- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフの豆知識
- クラブハウスの多くが“大規模修繕”待ったなし!? ゴルフ場の建物・設備の老朽化が深刻に
クラブハウスはゴルフ場の「顔」とも言うべき存在ですが、規模が大きいだけに建物の管理も大変そうです。実はゴルフ場の多くは今、クラブハウス改修の必要に迫られているといいます。
老朽化以外にも時代に合わせたオペレーションの変化にも対応必須
ゴルフ場に到着してまず目にするクラブハウスは、まさしくそのコースの“顔”とも言うべき存在であり、ゴルファーたちの憩いの場であると同時に、非日常的な体験を演出するため豪華な造りをしているのが一般的です。

しかし、あまりにも立派過ぎると、「建物の管理が大変そうだな」と、いらぬ心配をしてしまう人もいるかもしれません。
実はゴルフ場の多くは今、クラブハウス改修の必要に迫られているそうです。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。
「特に接客サービスに必要不可欠な設備に関しては、故障が発生しないようにメンテナンスを繰り返したり、時として機器を丸ごと取り換えたりすることは、しばしば行われています。なかでも館内の温度を快適に保つ空調設備や、レストランの厨房やお風呂にお湯を供給するためのボイラー、そして水道・電気をはじめとした配管設備は、通常の建物よりも大規模なだけに維持・管理は大変です」
「一方、バックヤードだけ修繕してもクラブハウス全体の付加価値が上がるわけではありませんから、『せっかく直すのであれば、利用客に見える外観や内観にも手を入れてゴルフ場の評価を上げよう』という方針のもと、リニューアルを進めるゴルフ場が増えているのです」
「バブル期には全国各地で多数のゴルフ場が建設されましたが、古いものでは建てられてから40年近く経過しているクラブハウスも少なくないため、しばらくの間は建設ラッシュから打って変わって“リニューアルラッシュ”になると思います」
また、クラブハウスのリニューアルには「建物の老朽化」以外にも、時代の流れに合わせた「オペレーション体系の変化」で実施されているものもあります。
例えば、コロナをきっかけにキャディーバッグの積み下ろしなどをセルフに移行したゴルフ場の場合、玄関からキャディーマスター室までの導線を見直し、荷物がいっぱいでも移動しやすい形に改めたそうです。
そもそも、バブル期においてゴルフ場の会員権は「絶対に価値の下がらないもの」と思われており、各所で会員権の高額売買が行われました。それと並行してクラブハウスも豪華できらびやかな造りとし、多くの人々に自分たちのゴルフ場の魅力を感じてもらおうとしていたのです。
ところが、バブル崩壊やゴルフブームの終焉によって会員権の価値は下がっていき、多くのゴルフ場が経営不振に陥りました。
そのツケがクラブハウスに回り、大規模なリニューアルがなかなかできないところでは、建設当時なら調達できた建材や部品が揃わなくなったり、調度品や飾りなどが周りの雰囲気とはそぐわないチープなもので代用されていたりして、継ぎはぎだらけになっている場合もあるようです。
その一例として、「ゴルフ場のロゴマークが入ったインテリアが無印のものに替えられている」「インターネット回線の新設によって、コードを隠すための蓋がされている」、「かつて照明に使われていたランプシェードなどがLED化に対応できず、ライトだけ今風になっている」といったものが挙げられます。
建て替えを選択する場合はバブル期の豪華主義を捨てる
さらに、飯島氏は「今あるクラブハウスをリニューアルするのではなく、イチから新しい建物に立て直すゴルフ場も多い」と話します。
「建て替えの理由は老朽化だけではなく、『コースとの相性をよくするため』と考えているゴルフ場も存在します。かつてのゴルフ場設計では『クラブハウスとコースは別物と捉える』といった思想が一般的で、ハウスからの眺望性もあまり優れていないのが、日本のゴルフ場のウイークポイントとされていました。一方、米国のゴルフ場の場合はクラブハウスとコースが一体となってデザインされているので、眺望が良いだけでなく、外からの見た目もまとまりのあるものとなっています」
「近年では、日本でも米国の設計思想を積極的に取り入れ、シンプルでコンパクトでも、コースの形状やコンセプトとマッチしたクラブハウスにシフトしようとしているところが見受けられます。例えば、建物の規模を縮小し、悪目立ちしない簡素な造りに変更しつつも、テラス席を設けるなどして開放感を広げるといった工夫を凝らしています」
実際に群馬県の「板倉ゴルフ場」では、既存のクラブハウスを取り壊し、より時代にマッチしたクラブハウスを新設する工事に着手しています。新設されるクラブハウスはテラスエリアやパウダールームを増設するなど、女性ゴルファーも利用しやすいシンプルながらも機能性に長けたスタイルになるといいます。
ゴルフ場のクラブハウスといえば、大きくて豪華なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、時代の変化で「豪華でなくても良い」という意見も増えているようです。そのため、今後リニューアルや建て替えが行われるクラブハウスは、「機能性」や「快適性」がトレンドになるかもしれません。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
-
ナイスショット連発で上重アナも仰天!? キャロウェイ「ELYTE」シリーズをラウンドで使用するとアマチュアにとって大きな恩恵が!<PR>
-
【連載コラム】なぜフォーティーンのクラブは人を魅了するのか? 美しいフォルムに宿る揺るぎない性能・その秘密を開発者に聞く<PR>
-
クラブと体の「接点」は重要! テーラーメイドのツアーボール「TP5」「TP5x」と「プレイヤーズ グローブ」は細部までこだわった逸品<PR>
-
今より「2センチ小さいサイズ」を試すべき!? 新品ゴルフグローブを「ピッタリ」で選ぶべきではない理由とは?
-
【クイズに答えて200名さまに抽選で当たる!】Taylor Made Golf(テーラーメイドゴルフ)ボール
ranking