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- 「ティーアップして待つのはイライラの元」って本当? 「それより問題は…」とプロが指摘するのは?
ティーイングエリアに差し掛かったとき、まだ前の組がいてしばらく打てそうもない。そんなとき、あなたはどうしますか? プレーファストのためにティーアップして待つ? ティーアップするところからがルーティンだからボールを手に持って待つ? どちらがいいのでしょうか。
実はティーアップして待つか否かは問題ではない!?
皆同じような距離のパットが残り、自分一人だけそれを入れてパーやバーディーをとったときはうれしいものです。「さあ、飛ばすぞ」と勢いよく次のホールのティーイングエリアへ上がり、ティーアップ。
でも、フェアウェイにいる前の組が全員2打目を打ち終わって移動を始めるまでティーショットを打つことはできません。その場合、最初に打つオナーは待ち時間をどのようにやり過ごしたらよいのでしょうか。よく耳にする「ティーアップして待つのはNG」というアドバイスは正しいのでしょうか?
「アマチュアの方からよく『ティーアップして待つのはよくないですよね?』とか、反対に『いや、ティーアップして待つべきですよね?』などと聞かれます。そんなとき、私は『どちらでもいいですよ』と答えます。オナーなら本来ティーアップをして待つとは思いますが、敢えてティーアップしないことでリズムを保てるならそうすればいい。大事なのは“そこ”ではないからです」
こう言うのはプロゴルファーの松澤淳二さんです。松澤さんは専修大学卒業後にプロ入りしたのちトーナメント出場を中心に活動。現在は赤羽ゴルフ倶楽部(東京都)の支配人を務めています。
「待ち時間からのショットでミスをするのはストレス、特に“イライラ”が最も大きな原因です。ゴルフ場の通常プレーでは混んでいたり前の組が遅かったりして待ち時間が生じることはよくあります。前の組がフェアウェイをウロチョロするばかりで進まない。OBを連発して何球も打つ。『遅いなあ』『下手だなあ』『なんでこんなに進まないんだ』などとイライラすることによって心身にストレスがかかり、スイングの力加減や速さや軌道などあらゆるものが微妙にズレてしまうのです」
「こういう時はティーアップをしていようといまいと、ミスをする確率がかなり高い。ティーアップしていたからミスをしたわけではありませんし、ティーアップをしていなかったとしても同じ結果になるでしょう」
ティーアップをする、しないは、ミスショットに直接つながることではないため、さほど重要ではない。それよりショットを乱さない自分なりの過ごし方を用意しておくことが大切だというのです。
「ティーアップして待つのはNG」という考え方は、ルーティンの重要性と深い関わりがあります。ショットのルーティンは、足場を確認してティーアップをし、ボール後方に下がってターゲット方向とスパット(目印)を決め……というところから始まるのが一般的です。まだ前の組がいて打てないからと一連の動作をそこで中断したら、実際打つ時はルーティンを途中から分けて行うことになるのでスイングリズムが変わってしまうといわれます。
しかし松澤さんは、ティーアップをして待っていたとしても、さあ打ちましょうというときに行動をリセットし、ボールの後方に立ってターゲット方向を確認するところからルーティンを始めれば問題はないと言います。また、先ほども触れたように、ティーアップをしないほうがリズムを保てる人は前の組が移動を始め危険がなくなったらティーアップをするところからのルーティンでリズムをつくるといいでしょう、とも。
ティーイングエリアの四角形から一旦離れる
それよりも、待ち時間のせいでミスショットをしないために大事なのは、イライラしないことです。でも、一体どのように過ごしたらイライラせず、落ち着いていられるのでしょうか。
「フェアウェイやターゲット方向を見ないことです。『左にあるバンカーの右縁を狙ってフェードボールを打ち、フェアウェイの真ん中か少し右に行くようにしよう』などと考えるものダメ。どうしても前の組が視界に入ってしまうからです。トーナメントではそのような状況は滅多にありませんが、難易度の高いショートホールなど前の組が詰まって打てないときはグリーンを見ないようにします」
「そのために、一度ティーイングエリアから離れることをオススメします。ティーイングエリアとは、2つのティーマーカーを結んだ前方の線と、それぞれのティーマーカーの外側から2クラブレングス後方へ延ばした線とを結んだ四角形を指します。その区域に足を踏み入れない。四角形から離れて過ごすことによって気持ちもショットから離れ、自然と前の組を見なくなりますよ」
「はじめは意識して空、木々、周りの景色を楽しむといいでしょう。フェアウェイに背を向け、仲間同士でスイングやクラブの話をしたり、あれこれ会話をするのもいい過ごし方です。ちなみに待ち時間は、2番目以降に打つ人にとっては平らな場所を探す時間でもあります。自分の順番が来てからティーアップする場所に迷わないよう四角の中を歩いておき、『ティーマーカーの1メートルくらい右』くらいの感じで平らな場所を見つけておきましょう」
待ち時間からのショットでオナーが出しやすいミスは、いわゆる“待ちチョロ”です。皆さんミスしたときを振り返ると、前の組の動向を確認しながら待つ間にターゲット方向や風向きのチェック、素振りやスイングのチェック、手持ちぶさたからボール周辺の芝生をドライバーのソールでトントンとならすなどの行動をしてはいないでしょうか。いずれもティーイングエリアにいるからこその動作です。四角形から離れた場所にいれば「今から打つぞ!」という勢いが抑えられますし、前の組への意識も向かいにくくなります。
最後に、松澤さんが冒頭で「オナーなら本来ティーアップをして待つとは思いますが」と言った意味に思いをめぐらせました。
【ゴルフ規則5.6b速やかなプレーのペース】(1)、ホールを終了した後、次のティーイングエリアへの移動の項目には、『プレーヤーは前もって次のストロークの準備をして、自分の順番になればすぐにプレーできるようにしておくべきである。』とあります。1打の持ち時間は40秒。それを超えなければいいとはいえ、ティーアップして待つかしないで待つかによってショットが左右される心配がないのなら、ティーアップして待つのはむしろ自然なペースといえるのではないでしょうか。
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