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- 過去には“窃盗団”も! 貴重品ロッカー破りの手口とは? ゴルフ場側の対策とゴルファーの自衛手段
さまざまな人が出入りするゴルフ場、まして今のように不景気な時代では、許されることではありませんが、貴重品等の盗難事件が発生しています。一般ゴルファーは自衛の意識を持つことも重要です。盗難の被害に遭わないための対策はないものか考えてみました。
ロッカー番号と暗証番号を不正に読み取って扉を開ける
ゴルフが大衆化して多くの人がプレーを楽しめるようになったのは喜ばしいことです。しかし他方で、ゴルフ場が「紳士淑女の社交場」といわれた頃にはほとんどなかったであろうトラブルが生じることもあり、関係者は頭を悩ませています。
その筆頭にゴルフ場での盗難事件が挙げられます。
さまざまな人が出入りするゴルフ場、まして今のように不景気な時代では、許されることではありませんが、貴重品等の盗難事件が発生しています。一般ゴルファーは自衛の意識を持つことも重要です。盗難の被害に遭わないための対策はないものか考えてみました。
ゴルフ場の盗難事件で、ゴルフ界のみならず社会的にもっとも大きな衝撃を与えたのは、約20年前に起きたスキミング事件でしょう。当時の報道によれば、ゴルフ場の支配人が貴重品ロッカーのマスターキーを窃盗団に渡したのが原因で、ゴルフ場利用者のキャッシュカードがスキミングされ、被害者は2カ月後に多額の預金を引き出されたとされます。
貴重品ロッカーの暗証番号は、キャッシュカードの暗証番号と同一にしないことが推奨されています。しかしマスターキーが使われてしまえば、貴重品ロッカーの暗証番号だけ変えてもどうしようもありません。
ともあれ支配人が犯行に加わったこの事件は、当該ゴルフ場はもちろん業界全体の信用を失墜させる汚点である一方、多くのゴルフ場がコンプライアンスの徹底や利用者に対する注意喚起の重要性を深く考えるきっかけになりました。
関東のあるゴルフ場関係者が重い口を開いてくれました。
「ロッカー番号と暗証番号を不正に読み取って扉を開ける手口の盗難が、近隣のゴルフ場で起きているという話がときどき耳に入ります。ロッカー番号と暗証番号の入力にはテンキーを用います。その部分が手を入れて操作できるようへこんでいるのを悪用し、へこみの天井にあたる部分に小型カメラを設置して番号を読み取ると聞きます。窃盗団は、ゴルファーを装ってゴルフ場に入り込んだ者が小型カメラを設置し、ゴルフ場の外にいる者がカメラの映像をキャッチしてロッカー番号と暗証番号を読み取る。ゴルフ場に入り込んだ者はその情報を受けてロッカーの扉を開けるのです」
盗難や紛失を防止するための貴重品ロッカーに小型カメラが不正に設置されているとは思いもよりません。鍵式からデジタル式のロッカーが主流になり、本来セキュリティー機能は高まったはずですが、あの手この手でそれを不正に破ろうとする不届き者がいるかぎりイタチごっこは続きます。
このような場合に備えて、ロッカーの暗証番号とキャッシュカードやクレジットカードの暗証番号は同一にしないことが推奨されます。それ以前に、カードの暗証番号を、第三者から推測されやすい生年月日などではない他の番号にしておく必要もあるでしょう。
テンキーのへこみの天井部分を手でさすってチェック
こうした状況に、ゴルフ場側も手をこまねいているわけではありません。
「私が勤務しているゴルフ場では、貴重品ロッカーでの盗難防止のため、数年前から2つの対策を行なっています」
「1つは、新しい貴重品ロッカーの導入に伴う移動です。以前の貴重品ロッカーは、クラブハウスの構造上、第三者から見えにくい位置にありました。それを新しい貴重品ロッカーを入れるタイミングで、フロントからよく見えて多くの人が通る場所に設置し直したのです。ゴルフ場スタッフが見張るようなことはしていませんが、開けた場所にあることが盗難の抑止効果にもなると思います」
「もう1つは、盗撮カメラが設置されていないかのチェックです。テンキーを操作するため手を入れるへこみの天井部分を、複数のスタッフが手でさすり、目で見てチェックしています。もし小型カメラが設置されていれば異物の感触が手に伝わるので、すぐに分かるはずです。異物感がなくても覗き込んで目視します。朝夕の掃除の他にも複数のスタッフがこまめに確認しています」
先の関係者は、2つの対策を取り入れるようになってからの数年間、貴重品ロッカーでの盗難事件は1件も起きていないと言います。
テンキーのへこみの天井部分を手でさすって、チェックする。覗いて確認する。ちょっとした心がけですが、一般ゴルファーも貴重品ロッカーを使うときの習慣にすると盗難予防になります。番号を入力する際は、後方から手元の操作を見られないよう体を貴重品ロッカーに近づけて操作するのもいいでしょう。
近年スマホ決済ができるゴルフ場も増えてはきましたが、精算は現金もしくはクレジットカードによる支払いが主流です。どうしてもゴルフ場へ行くとき現金とカードを入れた財布を携行せざるを得ないのが現状です。
そこで思い出してほしいのは、貴重品ロッカーがなかった時代のこと。若いゴルファーのみなさんはご存じないかもしれませんが、昔は財布や車のキーなどの貴重品をフロントに預け、金庫等で保管してもらうのが一般的だったのです。
預け方は、まずフロントで「貴重品袋をお願いします」と申し出て、専用の封筒をもらいます。だいたいはB5かA4サイズくらいの茶封筒です。所定の欄にロッカー番号や名前を書き入れましょう。
次に、封筒の中に財布や車のキーといった貴重品を入れて封をします。引換券になる蓋の部分をフロントの人に切り取ってもらうか、点線があれば自分で切り取って封筒を預けたら金庫等で保管してくれます。
プレー後精算をする際は、自分で保管していた引換券をフロントに出します。その場でロッカー番号と名前を書き入れてスタッフに渡すと、引換券と照合し、封をして預けた貴重品袋を戻してくれるのです。
今でも多くのゴルフ場のフロントには貴重品袋の用意があるようです。
貴重品を茶封筒に入れて預けるのは実に古風なスタイルですが、「あなたにこれを預けます」「心して預かります」――人と人が直接やりとりすることこそ、安心安全の原点かもしれません。
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