ゴルフ発祥の地スコットランドはジャケット不要が当たり前! なぜ撤廃された? 日本人も解放される?

日本のゴルフ場では入退場時にジャケットの着用を求められるゴルフ場が多いですが、ゴルファーの中には、なぜジャケットが必要なのか疑問に思っている人も少なくないようです。では、ゴルフ発祥の地とされるスコットランドではどうなのでしょうか?

セントアンドリュースでプレーする時もジャケットは不要

 長年にわたり多くの議論を呼んできたゴルフ場でのドレスコード。日本ではいまだに多くのゴルフ場で入退場時のジャケット着用を求められます。この習慣はゴルフ発祥の地であるスコットランドではどうなのでしょうか?

運動しに行くのにテーラードのジャケットが必要な理由が分からないという人は少なくない 写真:AC
運動しに行くのにテーラードのジャケットが必要な理由が分からないという人は少なくない 写真:AC

 長年、欧州ツアーの運営に携わってきたスコットランド在住のスコット・ケリー氏に質問してみました。

「現在は、ミュアフィールドGCなど一部の古い名門クラブを除き、クラブハウス内でのジャケット着用は義務付けられていません。ゴルフの聖地、セントアンドリュース・オールドコースでラウンドする時もジャケットは必要ありません。しかし、セントアンドリュースのロイヤル&エンシェントゴルフクラブの会員は、クラブハウス内の会員専用施設に入る際、ジャケットとネクタイの着用が義務付けられています」

 ここで一つ疑問が浮かびます。昔のスコットランドのゴルフ場でプレーをする人々の写真や絵を見たことがある人は少なくないと思いますが、プレーヤーはジャケットやネクタイをつけています。そのような習慣はいつから変わったのでしょうか。

「以前はスコットランドのゴルフ場でもクラブハウスでのジャケット着用が一般的でした。年配のゴルファーには受け入れられていましたが、若いゴルファーや女性ゴルファーには不評で、変化の声が高まっていました。その後、ジャケット着用を義務付けないゴルフ場が多いアメリカの影響もあり、徐々にジャケット着用を義務付けるゴルフ場は減っていきました」

 そうスコット氏は解説してくれました。

ゴルフがより広い層に受け入れられるスポーツへと進化

 このスコットランドのドレスコードの変化は、ゴルフがより多様な層に受け入れられるスポーツへと進化していることを象徴しています。スコットランドでは家族でゴルフを楽しむ光景は当たり前。子供だけでプレーしていることも珍しくありません。服装規定の緩和も、ゴルフをより身近に楽しめる環境をつくる一助になっているのかもしれません。

セントアンドリュースのゴルフ場での光景。オールドコース以外にもたくさんのコースがあり、老若男女が自由にゴルフを楽しんでいる
セントアンドリュースのゴルフ場での光景。オールドコース以外にもたくさんのコースがあり、老若男女が自由にゴルフを楽しんでいる

 スコット氏は「昔は多くのゴルフクラブが伝統を継承し、会員の行動を管理するために規則や規定を用いていました。そのため、若者や女性、新しいゴルファーは歓迎されないことが多かった」と振り返り、現状を「より多くの若者や初心者、そして家族でゴルフを楽しむための条件が整ってきました」と評価します。

 現在でもジャケット着用を求めるゴルフ場が多い日本は、今後どのようになっていくのでしょうか。スコットランドのように、一部のゴルフ場を除いて服装規定が緩和されていくのでしょうか。子どもから大人までもっと気軽に楽しめるゴルフ環境の実現は、ゴルフの普及と発展に不可欠です。スコットランドの事例は、日本のゴルフ場が今後どのように進化していくべきか、貴重な示唆を与えてくれています。

【スコットランドゴルフ案内人】スコット・ケリー氏

スコット・ケリー氏
スコット・ケリー氏

英国スコットランドのインバネス出身。欧州ツアーに経営幹部としておよそ26年間携わり、欧州ツアーはもちろん、メジャー大会、ライダーカップなど、世界の主要ゴルフイベントにも常に足を運んでいた。2020年に故郷インバネス近郊に居を移す。ロイヤルドーノックGCやバークシャーGCなど名門クラブのメンバーだった経験を持ち、現在は世界で15番目に古い1793年設立のフォートローズ&ローズマーキーGCをホームコースとしてプレーを楽しんでいる。

【写真14枚】意外と分かってない! 同伴者が打つとき立っていい場所・ダメな場所/バンカーのならし方、レーキを置く場所/ロストボールを防ぐ心掛け

画像ギャラリー

怒られてしまう可能性がある立ち位置はココ!飛球線後方に立つのはマナー違反です
ショットをしようとしているゴルファーの邪魔にならない理想的な立ち位置はここ
ラインを踏む可能性があると思う時は「ここを踏んでも大丈夫ですか?」と同伴競技者に確認しよう
最初はレーキの刃のあるほうで砂を押すようにして
引き戻す
裏返して滑らかにならす
裏で滑らかにならしながら入った位置まで戻る
裏で滑らかにならしながら入った位置まで戻る
砂に残るレーキの線や跡がピンに向かって真っすぐになるよう、ピンの方向を意識しながらならす
アゴに近い傾斜の部分は押す力を強くして砂を戻してあげるように
もしアゴのそばにボールがあっても、アゴの側からバンカーに入ってはいけません
レーキを使い終わったらバンカーの手前の低いところに置く
同伴競技者の方もしっかりとボールを行方を見てあげるようにしよう
ボールが飛んでいった場所をしっかりと覚えておこう
スコットランドでは親子でラウンドしている光景をよく見かける
セントアンドリュースのゴルフ場での光景。オールドコース以外にもたくさんのコースがあり、老若男女が自由にゴルフを楽しんでいる
セントアンドリュースのゴルフ場での光景。オールドコース以外にもたくさんのコースがあり、老若男女が自由にゴルフを楽しんでいる
セントアンドリュースのゴルフ場での光景。オールドコース以外にもたくさんのコースがあり、老若男女が自由にゴルフを楽しんでいる
運動しに行くのにテーラードのジャケットが必要な理由が分からないという人は少なくない 写真:AC
セントアンドリュースのゴルフ場での光景。オールドコース以外にもたくさんのコースがあり、老若男女が自由にゴルフを楽しんでいる
スコット・ケリー氏

最新記事