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- 猛暑で傷んだグリーン修繕に120万円!? 夏を前に頭を悩ます現場のリアル
猛暑がゴルフ場のグリーンに深刻なダメージを与えることが毎年問題になっています。張り替えにかかる費用や時間、そして管理現場の苦労など、ゴルフ場関係者にリアルな話を聞きました。
ダメージを受けたグリーン修繕で約120万円の出費
近年は夏の高温と多湿によって、グリーンの芝が枯れてしまうゴルフ場が目立つようになりました。あるゴルフ場は、昨夏の猛暑で傷んでしまったベントグリーンの張り替えを秋から冬にかけて実施し、今春にようやく元どおりのコンディションに戻ったそうです。
グリーンの張り替えはどのように行なうのでしょうか。そして、どのくらいの費用と時間がかかるのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「うちのゴルフ場は昨年、いくつかのグリーンがダメージを受け、部分的な張り替え作業を行ないました。芝の購入費用は1平米あたり約4000円です。それを300平米分、購入しました」
「芝を購入すると、5センチくらいの厚みで届くんですね。ですから傷んだ箇所を5センチくらいの深さではぎ取って、そこに新しい芝を張ります。その作業に3日間くらいかかりました」
「一般的なグリーンの大きさは、一面でだいだい600平米くらいですから、その半分くらいの面積を何ホールかに分けて張り替えた形になります」

1平米は、1辺の長さが1メートルの正方形の広さです。300平米となると、1辺の長さが約17.3メートルの正方形の面積で、坪数に置き換えると約90坪、バレーボールのコート約2面分の広さになります。かなり大規模な補修作業であることが分かります。
そして1平米あたり約4000円ということは、300平米で約120万円という金額になります。決して安い金額ではありませんが、本当はもっと多くの芝を購入したかったそうです。
「うちは昨年の9月に『グリーンがやばいぞ』ということになり、急いで頼んだのですが、昨年はグリーンがやられているところが多く、その時点で順番待ちでした。届いたのが確か11月くらいでした」
「しかも、300平米以上購入したかったのですが、それ以上売ってくれなかったんですよ。結果的に最後の1ホールは芝が足りなくなってしまい、他のホールと同じように生えそろいませんでした」
「当初の予定では、張り替えたグリーンを今年1月から使う予定でしたが、1ホールは復旧が遅れ、3月中旬からようやく使えるようになりました」
このゴルフ場は、1ホールにつきグリーンが2面ある、いわゆる2グリーンのコースです。1面がベントグリーンで、もう1面がコウライグリーンです。猛暑の影響でベントグリーンが傷んでしまったので、張り替えた芝が根づくまではコウライグリーンで営業を行ないました。これがベント1グリーンのゴルフ場だったら、事態はさらに深刻だったでしょう。
今夏の猛暑を見越して散水設備を改良
こうした現象の背景にあるのが、日本の気候と芝の相性です。多くのゴルフ場で採用されているベント芝は、もともと冷涼な地域に適した寒地型の芝です。日本の高温多湿の夏は得意ではありません。それでも長年にわたり、管理技術の向上によって維持されてきました。
しかし近年は、その前提が揺らぎ始めています。いわゆる「異常気象」と呼ばれていた暑さが、毎年のように続くようになりました。日中の高温だけでなく、夜間も気温が下がらず、地温も高いままです。芝に水を与えても、それが冷却ではなく、むしろぬるい水をかけているような状態になります。
人間であれば、冷房の効いた場所で体を休めることができますが、芝はそうはいきません。昼も夜も高温にさらされ続けることで、ダメージが蓄積していきます。その結果として、夏の終わりにグリーンが自力で回復できなくなってしまいます。
そして、さらに大きな問題はここから先にあります。「このままだと、また今年の夏に同じことが起きる」という見方です。気温が下がる保証はどこにもなく、むしろ今後も上昇していく可能性が高い。そうした前提のもとで、散水設備の改良など新たな対策を検討しています。
芝種そのものを見直す動きも出てきました。ベント芝ではなく、暑さに強い暖地型のバミューダ芝へと切り替えるゴルフ場も増えつつあります。
「グリーンはゴルフ場の顔」と言われます。その“顔”を維持するために、現場では多くの時間とコストが費やされています。しかし夏が近づくたびに、その“顔”が再びダメージを受ける可能性と向き合わなければならない現実があります。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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