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- グリーンエッジに信じられないような“深い溝”! メンテナンスで重要な「エッジ切り」作業の目的とは?
ゴルフ場ではよいコンディションを維持するための様々なメンテナンス作業が入ります。稀に見かけることがある「グリーン周りの溝」も、作業プロセスを目撃したことがないと「芝が枯れちゃうのでは」と心配してしまいそうですが、実はキレイなグリーン維持に欠かせないメンテナンス作業です。
異なる芝がお互いに侵食しないために行う「エッジ切り」作業
ゴルフ場ではプレーヤーが気持ちよくプレーするために、様々なメンテナンス作業を大勢のスタッフが毎日行っています。
コース内やグリーンの芝刈り、毎日位置を変えるカップ切りなど、見たことはない人でも知っている作業もあれば、「たまに見かけることもある」ような期間限定の作業もあります。
今回、グリーン周りに突如現れた「溝」を見た人から、「あれは何?」「どんな作業?」など聞かれ、先日たまたま作業をじっくり見学する機械があったので詳細をレポートしたいと思います。
よく考えるとグリーンの「ベント芝」とカラー周り「コーライ芝」がキレイに分かれていることを不思議に思うかも知れません。これはゴルフ場スタッフによる「エッジ切り」と呼ばれるメンテンナンス作業によって維持されています。
2種類の芝は、ただ育てるだけではお互いを侵食して「グリーン」と「エッジ」や「カラー」の境目がどんどんなくなってしまいます。
そこで専用の機械を使って「根切り」を行うことで、地中でお互いの根が侵食しないようにしているのです。
ベントとコーライの「境界」をくっきりと分ける
「エッジ切り」メンテナンス作業で行う専用機械による根切りは、一見簡単そうですが実際に行うのは非常に難しい作業です。
僕もゴルフ場でグリーンの芝刈りをさせてもらった経験がありますが、多少失敗してもまた伸びる芝刈りよりも、失敗が許されない根切りの方がはるかに経験やセンスが必要です。作業センスのない僕は、「エッジ切り」はやらせてもらえませんでした。
今回見ていた時も、まるで初めから線が引いてあったかの様にスイスイと曲線を描きながらスタッフの方が作業されていました。
「根切り」した後は、それぞれのエリアに残っている「異なる芝」を根から取り除き、混ざらずに成長できるように整えます。
限られたゴルフ場の「ベストシーズン」に感謝する
四季のある日本のゴルフ場は、多くの地域で「ベストシーズン」が限られています。たまたま訪れたゴルフ場がメンテナンス中だとガッカリしてしまう気持ちには同情しますが、年間コストを跳ね上げずにコスパよく「営業しながら」メンテナンスを行うのが多くのゴルフ場スタイルです。
トーナメントやクラブ競技など大きなイベントのないタイミングを探りながら、何とかうまく作業してくれているおかげでキレイなゴルフ場で楽しくプレーできているのです。
日本のゴルフ場ほど「キレイで安い」ところは、世界でも希少なんです。ベストシーズンに感謝しながら、仮にグリーンの状態がイマイチだったり、ラフの芝が伸び過ぎてボールが探しづらかったとしても、プライベートラウンドなら「これもゴルフ」と思って楽しむようにしましょう。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
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