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- たまに見かけるけど… “バンカー内にたまった水”が見た目以上によくない兆候なワケ 遭遇した時どうすればいい?
バンカーの中に水たまりができていたり、池のように全体が水で満たされている光景を見たことがあるかもしれません。こういった状態は、コース管理の観点から問題はないのでしょうか。
水がたまっているバンカーはコースの悪評にもつながる
フェアウェイの両脇やグリーンの周りに立ちはだかるバンカーは、芝の上から打つのとは打感やスイングの仕方が変わってくるので、苦手意識を持っているビギナーも少なくありません。また、スコアメイクにも大きくかかわるので、上級者にとってもできるだけ避けたい存在です。

そんなバンカーの中に一部水たまりができていたり、大雨が降った後にはまるで池のように、全体が水で満たされている光景を見たことがある人もいるでしょう。
では、バンカー内に水がたまっている状態は、コース管理の観点から見て問題はないのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「一見すると、バンカーは地面をくりぬいたところにただ単に砂を入れているだけのようにも見えますが、実際はもっと複雑な構造をしています。表面の砂を取り除くと『透水シート』という特殊なシートが張られており、もしも雨が降ったりして水が染み込んできたら、砂を通さず水だけが下に落ちるようになっています」
「さらに、透水シートを剥がすと砕石と魚の骨状に彫られた溝が敷かれ、一番低い場所にはバンカーが受け止めた雨水を集める『集水マス』が設けられ、効率よく排水が行われます。本来、バンカーは一度作ったら絶対に雨水がたまらないようにするのが大前提ですが、年数が経つにつれ透水シートが破れてきたり、流出した砂が排水管に詰まってきます。上からどんどん雨水が染み込んでも、スムーズに流せなくなってしまうのです」
「砂が湿っている状態がずっと続いていると、虫が湧きやすくなるだけでなくカビやコケも生えてきて見た目も悪くなりかねません。さらに『湿っているバンカーはカチカチで打ちづらい』と敬遠しているゴルファーも多いため、結果的にはゴルフ場全体の評価が下がることにもつながります」
「また、バンカーの中に小石が混ざっていることもありますが、これは内部に敷かれている砕石が浮き上がってきたものです。砂を定期的に入れ替えないとバンカーをならす作業車が通る度に砕石が表面まで上がってきて、小さな砂の粒子の中に紛れ込むことがあるといいます」
バンカーに使われている砂は輸送費などの観点から、以前は基本的にゴルフ場がある場所からなるべく近い場所の砂が選ばれていましたが、近年ではマスターズの舞台であるオーガスタナショナルGCを意識した、真っ白で美しい福島県産の「白竜砂」を用いているところも増えています。
ただ、白竜砂は比較的高価なことから価格を抑えつつ白さも持ち合わせている、愛知県豊田市を中心に産出される『瀬戸砂』や『愛知砂』などもよく使われています。
ゴルフの「大原則」から見てもよくない
さらに飯島氏は「バンカーに水がたまってはいけない理由として、『ゴルフの大原則』からかけ離れてしまうからというのもある」と話します。
「ゴルフは自然と対峙してプレーするスポーツなので、基本的にティーイングエリアで1打目を打ってからカップインするまで、どんな状況であろうとボールに触れてはいけない、『あるがまま』の原則が重要視されます。しかし、本当に『あるがまま』に忠実に従っているとスロープレーになって周りのプレーヤーが迷惑をこうむったり、ボールの状況によっては自分自身が危険な目に合ってしまうため、例外的に『救済』という制度が適用されるのです」
「ジェネラルルールでは、水がたまっているバンカーにボールが入った場合は救済を受けることができますが、バンカーに水がたまっている状態が当たり前になっていたら『救済を受けること』も当たり前になって、全く『あるがまま」ではなくなってしまうのです」
「また、救済を適用した際は決められたエリア内にドロップしなければなりませんが、ドロップポイント次第ではかえってアンフェアなライになる可能性もあり得るでしょう。『ゴルフらしさ』を維持するためにも、コース管理者はバンカーに水がある状況を避ける必要があるといえます」
ルールブックにおいて、バンカー内に水がたまっている状況は「異常なコース状態」のうちに含まれていることから、コース中にはあってはならないものとされていることが分かります。
“水たまりバンカー”は、ゴルフ場側はもちろんゴルファー側にとっても望ましくありませんが、遭遇した時に備え、救済のルールは把握しておきましょう。
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