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- 「ポーター」は日本のゴルフ場特有の仕事!? セルフ営業が主流の現在でもなぜ必要なの?
ゴルフ場には、支配人を筆頭としてさまざまな役職のスタッフが働いています。たとえばクラブハウスの玄関には“ポーター”と呼ばれるスタッフがいますが、「荷物の積み下ろしを受け持ってくれる人」という漠然としたイメージしかないかもしれません。
ポーターがお出迎えをするのは一種の「風習」
ゴルフ場には、支配人を筆頭としてキャディーやコース管理者、レストランの厨房・ウエイターなど、さまざまな役職のスタッフが働いています。
その中でも、クラブハウスの玄関となる車寄せには“ポーター”と呼ばれるスタッフがいますが、「荷物の積み下ろしを担当する人」という、漠然としたイメージしかないかもしれません。
ゴルフ場のポーターとは、どういった存在なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「ゴルフはキャディーバッグだけでなく、着替えなどを入れるボストンバッグやシューズケースなど、意外と荷物がかさばりがちです。そこでクラブハウスの車寄せにポーターとなるスタッフがいてくれれば、荷物の移動やチェックインがスムーズにできます」
「海外のゴルフ場は完全セルフプレーが主流となっていて、クラブハウスもそれに特化した合理的な構造をしています。クラブハウスの動線も、キャディーバッグをクルマから下ろしてクラブハウスの中を通り抜け、カートに積むまでの一連の流れが一人でも簡単に行えるよう、非常にシンプルなものになっているのです」
「対して、日本のクラブハウスは完全セルフを想定していない造りが一般的で、一人でキャディーバッグの積み下ろしや移動を全てやろうとするとかなり面倒です」
「余暇を過ごす場所としてサービスを重視するニーズが高いこともあり、日本では古くからポーターがお出迎えをするのが一種の風習で、それが海外から見れば独特とされているのです」
通常のゴルフ場では最終組のチェックインが午前中に終了するため、「ポーターは荷物の積み下ろしが終わったらどうするの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
正社員の場合、その後はコース内の見回りをして目土などの整備が行き届いているかどうかチェックしたり、クラブハウス内の清掃作業をしたりと、他の業務をメインとしているスタッフのサポート役に回ります。
ほかにも、練習場で打ち込まれたボールの回収作業やキャディーバッグを宅配便で送りたい人への対応などもあり、業務内容は多岐にわたっています。
ポーターやゴルフ場のサービスはどうあるべきか
一方で、飯島氏は「ポーターをはじめとしたゴルフ場のサービスは完璧ではない」と話します。
「近年のゴルフ場は人手不足といわれており、一定のサービスを提供するためにはポーターが欲しいと思っているゴルフ場も少なくありません」
「しかしポーター希望のスタッフを正社員で雇うにも費用が掛かってしまうので、最近ではシルバー人材を中心としたアルバイトスタッフに仕事を依頼するところが増えています」
「アルバイトは一日の勤務時間が短く、最終組がスタートしたら午前中に解散としているゴルフ場もありますが、個人的には『帰りこそ手厚いサービスを提供するべきだ』と考えます」
「18ホールラウンドした後は疲れており、重たいキャディーバッグを担いでいくのは朝よりも億劫(おっくう)になってしまうので、多くの利用者が引き上げる夕方の時間帯にもポーターを配置するのが理想的だと思います」
「とはいえ、シルバー人材で雇われている年配のスタッフを一日中拘束するのも無理があるでしょうから、たとえば午前のお出迎えと午後のお見送りで交代制にすれば、サービスの品質確保とスタッフの負担軽減の両立ができるでしょう」
かつてはプレー終了後の精算もフロントスタッフと対面で行ったり、キャディーが一列に並んでお見送りをしたりするようなゴルフ場もあったそうです。しかし現在は自動精算機で手短にチェックアウトを済ませるなど、ゴルフ場を出る際の流れはかなりあっさりとしています。
飯島氏も「朝と比べて帰り際のサービスが簡素化してきている」ことを指摘し、「以前ほどとはいかなくとも、ゴルファーが気持ちよく帰路につけるような対応を強化してほしい」と話します。
ポーターはゴルフ場に到着して最初に顔を合わせるスタッフです。ただ単純に「キャディーバッグを運んでくれる人」というだけでなく導入の背景や現状について知っておくと、より感謝の気持ちを持って接することができるでしょう。
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