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- グリーン周り=ウェッジorパターって決めつけてない? フェアウェイウッドの選択がアプローチを成功に導く!?
フェアウェイウッドは主に、パー5の2打目やドライバーを握れないホールでのティーショットで使われることが多いクラブです。その名の通り“フェアウェイ”でしか出番がないと思っている人もいるかもしれませんが、実はアプローチに使うこともできるとレッスンプロは話します。
パターとウェッジそれぞれの弱点を打ち消してくれる
3番ウッド(スプーン)や4番ウッド(バフィ―)、5番ウッド(クリーク)などが存在するフェアウェイウッド。その名前からも“フェアウェイ”やボールが浮いている状態のラフが主な出番かもしれませんが、実はグリーン周りのアプローチで使用している人もいるそうです。
一見、難しそうにも感じるこのクラブ選択ですが、フェアウェイウッドをどのように活用するとアプローチの場面で役立つのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏に話を聞きました。

「カラーなどグリーン周りからのアプローチでは、パターやウェッジを使うことが多いでしょう。しかし、パターの場合はボールが芝の抵抗に負けて手前で止まったり、ウェッジならザックリやダフリによってボールがあらぬ方向へ飛んでしまうことも考えられます」
「その点、フェアウェイウッドはパターよりも芝の影響を受けにくく、ウェッジ以上に安定感のあるアプローチが期待できます」
その理由について三浦氏は「クラブの“ロフト角”に秘密がある」と言い、以下のように話を続けます。
「通常、パターのロフト角は3~6度ですが、フェアウェイウッドは14~16度ほど。パターよりもロフトが寝ているので、ボールは少し浮いて打ち出されます。一方、ウェッジに比べてロフトは立っていますが、ロフト角は大きくなるほど真っすぐ転がすことが難しくなります」
「そのため、ロフト角がパターよりも大きくてウェッジよりも小さいフェアウェイウッドを使うと、グリーン手前の芝を飛び越えながらよりスムーズな順回転となるため、カップに寄る確率がグッと高まるのです」
グリーン周りかつ、ピン位置から遠い場所でアプローチをする場合、パターではスイング幅を大きくする必要がありますが、そうなると打点がズレやすくミート率も下がるリスクが出てきます。一方、フェアウェイウッドならコンパクトな振り幅でも距離を出しやすいため、より確実性が増すでしょう。
フェアウェイウッドは「パターの延長線」として使える
では、フェアウェイウッドでのアプローチはどのようなシチュエーションの時に効果を発揮するのでしょうか。三浦氏は以下のように話します。
「例えば、砲台グリーンのアプローチ時にウェッジを使うと、左足上がりの傾斜でクラブが突き刺さり、ボールがまったく飛ばなかったり予期せぬ方向に行ってしまうことがあります。そんな時にフェアウェイウッドでのアプローチを選択すれば、無理して浮かせようとしなくてもボールが傾斜を駆け上がってくれるはずです」
「そのほかにも、ウェッジで『芝が短い花道から打つのが苦手』『強めに打とうとしたら飛び過ぎてしまう』という人も、パターに近いスイング幅で打つことができるのでオススメでしょう」
「多くのプロゴルファーはグリーン周りでウェッジを使うケースが多いですが、これはトーナメント仕様で速くなっているグリーンに対応するためです。この場合ボールを高く上げて転がりを抑える必要がありますが、通常時のグリーンはそこまで速く設定されていないため、ウェッジが得意でないのであればフェアウェイウッドを選ぶと失敗しにくくなると思います」
しかし、グリップ位置やスタンス幅などフェアウェイウッド本来の使い方とは異なる点が多いので、ぶっつけ本番ではなく事前に練習をして、インパクトの感覚や距離感をつかんでおく必要はあるでしょう。
なお、ひとくちに“フェアウェイウッド”と言ってもいくつもの種類がありますが、ロフトの大きさやシャフトの長さを勘案すると、特に5番ウッド以降がアプローチには適していると言えそうです。
また、「ユーティリティーはアプローチに使えないのか?」といった意見も挙がりそうですが、三浦氏によると「ユーティリティーは、重心距離が長くフェース面の幅が広いので、短く持とうとするとアップライトになり、かえって打ちづらくなる可能性がある」と自らの考えを明かしています。
スコアを大きく左右するといっても過言ではないアプローチショット。グリーン周りでの一打に苦手意識があるゴルファーは、フェアウェイウッドという新たな選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
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