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- 骨折・捻挫は日常茶飯事!? ゴルフ場でケガが発生しやすい場所とは? 平坦なのに危険度が高いのは?
ゴルフは自然を相手にするスポーツだからこそ、時として思わぬケガを負ってしまう場合もあります。ゴルフ場の中でケガが発生しやすいのは、どのような場所なのでしょうか。
転倒しやすいのは「傾斜地」だけではない?
河川敷など一部のゴルフ場には全体がほぼ平坦なコースも存在しますが、大抵のコースには大なり小なり起伏があります。それを攻略するのがゴルフの醍醐味ともいえるでしょう。
しかし、自然を相手に戦うスポーツであるからこそ、時には思わぬケガをしてしまうこともあります。ビギナーの中にも「コースデビューする際に気を付けるべき点の1つ」として、注意喚起された経験がある人もいるでしょう。
ゴルフ場の中では、どのような場所でケガが発生しやすいのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「ラウンドする際は、転倒防止の観点からソフトスパイクやスパイクレスを履くのが大前提とされているものの、油断することはできません。万が一滑った際に手のつき方が悪かったり、ゴムスパイクがかろうじて引っかかってくれたのが仇となり、体の1カ所が固定された状態で転んでしまうと危険です。関節などをひねって傷めてしまい、ケガにつながります」
「コース内で、特にケガが発生する可能性が高いとされる場所には、ティーイングエリアや傾斜のきついラフ、バンカーのふちなどが代表例として挙げられます。まず、ティーイングエリアは盛土によって周りが切り立っているため、なかには階段を設けて配慮してくれているところもありますが、階段があるにもかかわらず、無理して芝地から駆け上がろうとすると危険です」
「また、丘陵コースや山岳コースを中心に、ラフが急な傾斜になっている場合もあります。本来は傾斜地に止まったボールを打つ時は、安全を最優先にしてコンパクトなスイングを心がけるべきです。ところが欲を出してフルスイングすると、バランスを崩して転倒しやすくなります」
「バンカーも、周りから1段低くなっているうえ、砂そのものが滑りやすいので注意が必要です。『低い場所から入って低い場所から出る』のがゴルファーの鉄則とされていますが、最短距離でボールの元に行こうとすると、ケガの元凶になります」
「カートで移動する際も、『降りたらいきなり急な下り傾斜があって、思わず滑って転んでしまった』といった事故が起こらないよう、できるだけ平坦な位置に停車しましょう」
平地でも油断はできない
さらに、飯島氏は「高低差が激しい場所以外でも、転倒してケガが発生しやすいところがコース内にある」と話します。
「フェアウェイなどの芝地に水を散布するため、スプリンクラーを設置しているところがあります。装置は地面から少し低い位置に付けられていますが、長い期間目土が盛られ続けると、周辺の地面全体の高さが少しずつ上昇していきます。いずれはスプリンクラーがある場所だけが大きくくぼんでしまう場合があるのです」
「足元への注意が散漫になっていて前方しか見ていないと、そのくぼみに足をとられてつまずいてしまう危険性があります。コース内に水がたまらないように排水溝が通っている箇所も、1段下がっていることがあります。ゴルフ場には傾斜が急でなくてもケガをしやすい場所が点在していると覚えておきましょう」
「実際に、過去にはOB付近に置かれていた排水用のチューブに足を引っかけた結果、転倒して足を骨折した事例があったそうです。その事案は裁判にも発展し、ケガをしやすい状況を作ってしまったゴルフ場側に過失があったとして、入通院費用や慰謝料、休業手当などを含め、ゴルフ場に対しておよそ500万円の損害賠償が言い渡されました」
また、全国でゴルフ場を運営する株式会社東急リゾーツ&ステイの広報担当者は、ゴルフ場内でのケガの事例について以下のように話します。
「弊社でも、転倒によってケガをしたという報告はいくつか寄せられています。『傾斜の先に落ちていたボールを拾いに行こうとして転び、手首を骨折してしまった』『階段を下りている時に足を踏み外して足首を骨折したり、捻挫をした』などの事例がありました。
「ご高齢のお客様だけでなく、若いお客様でもケガをされてしまうケースはあります。ゴルフ場内では誰しもが負傷する可能性があることを、頭に入れておいてほしいと思います」
たとえば雨が降った後などは芝の表面に水滴が残っているため、自然と足元に注意しようと思うでしょう。ですが、晴れていたとしても転倒事故が発生する恐れはゼロではありません。どんな時でも、ゴルフ場では安全を第一に考えたうえで楽しむようにしましょう。
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