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- これも時代の流れ? 「ハンディキャップボード」を設置するゴルフ場が減少傾向… 寂しさを感じるゴルファーも
ゴルフ場のクラブハウスの一角に名簿のようなボードが設置され、名前の横に数字が刻まれているのを見たことがある人もいるかもしれません。これは「ハンディキャップボード」と呼ばれているのですが、何のためにあるのでしょうか。
ハンディキャップはゴルフ場のメンバーになった人への特典の一つ
ゴルフ場のクラブハウスの一角には「ハンディキャップボード」と呼ばれる名簿のようなボードが設置されており、名前の横に数字が刻まれているのを見たことがある人もいるでしょう。
![最近は目にする機会も減ってきた?](/wp-content/uploads/2024/12/handi.jpg)
ハンディキャップボードとは、一体どのようなものなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「ハンディキャップボードは、メンバー各々が取得しているハンディキャップが、現在どのくらいなのかを示したボードのことです。各ゴルフ場では、メンバーになった人への特典の一つとしてハンディキャップを付与しています。ゴルファーはハンディキャップを取得することで『月例会』や『理事長杯』などの競技会に参加したり、ほかのゴルフ場へ行った際には自分のスキルに合った公平なプレーができるようになります」
「仕組みをよく分かっているゴルファーのなかには、ハンディキャップボードを眺めて誰がどれくらいの数字を持っているかや、メンバー全体のレベルがどれほどかが気になる人もいると思いますが、各々が持っている数字や順番は定期的に変えられています」
「というのも、各コースで行われる競技会で毎回同じ人ばかりが優勝していると、ほかのプレーヤーにとっては面白みがなくなり、いずれは『どうせ私たちは優勝できないから、もう参加するのはやめよう』と思いかねません」
「そうなると、競技会だけでなくクラブそのものの形骸化につながる可能性が出てきます。そのため『優勝したらハンディキャップを減らす』というように、メンバー内で選抜された『ハンディキャップ委員会』によって調整が行われ、それがハンディキャップボードに反映されるのです」
最近は撤去しているゴルフ場も出始めている
なかには「ハンディキャップボードで上位にランクインするのが長年の夢」と考えている人もいるかもしれません。しかし、時代の流れに合わせてハンディキャップボードを撤去したり、そもそも設置していないゴルフ場もあるそうですが、どうしてなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「まず、パブリックのゴルフ場はもともとメンバーを募集していないところが多いので、必然的にハンディキャップボードを設けていない傾向が強いです」
「ほかにも、メンバーシップ制のコースであってもメンバーの人数が極端に少なくて競技会が開催されない、もしくは開催しても人が集まらない場合も設置する必要はなくなります」
「さらに、最近では全世界共通のハンディキャップシステムを導入しようという動きが広まっていることも、大きな要因の一つとして挙げられます」
「JGA(日本ゴルフ協会)は、2014年よりアメリカのUSGAが開発したハンディキャップを本格導入。2020年には、それぞれ別々に設定していたUSGAを含む6つの世界的ゴルフ団体でも『ワールドハンディキャップシステム(WHS)』が用いられるようになりました」
「それに伴い、日本でも各ゴルフ場独自のものから世界共通のものへと切り替えるところが増えたため、今までの制度でのハンディキャップを廃止したゴルフ場では、ハンディキャップボードの撤去が行われています」
世界で統一されたハンディキャップを取得すると、年齢や性別、スキルの差だけでなく国籍までも分け隔てなく、より多くのゴルファーが対等にプレーを楽しめるようになるというメリットがあります。
そして、JGAが国際基準に基づいて取り入れている「JGA公式ハンディキャップ」は、最少で3枚のスコアカードを提出すれば、ゴルフ場の会員でなくても、JGAの個人会員をはじめ、予約サイトなどさまざまな加盟団体から取得することができます。
JGA公式ハンディキャップへと切り替えたコースには、メンバーズボードから従来のハンディキャップを外して名前も50音順に変更したところもあるそうです。
ハンディキャップボードが減少傾向にあり、寂しさを感じる人もいるかもしれません。とはいえ、ハンディキャップの制度自体は残るため、ハンディキャップを一つでも減らすことは多くのゴルファーにとって共通の目標であり続けるでしょう。
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