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- まれに遭遇する「ネットに囲まれたティーイングエリア」にガッカリ!? 設置せざるを得ないゴルフ場の苦しい事情とは?
ゴルフ場の中には、コース内であるにもかかわらずネットが張られているホールがあります。打ちっ放しの練習場ならイメージできる人も多いはずですが、どのような目的で張られているのでしょうか。
ゴルファーや近隣住民の「安全のため」
ゴルフ場ではコースに出るとフェアウェイやラフなど芝で覆われたエリアや木々が目立つようになり、自然を利用して作られていることがわかります。

しかし、なかにはコース内であるにもかかわらずネットが張られていることがあり、打ちっ放しの練習場のようで、違和感を覚える人もいるかもしれません。
どうしてゴルフ場にネットが張られていることがあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「コース内にネットが張られているケースとして特に多いのは、高速で飛んでくるボールが他の人に当たるのを防止する目的で設置された『防球ネット』です。限られた土地の中でコースレイアウトを配していったことでホール同士が非常に近接しており、隣のホールからの打ち込みと打球事故が懸念される場所に設けられています」
「通常は木を植えてボールが隣のホールへ出ていってしまうのを防ぎますが、木も植えられないほど境界部分が狭くなっている際は、防球ネットで代用します」
「コースと敷地外の住宅地や一般道路などとの間隔が狭く、ティーショットでドライバーを使用すると、ちょっとのスライスやフックでボールが敷地外へ飛び出してしまいそうな場合。また、プレーに一切関係のない人が打球事故に遭わないようにするためにも、防球ネットが張られることがあります」
なお、隣がすぐに住宅や一般道になっているホールでは、ネットの設置に加えてドライバーの使用を禁止することで、場外へボールが飛び出すのを防止しているゴルフ場もあるようです。
一般的なゴルフ場で防球ネットを見かける機会はあまりないかもしれませんが、河川敷のゴルフ場の場合は敷地外と近接している範囲がさらに広いので、通行人や自転車が通る道に面する側は全体的に防球ネットを張っているところが多いです。
「コールオン」が定められているコースの一部にもネットが
飯島氏は、「ネットの中にはもう少し特殊な理由で張られているものもある」と話します。
「防球ネットとしてはあまり高さがないネットが張られているケースも見られますが、これは『大きくそれたボールがOBより先に行かないようにするため』のものです」
「ゴルフは『ボールはあるがまま』でいることが本来の姿だといわれており、コースもできる限りあるがままの状態で打てるように作らなければなりません。しかし、コースから外れてすぐのところにガケなどの危険な場所がある場合、ボール探しなどでうかつに入ると滑落事故などが発生する恐れが出てきます」
「そこで、プレーヤーがそのようなエリアに入らないよう、事前にネットでボールがコースアウトするのをガードしているホールもあります。ほかにも、見通しが悪くてボールの落下地点が分かりにくいホールでは、キャディーがプレーヤーから先回りした地点で飛球線を追いやすくするために、ネット付きの待機場所を設置しているケースも見られます」
またパー3のホールの中には、前の組のパッティング待ちによる渋滞を減らすために「コールオン」と呼ばれるローカルルールを定めているところもありますが、そのようなホールでも一部でネットが設置されています。
コールオンでは、自分たちの組がグリーンに乗せたあとそのままパットをするのではなく、一旦後続組に打たせてグリーンに向かってくるまでの間を利用してパッティングを終わらせるというプレースタイルが取られています。
前の組は、後続組の飛球線の先にいて打球事故になる可能性も少なからずあるため、前の組が待避できるようにネットを張っているのです。
全てのゴルフ場が広々とした土地に作られているとは限らず、なかには狭い範囲内に敷き詰めるような形で18ホールを配したところもあります。プレーヤーやキャディー、さらにはゴルフ場の外にいる人に打球事故の危険が及ぶのを防ぐために、ゴルフ場のネットは非常に重要な存在といえるでしょう。
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