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- スピン系でもディスタンス系でもない「第3のゴルフボール」 使う場合の注意点とは
ゴルフボールには、大きく分けると「スピン系」と「ディスタンス系」の2種類があるとされていますが、さらにもう一つ「第3のボール」と言われているものも存在します。では、第3のボールとはどのようなボールなのでしょうか。
「スピン系」と「ディスタンス系」の両方の特性を併せ持つボール
ゴルフボールには、大きく分けると「スピン系」と「ディスタンス系」の2種類があり、前者は上級者向け、後者はビギナーやアベレージゴルファー向けと一般的に認識されています。
ところが、用品店で多種多様なボールが販売されていることからも分かるように、ゴルフボールには常に様々な改良が施されており、その中の一つに「第3のボール」と言われているものも存在します。
では、第3のボールとはどのようなボールなのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は、以下のように話します。

「スピン系ボールの場合は、上級者がアプローチで強いバックスピンをかけたり、パッティングで距離感を掴めたりできるよう、表面の『カバー』と呼ばれる部分はウレタンで柔らかくなっています。しかし、コントロール性能を追求すると飛距離が出にくくなるので、少しでも距離を稼ぎたいビギナーやアベレージゴルファーにはあまり向いていません」
「そこで、カバーを硬い素材のアイオノマーにすることで、パワーが無くても遠くまで飛ばせるディスタンス系のボールが作られたのですが、今度はコントロール面での寛容性が低下してしまうのが問題となりました」
「要するに、過去の技術では飛距離とコントロール性を両立するボールを作るのは、非常に困難とされていたのです。そして、その後の技術革新により、飛距離とコントロール性をバランスさせた『二刀流』のボールが20年ほど前に生まれ、スピン系とディスタンス系に次ぐという意味で『第3のボール』と呼ばれるようになりました」
なお、スピン系ボールのカバーは柔らかくなっていますが、反対に「コア」という内部の構造は硬くできており、インパクトの瞬間にクラブと接触する時間が長くなるためスピンがかかりやすくできています。
一方で、ディスタンス系ボールはカバーが硬くてコアが柔らかい構造をしていて、インパクトで押しつぶされた後の反発が大きくなるので、前へと飛ぶパワーが強くなるのです。
万能に見えるけどデメリットもある?
では、第3のボールを使用したいと思っているゴルファーは、どのような点に留意しておくべきなのでしょうか。関氏は以下のように話します。
「第3のボールは、カバーもコアも柔らかくなっているうえにコアが通常のボールより複雑で、異なる素材を組み合わせた3〜4層構造になっています。技術が進んだとはいえ、スピン系やディスタンス系と比べると製造コストもかかりやすいので、若干値段は高めに設定されているものが多いです」
「また、『コントロール性能と飛距離の両立』が最大の特徴でありメリットではありますが、1個のボールの中にスピン系とディスタンス系それぞれに匹敵するパフォーマンスを100%詰め込むことは難しく、なかには『中途半端だ』とか『どっちつかず』という感想を持つ人もいるかもしれません」
「そのため、スピンに重きを置いている人の場合は打てる球種の選択肢が減ったように感じ、飛距離を重視している人にとってはカバーが柔らか過ぎて打感に物足りなさを感じることもあるでしょう。第3のボールは、多くのゴルファーに通用するように作られていますが、必ずしも全員にちょうど良いものとは限らない点は覚えておくといいと思います」
ちなみに、ツアープロの場合は第3のボールを使う割合は少なく、現在でもスピン系のボールが好まれているようです。
トーナメントが開催される際、グリーンは芝が細かく刈り込まれたりコンパクション(地面の硬さ)もより硬くしたりして、いつも以上にボールの転がるスピードが速くなります。
アプローチでは、非常に強いスピンをかけないとなかなか止まらないだけでなく、パッティングでもほんの少しのタッチの違いで転がり方に差が開きやすくなることから、第3のボールよりも操作性に優れたスピン系が選ばれています。
ゴルフボールには様々なブランドがあり、どれを買ったらよいのか分からないという人も多いかもしれません。しかし、第3のボールであれば飛距離もコントロールもある程度担保されているので、上級者になっても使い続けられる点もメリットといえるでしょう。
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