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- プロのように“ピンそばピタリ”はムリだけど… どんな条件がそろえばアマチュアでも強めのバックスピンをかけられるの?
アベレージゴルファーのなかには、プロが打つような強いバックスピンがかかったボールを打ってみたいと思う人もいるでしょう。実際は、どんなゴルファーが打ってもバックスピンはかかっているのですが、かかるタイミングや強弱は何が要因で決まるのでしょうか。
バックスピンの量はクラブやスイングなど複数の要因で決まる
プロのトーナメント中継で、アイアンやウェッジで打ったボールに強いバックスピンがかかり、ピンそばにピタリと止まったり、ピン奥に落下しても戻ってきたりするシーンを見たことがある人は多いでしょう。

ビギナーやアベレージゴルファーはグリーンにオンしてもなかなかボールが止まってくれないことも多いので、「どうやってバックスピンをかけているのだろう」と疑問に思うかもしれません。
実際には、どんなゴルファーが打ってもバックスピンはかかっているのですが、かかるタイミングや強弱はどういった要因で決まるのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します。
「まず、フェースのロフト角が大きいか小さいかによってフェースとボールとの間で生じる摩擦の度合いが変化し、同時にバックスピンの量も決まります。ロフトが立っているドライバーが最も回転数が少なく、反対にウェッジが最も回転数が多くなりやすいことは、ビギナーでも想像できるでしょう」
「しかし、バックスピンがどのくらいかかるかは、クラブの構造や性能だけで決まる訳ではありません。最下点がボールより先になるダウンブローで打てば、ボールに逆回転を加える力が一層強くなります」
「また、ボールの種類でもスピン量は変化し、いわゆる“スピン系”と呼ばれるボールは表面がやわらかくできているので、フェースの溝(スコアライン)に入り込みやすく、バックスピンの多さにつながります」
「ボールが当たった位置(打点)でもスピン量は変わり、フェースの下半分またはヒール側に当たると増え、反対にフェースの上半分またはトゥ側に当たると減ります」
なかには「ヘッドスピードの速さも大事」という意見も散見されます。しかし三浦氏によると「どのくらいボールとフェースが擦れ合っているかの方が大事なので、ロフト角や入射角、ボールの性能があれば、ヘッドスピードが遅くてもそれなりにバックスピンはかかってくれる」そうです。
なお、ドライバーとパターを除いたロフト角が25度以上のクラブについては、2010年から段階的に“ラフからのスピンのかかりやすさ”を規制しはじめ、2010年以前に作られたクラブ(特にアイアンやウェッジ)は、2023年の12月31日限りで一般アマチュアもルール違反に該当するようになりました。
そのため、プロゴルファーだけでなくクラブ競技に参加する一般のゴルファーも、現在は古くても2010年以降に製造されたモデルのみ原則使用が認められています。
クラブやスイングの仕方以外にもスピンがかかる要因が
三浦氏は「バックスピンがかかりやすいか否かはコースの状況や、周囲の自然条件によっても左右されることがある」と話します。
「ライに関しては、ラフよりもフェアウェイからの方が、バックスピンはかかりやすくなります。なぜなら、ラフから打つ際にはフェースとボールとの間に草丈の長い芝が入ると、その分インパクト時に発生する摩擦が小さくなり、ボールに逆回転を加える力が伝わりにくくなってしまうからです」
「風向きでもフォローよりアゲインストの方がボールが風に逆らって飛ぶ形になるため、バックスピン量は増えます」
「また、左足下がりより左足上がりのライの方が、ロフトが寝るとともにアッパーブローに近いスイング軌道になるので、結果的にバックスピンがかかるようになります」
「バックスピンがかかったボールが着弾して実際に戻ってくれるかどうかは、落下地点の硬さも関わってきます。落下した場所がグリーンだった場合、軟らかすぎると芝の中に突き刺さるような落ち方をしますし、逆に硬すぎるとスピンがほどけやすく、あまり戻ってくれないこともあります」
ビギナーのショットは上級者と比べてバックスピンがかかりにくいですが、三浦氏によると「バックスイングから右手の手のひらを下に向けることを意識し、そのまま振り抜くと比較的バックスピンをかけやすくなる」ようです。
このように、スイングの工夫次第では誰でもしっかりと強めのバックスピンをかけられますし、時には風などの自然現象が手助けをしてくれることもあるかもしれません。
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