時には大ゲンカに発展することも！ 前組カートに“ベッタリ”付いて待機するのはなぜマナー違反なの？

　ゴルフ場は混み合っていることも多く、特に土日は多くの人でにぎわっています。プレーする組数が多くなると、ホール間でティーショットの順番を待つ時間も必然的に増えます。

　すぐにティーショットを打てるように前のカートのすぐ後ろで待機してしまう人がいるようです。これはマナー違反であり、前組のゴルファーを不快にさせてしまう可能性があります。

　特に、ラウンド経験の浅いビギナーがやってしまいがちですが、なぜマナー違反と言われているのでしょうか。全国でゴルフ場を運営する、株式会社東急リゾーツ＆ステイの広報担当者は以下のように話します。

「カートにベタ付きをされると、視線が気になったり、話し声が聞こえてきたりと気が散る要素が増えてしまいます。そのため、前の組のことを配慮して少し離れた位置に停車して待機するのがマナーとされています」

「特に待機している人は、会話をして時間を潰すことが多いと思いますが、自分が思っている以上に声量が大きくなっていて他の人を不快にしてしまうことはよくあります」

　実際に口論へ発展した事例もいくつかあるそうです。

「ある程度ゴルフの経験がある人であれば『周知のマナー』なので、たとえ知らずにベタ付きをしてしまったとしても、前組からは『マナーを理解したうえで、あおってきている』と誤解されてしまうケースがあります。実際、カートにベタ付きをして大声で話していた人と前組が口論になり仲裁に入ったこともありました」

　プレーが遅いことに腹を立てて前組をあおる目的でベタ付きをする人も少数ながらいるそうなので、このような誤解が生まれてしまうのかもしれません。

　正しい待機場所としては「前組の視界に入りすぎない位置」に停車しておくのが良いでしょう。ゴルフ場によっては、待機すべき場所を白線で示してくれているところもあるようです。

　ただ前組との関係性によってはベタ付きをしても良いケースがあるそうです。

「例えば『同じグループでのコンペ』や『前の組が友人で一緒にゴルフ場にきた』場合は、なにも問題ありません。人によっては離れてほしいと思う人もいるかもしれませんが、基本的には一緒のグループでゴルフをしている仲間になるので、近くでプレーを見て一喜一憂するのもいいでしょう」

「ニアピンやドラコンのホールでは、同じグループの後続組と一緒にティーショットを見て盛り上がるケースもよくあります。ただ、同じグループであってもショットをする前後は静かにするなど、最低限のマナーは守るようにしましょう」

　このように、どのような状況でもマナー違反とされているのではなく、前組が不快に思わない環境であれば近づいても問題ないようです。

　ベタ付きをされても「ビギナーっぽいからマナーをまだ知らないのかもしれない」と察してくれる人もいるかもしれませんが、ほかの人を不快にさせてしまう行為になるので覚えておくようにしましょう。