- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- ゴルフ前夜ほど寝つきが悪い…眠りの専門医に聞いた健やかな入眠に誘う「食事」「入浴」「スマホ」の心得
ふだんはベッドに入るとすぐ寝てしまうのに、早く寝たいときは一向に眠くならない。明日のスケジュールやゴルフ場に着いてからの行動をイメージしているうち完全に目が冴えてしまう……。ゴルフ前夜に限って眠れなくなってしまう理由と、どうしたらスムーズに入眠できるのかを眠りの専門医に聞きました。
体内時計は遅らせることはできても早めるのは難しい
「明日は5時起きでゴルフなのに、なかなか眠れない……」。多くのゴルファーが共感する“あるある”体験のひとつです。
![いい睡眠をしてラウンドに臨みたい 写真:PIXTA](/wp-content/uploads/2024/05/pixta_53734210_M-2.jpg)
ふだんはベッドに入るとすぐ寝てしまうのに、早く寝たいときは一向に眠くならない。明日のスケジュールやゴルフ場に着いてからの行動をイメージしているうち完全に目が冴えて、「早く寝なきゃ」と焦ることもあるでしょう。
ゴルフ前夜に限って眠れなくなってしまう理由と、どうしたらスムーズに入眠できるのかを医学博士の梶本修身先生(東京疲労・睡眠クリニック院長)にアドバイスしていただきました。
最初にお聞きしたのは、ゴルフの前夜なかなか寝つけない原因についてです。
「アマチュアゴルファーにとって、ラウンドは一つのイベントだと思います。練習をして、準備をして、お金をかけて月1回の腕試しに行くようなところがありますから、みなさん緊張します。前の日にいろいろ考えて眠れなくなるのは仕方がない。むしろ自然なことなのです」
そう前置きしたうえで、梶本先生は入眠の難しさを次のように説明します。
「“体内時計”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。人の体に備わっていて、眠ったり起きたりするのをスムーズに行うしくみを指します。この体内時計は、遅らせることはできても早めるのは難しいものなのです」
「例えば、ふだん夜11時に寝て朝6時に起きる人が、明日は5時起きでゴルフに行くから10時に寝るとします。その場合、“睡眠負債”といって日頃から睡眠をしっかりとれていない人はすぐに寝落ちするかもしれません。しかし、それ以外の人は寝られません。10時半に寝ようとしても眠れないでしょう。夜遅くまで起きていることはある程度できますが、いくら早く寝ようとしも眠気がこなければ決して寝られないのです」
タイムスケジュールを早めるのはゴルフ前夜だけでOK
では、ゴルフの前夜早めに寝たいとき、どうしたら眠気が訪れて、スムーズに眠ることができるのでしょうか。
「良い眠りを得るために心がけていただきたいポイントは、2つあります。1つはアルコールを控えることです。お酒を飲むと一時的に眠気を催しますが、それは体内時計が働いて眠くなるのとは違ってアルコールに誘引された眠気であり、睡眠の質を落とすからです」
「もう1つは、寝る前のルーティンを1時間前倒しすることです。帰宅後いつもと同じように過ごせばいつもと同じ時間にしか眠気はやってきませんが、タイムスケジュールを早めることによって、いつもより早い時間に眠気を催しやすくなり、早めに寝つくことができます」
特に、寝る前のルーティンでは夕食と入浴の時間がポイントになります。
「ふだん夕飯を8時ごろ食べる人は夕飯を7時に、10時ごろ入浴する人は入浴を9時に、と時間を早めるといいでしょう。タイムスケジュールを早めることによって体の中で寝る準備が早めに始まり、眠気も早くきます」
「ただし入浴で注意すべきなのは、湯船にゆっくり浸かりすぎないようにすることです。湯船に長時間浸かってのぼせてしまうと、自律神経がオーバーヒートのような状態に陥り、交感神経も副交感神経も機能しにくくなってしまうからです。そうなるくらいなら湯船に入らないほうがいいですし、そもそも真冬以外はシャワーだけでも問題ありません」
また、スマホを置く時間を早めることも重要だと梶本先生は言います。
「眠気は体の中でメラトニンというホルモンが出ることによって催します。ところが、メラトニンの分泌は光によって抑えられるため、明るいと出にくくなってしまうのです。スマホのブルーライトの明るさにも反応しますので、スマホはいつもより早く、離れたところに置いてください。一方、メラトニンは暗いと出やすくなります。入眠の1時間くらい前から明かりをオレンジ系の間接照明に切り替えるなどし、部屋を暗くして過ごしましょう」
大事なのは、食事、入浴、スマホを置く時間を前倒しにして早く終えること。いつもしている行動を早めに行うだけですから、そう難しく考えなくても誰にでもできそうです。
ちなみに、タイムスケジュールを早めるのは、ゴルフ前夜だけでOK。ゴルフ当日に備えて前々日から早く寝たり起きたりしようとすると、かえって睡眠不足を悪化させることがあるので注意しましょう。
【解説】梶本修身(医師・医学博士/東京疲労・睡眠クリニック院長)
大阪大学大学院医学研究科修了。2003年から産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして脳年齢ブームを起こす。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking