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- 多機能で複雑な印象があるけど… ビギナーが最初に使うドライバーに「カチャカチャ」があってもいいの?
ドライバーには、ヘッドとシャフトをつなぐネックの部分で様々な弾道を調整できる通称「カチャカチャ」が付いているモデルがあります。そんな多機能なカチャカチャのドライバーをビギナーが使用してもいいのでしょうか。
設定に迷ったら一旦元の状態に戻せばOK
ドライバーには、ヘッドとシャフトをつなぐネックの部分を自由に動かせるものがあり、正式には「可変式スリーブ」といいますが、動かすときの音から「カチャカチャ」とも呼ばれています。

登場したのは2000年代後半とそれほど長い歴史がありわけではありませんが、今では多くのゴルファーに親しまれバリエーションも豊富になっています。
では、そんな多機能なカチャカチャのついたドライバーを、ビギナーが使用してもいいのでしょうか。レッスンプロ兼クラフトマンの関浩太郎氏は、以下のように話します。
「『ビギナーがいきなりカチャカチャのドライバーから使うと、いじっているうちにどの設定がベストか分からなくなり、混乱してしまうのでは』と心配している人もいると思います。確かに、自分にとっての最適解を把握しきれていないといわゆる“沼”にハマって、そのような状況になるリスクは少なからずあります」
「たとえば私が趣味としているクルマやバイクのチューニングでは、『設定をどうすればいいか迷い始めたら一旦デフォルトに戻す』というのが鉄則とされています」
「私は、クルマやバイクをいじるのと、カチャカチャのドライバーを動かすといったクラブに何らかの手を加える行為は同じことだと考えています。もしも混乱しそうになったらまずは買ったときの状態に戻し、自分だけで悩みを抱え込まずレッスンプロなどに相談するのがいいでしょう」
「また、カチャカチャの可変部分は正しく使っていれば少なくとも10年は持つため、スキルが上がってシャフトを交換したとしても、ヘッドは使い続けることができるのも魅力です」
なお、カチャカチャのドライバーはメーカーやモデルによって多少異なるものの、ロフト角とライ角はともにプラスマイナス2度程度の範囲で調整できるようになっています。数字だけを見ると大した差には思えないかもしれませんが、ロフトを変えると打ち出し角や打球の高さが、ライ角を変えると弾道の左右の向きがかなり変化するそうです。
また、可変部分のシステムには明確な基準が設けられていないため、設定可能なロフト角やライ角の段階もメーカーやモデルごとに差があります。より自分好みの角度に細かく調整できるものもあれば、大まかで分かりやすいものまでさまざまです。
自分のクセに応じたスリーブの設定方法を知っておく
では、ビギナーがカチャカチャのドライバーを使用するときは、どのような点に注意するべきなのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「可変部分を動かすとロフト角だけでなくライ角も変えられますが、ゴルファーそれぞれの特性に合わせ、どのように調整すべきかは知っておいた方がいいと思います」
「まず、ロフト角を大きくしてフェースを上に向かせるようにするとボールは高く上がり、打球も左に飛び出しやすくなります。対して、ロフト角を小さくしてフェースを立てるようにすれば打ち出しが低くなるとともに、打球は右に飛び出しやすくなります」
「また、ライ角は飛球線の曲がる向きに影響し、アップライトにすると左回転がかかって右に打ち出した後は左に曲がり(ドロー)、逆にフラットにすると右回転がかかって左に打ち出した後は右に曲がる(フェード)ようになります」
「これらを理解すれば、スライスを減らしたいのなら『ロフト角は大きくしてライ角はアップライトにする』、フックを減らしたいのなら『ロフト角は小さくしてライ角はフラットにする』。そして、ボールを高く上げたいのならロフトを増やし、吹き上がるのを防ぎたいならロフトを減らせばいいと分かるのです」
「付属している説明書にも書かれていますが、事前にこうした知識を知っていると、設定で混乱するリスクも減らせるでしょう」
なお、カチャカチャのドライバーをフィッティングする際は、ヘッドとシャフトが合っているかを把握しやすくするため、基本的に設定はデフォルトのままで行われることが多いそうです。
設定方法以外の注意点としては、「スリーブを動かす際は安全のため使うべき工具や手順をしっかり守る」ことが挙げられます。ネジをどのくらい締めるべきかはメーカーごとにバラバラなので、付属している純正品のレンチを使用し、スイング時にヘッドが外れる事故が起こらないよう「カチッ」と音がするまで確実に締めましょう。
カチャカチャのドライバーは、ビギナーから上級者まであらゆるゴルファーの悩みを軽減する、汎用性の高いクラブです。ただし、ラウンド中に動かすとルール違反になってしまう点には、くれぐれも気を付けるようにしましょう。
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