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- 集中したいから音楽を聴きながら練習! 打音が聞こえないことは上達にプラスかマイナスか
プロゴルファーも練習に集中したいときイヤホンを耳につけているのをよく目にします。リラックスしたり、リズムをよくする効果はありそうですが、デメリットはないのでしょうか。
芯をとらえた“いい音”をたくさん聞こう
イヤホンで音楽を聴きながら練習しているゴルファーを見かけると、かつてあるミュージシャンが言った「音楽は空気のようなもの」という表現を思い出します。イヤホンで音楽を聴くことは愛好家には空気を吸うのと同じように自然なことなのでしょうが、ゴルフの練習やパフォーマンスにとってどのような影響があるのでしょうか。
複数のプロに意見を聞いたところ、「有益です」という答えが多く返ってきた一方、デメリットも2人のプロが挙げていました。2人とも「(イヤホンをつけて音楽を聴くと)ボールを打った時の打音が聞こえなくなる」ことへの懸念を同じように口にします。
「プロが試合前にイヤホンで音楽を聴くことは、心身をリラックスさせ、プレーへの集中力を高めるのによい方法でしょう。ただ、私自身イヤホンを使用しないのですが、打音が聞こえないことで違和感はないのかなとは思います」
こう話すのは、横浜・湘南を拠点に900名以上の生徒を指導するカリスマコーチの南澤聡さんです。
打音とは、クラブでボールを打った時に出る音です。トーナメント会場で聞こえるプロの打音は高くクリアに聞こえます。プロは常にボールをダフることなくクリアにとらえているからでしょうか。もし打音が聞こえないと、クリーンに打てたかダフったかの判断がぼやけ、耳からの情報をスイングにフィードバックする回路も鈍ってしまいそうです。
「ダフったかどうかというより、プロの場合は、芯をとらえた時の音、芯を外した時の音、インパクト(でクラブ)が強く入りすぎた時の音などを聞き分けています。もちろん聞きたいのは芯をとらえた時の“いい音”です。打音は、打感や球の飛び方ともほぼリンクするため、しっかり聞き分けて、いい音の再現性を高めることが大事です。いい音が聞けなければいい球も打てないわけですから、クラブの入れ方を変えるなり、クラブを等速で振っているかをチェックするなり、次にすることが違ってくるのです」
「アマチュアの方は、打音や打感より飛んでいくボールの距離や方向を重視する傾向があります。それよりも、まずはイヤホンを使わず、芯をとらえた時の打音がどういう音かを知っていただきたいですね。芯をとらえる確率は人によって違いますが、本当に芯をとらえた時の打音を耳に記憶させたら、一球ごとに耳を澄ましてできるだけ多くいい音を聞けるように練習しましょう」
プロにとってもアマチュアにとっても、インパクト時のいい音とそうでない音の区別がつかなくなることは、やはりマイナスといえるでしょう。
ダフった音を芯を食ったと勘違いしている場合も
プロゴルファーの奥山ゆうしさんも同じ意見を持っていました。
「イヤホンで自分に合うビートの曲を聴くと、スイングリズムが良くなります。雑念がなくなって集中力が高まるメリットもあります。その反面、イヤホンをつけることによってインパクト時の音が聞こえなくなるのはデメリットですね。打音はゴルフの練習に欠かせない重要なチェックポイントだからです。それでも『音楽は空気と同じ。どうしても聴きたい』という人は、イヤホンをつけっぱなしにせず、つけたり外したりしてはどうでしょうか。音楽と同じくらい、打音を聞き分けることも大切にしてほしいです」
奥山さんは、芸人のオリエンタルラジオ・藤森慎吾さんのコーチです。当初95から105を行ったり来たりしていた藤森さんのスコアは、レッスンを始めて約半年でアベレージ86。現在は「いい時は70台で回ってくる」そうです。
「プロとアマチュアの打音がまったく違うのは、そもそもボールのどこを打つか、その場所が違うからです。ゴルフボールは直径1.68インチ(42.67ミリ)強ありますが、プロは上から約3分の2あたり、いわゆる“赤道”の少し下を打つのに対して、アマチュアの方はボールと地面が接しているところを打とうとしています。その結果、プロはまずクラブでボールを打ち、クラブ軌道がさらに下がって地面に当たりターフが削れる。芯を厚くしっかりとらえた時は、“カーン”と“ドン”が合わさり、低く鈍く柔らかい“ズドン”という音がします」
「ところがアマチュアの方は、ボールが接地している一点を狙うけれども手首を使いすぎるためクラブ軌道がブレてしまいがち。クラブヘッドがボールより手前の地面に落ち、ダフリながらボールを打っているのです。ほとんどの方が『芯で打った』と思っている“ドスッ”という打音は、実はダフっている音です。また高い打音がしても、それはボールをクリアに打った音ではなく、フェースが開いたり拾い上げたりして“カスッ”と軽い音がしているケースもあります。本当に芯に当たった時と、実はよく当たっていない時との違いをしっかり聞き分けましょう」
打音の違いについて奥山さんはこう説明してくれました。思った以上に繊細です。アマチュアはどうやって聞き分ける力をつけたらいいのでしょうか。
「1球ごとに打音と打痕とを確認しながら練習するといいでしょう。ドライバーでやってみると分かりやすいと思います。例えば私の場合、インパクトで“キーン”と甲高い音がした時は、大体クラブフェースのヒール側にボールの痕がついている。打球はトップ気味です。いっぽう芯に当たった時は“ドン”という鈍い音がします。手に伝わる感触でもわかりますが、フェースを見ると真ん中に打痕がついている。また“ポコッ”というような情けない変な音がした時は、大体フェースの先端寄りでボールを打っています。打音を聞いて、フェースについた打痕を見る。これを繰り返すと大体分かってきます」
「アイアンの場合、そこまで打音と打痕を一致させられないかもしれませんが、まずは芯に当たった時のいい打音をしっかり覚えてから打痕のチェックをしましょう。ただ、アイアンのフェースにはスコアラインと呼ばれる横向きの溝がついていますが、アマチュアの人は下から数えて4、5本目のスコアライン周辺に芯があると勘違いしていることが多いので注意してください。正しくはフェースの中央より下側です。芯に当たった打音は、下から2、3本目のスコアラインでボールの赤道よりやや下を打つことができた時に聞こえるのです。このイメージを持って練習をすると、打音と打痕がだんだん一致してきますよ」
2人のプロは、ゴルフの上達には打音を参考にしたり分析したりすることが欠かせないと言います。ショット練習をする時はイヤホンを外し、いろいろな打音を聞き分けてみてはいかがでしょうか。
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