライバーの飛距離:推奨するトータルヤーデージ】
300:7150~7400
275:6700~6900
250:6200~6400
225:5800~6000
200:5200~5400
175:4400~4600
150:3500~3700
125:2800~3000
100:2100~2300
「ただ、目的は必ずしもゴルフをやさしくしようというばかりではありません。飛距離によってティーイングエリアを変えることでバンカーに入る確率を平等にする効果もあります。ティーショットが全然飛ばない人は最初のバンカーにも届かないため、それがずっと続いては面白味がありません。ボールが着弾する位置を揃えてビギナーにもある程度スリリングな状況を味わってもらう目的も兼ねています」
ティーショットでなかなか前に進まない人が無理してレギュラーティーを使用し続けるとスロープレーにつながって後続組に迷惑をかける可能性も考えられるので、遅延防止の観点からも飛距離や腕前に合ったティーを選ぶべきでしょう。
最近では社会の風潮を受けて「レディースティー」の名称を廃止したり、色で区別する際は「女性=赤やピンク」のような先入観に捕らわれないように、ほかの色を使用したりしているゴルフ場も増えているようです。
このように、世界的なゴルフ団体がどのようなゴルファーも一緒にプレーできるよう、フェアな環境づくりを促進しています。性別に一切関係なくレディースティーから打っても構わないので、今までためらっていた人は次から積極的に使ってみてはいかがでしょう。
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