道具をそろえずコースデビューするビギナーが増えている！？ 「クラブケースでラウンド」「同伴者と共用」はゴルフ場的にＯＫ？

　ラウンドでは、ルール上14本のクラブを持ち込むことができますが、ビギナーの場合、ハーフセットで十分プレーすることができます。むしろ「ハーフセット、もしくはそれより少ないクラブでラウンドしたほうが上達しやすい」と語るレッスンプロも多くいます。

　ハーフセット以内であれば、大きなキャディーバッグではなくコンパクトなクラブケースでも収納可能です。費用面や持ち運びの利便性を考えた場合、上達するまではクラブケースを利用することも可能な気がしますが、クラブケースをラウンド時に使用しても問題ないのでしょうか？　ルールやマナーの啓蒙活動を積極的におこなっている一般社団法人 静岡県ゴルフ場協会事務局長の吉田真之氏は以下のように話します。

「ゴルフ場側が正しく保管することができないので、クラブケースでのラウンドは受け付けていないことがほとんどでしょう。まず、クラブケースは厚みがないのでカートに固定することができないですし、ちょっとしたことでクラブに傷がついてしまう可能性もあります」

「ほとんどのゴルフ場はキャディーバッグ付きでフルセットの貸し出しをおこなっているので、もしクラブケースで来場した場合は、キャディーバッグだけを貸してくれるでしょう。しかし、レンタルが出払っていたり、そうした対応をしてくれないケースもないとは言い切れないので、やはりキャディーバッグを購入してからラウンドするのが望ましいです」

　ビギナーのなかにはクラブケースでラウンドできないことを知らずに来場してしまう人も少なくないそうです。練習場やショートコースなどでは、クラブケースを利用している人を見かける機会が多いので勘違いしてしまうのかもしれません。

　どうしてもキャディーバッグが準備できなかった場合は、事前にゴルフ場側に連絡して、キャディーバッグを貸し出してくれるか確認してみると良いでしょう。

　また、ビギナーのなかには「まだクラブセットをそろえていないが、とりあえず一度ラウンドしてみたい」という人もいます。

　気心の知れた友人とのラウンドであれば、1セットのゴルフクラブを複数人で共用することも可能な気がしますが、ゴルフ場側の見解はどうなのでしょうか？　吉田氏は以下のように話します。

「まれに一つのクラブセットを共用でプレーしたいとお申し出になるゴルファーもいますが、進行に支障をきたす可能性があるので、ご遠慮いただいています。ドライバーショットやパッティング時など、打つたびに同伴者内でクラブの受け渡しをしていたら、かなり時間がかかるはずです」

「どうしてもクラブを準備できなかった場合は、こちらもクラブケースのときと同様にレンタルクラブの利用をお願いします」

　ゴルフ場によって異なりますが、フルセットやハーフセット、シューズなどを貸し出しているのが一般的です。フルセットでおおよそ3000～6000円ほどで借りられることが多いようですが、利用するコースのHPや電話による問い合わせで事前に調べておくと安心です。

　レンタル料金はそこまで安くないので、今後ゴルフをある程度続けていく意思があるのであれば、中古ショップで必要最低限のクラブと安価なキャディーバッグを購入したほうが、長期的にみて費用がかからない可能性もあります。また、慣れないレンタルクラブを使用して、うまくボールを打てるかどうかは疑問です。

　やはり必要な道具をそろえずにゴルフ場に行くのは得策ではないようです。「どうにかなるか……」で初ラウンドに臨んでも、あまり良い思い出にはならないかもしれません。