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- フェースの“ちっちゃい傷”でも保険金請求ってできるの!? ゴルフ保険の“免責”範囲を理解していない人が多い?
ゴルファーなら必ず入るべきゴルフ保険。クラブの損傷を補償する特約に入っている人は多いでしょう。しかし、どの程度の損傷なら保障の対象になるのか、いまひとつ把握できていない人も少なくないかもしれません。
クラブの性能に影響のないキズは補償の対象外
ゴルファーにとってクラブは大事な“相棒”です。価格や付き合いの長さや相性の良し悪しにかかわらず、相棒がキズやケガを負ったら気になります。

先日も自宅でクラブの手入れをしていて相棒のキズを見つけたゴルファーが、その困惑ぶりをX(旧・Twitter)で呟いていました。写真を見ると、フェースの角には長さ2~3ミリくらいのヘコみキズ。それが自分の知らないうちについていたことから、数日前にプレーしたゴルフ場にその責任を問うことはできるか意見や情報を広く募る投稿でした。
さっそく多くのゴルファーからリプライがつきました。そのなかで多かったのは、例えば、
「その気持ちわかります。新しいクラブだとショックですよね」
「ゴルフ保険に入っているのなら、ゴルフ場で証明書を発行してもらって提出すれば、保険を請求できるんじゃないかな」
「新しいクラブの買い替え費用は無理でも修理代くらいは出るといいですね」
といった具合です。
わずか2~3ミリのヘコみキズでも、クラブの損傷として申請すれば、ゴルフ保険で新品の購入費用や修理代をカバーしてもらうことができるのでしょうか。千葉県で保険代理店を営む保険のプロは、クラブフェースの角についた2~3ミリのヘコみキズについて、あくまでも一般論として次のように話してくれました。
「まず、ゴルフをするほとんどの方が入っているゴルフ保険ですと、クラブについたキズは保険適用の対象外になります。ゴルフ保険はプレーヤーご自身のケガや、オプションになりますがお相手のケガに対する補償を目的とするものです。クラブや携行品については基本的に保険の対象外であり、自己責任となるからです。ただし、第三者に対する賠償責任のように、ゴルフ用品特約などのオプションをつけていればクラブの損傷についてカバーされるケースもあります。その場合、ゴルフ保険における用品の損傷とは、単なる外見上の損傷だけでなく機能の損傷が認められることをいいます。フェースとはいえボールを打つ場所ではない“角”についた2~3ミリのヘコみは、この点でも対象外となります」
ある保険会社が発行しているゴルフ保険の約款では、「携行品特約 第5条(2)」で、クラブの損傷について保険金の支払いをしない事例として『すり傷、かき傷、塗料の剥がれ落ち、落書き、ゆがみ、たわみ、へこみその他単なる外観上の損傷または保険の対象の汚損(中略)、その保険の対象が有する機能の喪失または低下を伴わない損害』を挙げています。
プレーで普通に使っていて自然についてしまう小さなキズは、たとえゴルフ用品特約をつけていたとしても免責事項となり保険対象外、シャフトが折れたり曲がるなど、このままでは普通にプレーができない大きな損傷は補償の対象になると覚えておくとよいでしょう。
クラブの損傷をを証明する書類は当日発行してもらうべし
「ゴルフ場かゴルフ練習場で、プレー中にクラブが曲がったり折れたりして使えなくなったときは保険の請求ができます。その場合は、ゴルフ場施設に用品が破損したことの証明書を発行してもらい、保険会社に提出します。ただし、重要な条件が一つあって、クラブが損傷したことを証明する書類は、当日発行してもらったものでなければなりません。プレーから何日かたって、クラブが曲がっていたから保険の請求をしたいと申し出ても、当日でないと証明書を発行してもらえないのです。実際、私のお客様でも、これを知らなかったばかりに保険適用が受けられなかった事例がありますので注意が必要です」
ゴルフ場では、ホールアウト後クラブの紛失がないか確認して用紙にチェックをします。早く帰りたい気持ちはわかりますが、クラブの本数確認をする際は、クラブを少し持ち上げて損傷がないかサッと確認するのがよさそうです。また、話を戻すようですが、例えばラウンド中に木の幹に止まっているボールを打った際にフェースのセンターや溝の真上に小さなキズがついてしまったようなケースも同じです。ゴルフ場にクラブ破損の証明書発行を申し出るには、このタイミングがラストチャンスといえるでしょうから。
「先ほどもご説明しましたが、このままではいつも通りのプレーができないというような大きな損傷は、保険の支払い対象になります。一方、プレーに影響があるか判断ができない微妙なキズについては、いったん請求をして、保険会社の査定を受けられてはどうでしょうか。『保険請求はできません』という回答があれば、このキズはクラブの機能に影響がないんだと納得できますし、保険が適用されるケースでは、購入時期、型番、使用年数による減価償却などにより計算されたクラブの時価額が支払われます」
「実はこのところ、ゴルフを始めたばかりの方や、今までゴルフ保険に入っていなかった方々がゴルフ保険に加入されています。新しいお客様は、長く保険に入っているお客様より保険内容に関する知識や経験が少ないでしょうが、クラブに気になる微妙な損傷があれば保険の請求をすることにより流れを知ることができます。またその結果、適用外だとしても、その理由を納得することができます。そうした経験によって免責と補償対象との線引きをおわかりいただけると思うのです」
大事な相棒にキズがついてしまったら、その日のうちに証明書をもらって保険申請をするのは「アリ」。ただ、機能が損なわれていなければ、少々のキズはむしろ使い込んだ証ともいえます。長年連れ添った相棒として、いっそう愛着が湧くのではないでしょうか。
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