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- アマチュアの「シニア」ってあいまいだけど… 「シニアティー」は何歳から使っていいの? 年齢で区切るのは時代遅れ!?
ティーイングエリアには、レギュラーティーを基準にレディースティーやバックティーなど複数のエリアが設けられ、その中で最も前方のレディースティーよりも少し後ろに設置されていることが多いのがシニアティーです。では、シニアティーは何歳から使えるようになるのでしょうか。
シニアティー=お年寄り用という常識は通用しなくなってきている
各ホールの1打目を打つ場所であるティーイングエリアには、レギュラーティーを基準にレディースティーやバックティーなど、ヤーデージの異なる複数のエリアが設けられています。

その中で最も前方のレディースティーよりも少し後ろに設置されていることが多いのがシニアティーと呼ばれるものですが、「シニア」と付いている以上、年配のゴルファーしか使ってはいけないイメージを持つ人もいるかもしれません。
では、シニアティーは何歳から使えるようになるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「競技として行われるゴルフでは、男子のプロツアーなら『50歳以上』、女子のプロツアーなら『45歳以上』、そしてアマチュアなら『55歳以上』と定義されています」
「一方で、ゴルフ場のシニアティーに関しては明確な基準があまりなく、対象年齢を60歳以上としているところもあれば、65歳以上としているところもあります。要するに、ゴルフ場によってシニアティーを使ってもよい年齢はまちまちな訳ですが、近年では『シニアティー=お年寄りのためのもの』というイメージをなくす取り組みがなされつつあります」
「まず、第一段階では『シニア』という名称を廃止して、ゴールドやシルバーといった色の名前で呼ぶ方針が取られ始めました。しかし、シニアティーに該当するティーの色も『シルバー人材』のように高齢者を連想させるものを使っているコースが多く、なかには『イメージが払拭しきれていない』という意見もあります」
「年齢制限を完全に撤廃し、シニアからアベレージ、さらに女性まで全てのゴルファーが複数のティーから自由に選べるようにしているところもあります。60歳以上や65歳以上のなかにも『後ろのティーから打ちたい』と考える人は大勢いるはずですから、そういったゴルファーが気兼ねなくプレーできる体制を整えていくべきでしょう」
同様に、女性向けのティーは長年「レディースティー」と呼ばれていましたが、やがて「ピンクティー」や「レッドティー」と色で区別されるようになりました。ただ、それでも「女性しか使えないイメージ」や「女性=ピンクやレッドと決めつけるのはよくない」などの観点から、性別による区分けもなくして全ゴルファーを対象にし始めています。これによって、飛距離に自信がない男性でも周りの目を気にせずにティーショットを打つことができるのです。
USGAとPGA・オブ・アメリカでは2011年より「ティー・イット・フォワード」を提唱し、ドライバーの飛距離を基準に自分に最適なティーを自由に選べるようにすれば、無理なくスコアメイクを目指せるとしています。
ゴルファーの高齢化のためにもティー・イット・フォワードは必要
さらに飯島氏は、「日本のゴルファー事情の今後を考えると、ティー・イット・フォワードをもっと広めていかなければならないだろう」と話します。
「最近になって若い世代でもゴルフを始めた人が増えたとはいえ、依然としてゴルファー全体で見れば年齢層は高く、高齢化も常に進行しています。そうなると、ドライバーの平均飛距離も少しずつ短くなっていくので、ティー・イット・フォワードをもっと広めないとパー3なら1オン、パー4なら2オン、そしてパー5なら3オンや、人によってはイーグルチャンスを狙いにくくなってしまいます。年齢を重ねてもチャレンジングにコースを攻略できるようにするためには、さらにティーボックスを前方に造設するなどのコース改良が求められてくるでしょう」
「また、クラブ競技を開催する際は、一般的にバックティーやフルバックティーのみ使用が認められます。シニア選手権のような一定の年齢より上を対象とした競技では、例外的に前方のティーが使われることもあります」
「しかし、私が過去にゴルフ場の社長を務めていた頃に行っていた運営方法では、『クラチャン(クラブチャンピオンシップ)だから全ホールフルバックを使おう』というのではなく、ホール形状やピンポジションなども加味し、総合的に見て使用するティーイングエリアを柔軟に変えていました。その方が年齢や性別、スキルにとらわれず、誰もが無理なく競技に参加できるようになると思います」
バンカーや池などのプレーヤーの行く手をはばむものは、ティーイングエリアからの距離や位置関係をもとに配置されています。しかしドライバーの飛距離が落ちてくるとそれらすらも届かなくなり、スリルがなく面白みに欠けるラウンドにもなってしまいます。
そのため、「ティーイングエリアの呼称変更や対象年齢・性別の撤廃に始まり、最終的にはコース全体のリニューアルまで求められていくのではないか」というのが、飯島氏の考えです。シニアに限らず全てのゴルファーが、体力に自信がなければ前方のティーから、反対にまだまだドライバーで飛ばせる人なら後ろのティーからと、自由にティーイングエリアを選べるシステムが理想的といえるでしょう。
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