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- 今年は10~11月が「蚊に刺され」のピーク! 専門家が教える予防法3選 「汗拭き」が効果的も拭く場所が間違っている!?
かつて蚊に刺される時期は真夏の7~8月がピークでした。それが最近はどんどん遅くなり、今年は10~11月にかけてピークを迎えそうだといいます。「蚊に刺され」の効果的な予防法とは?
「蚊は夏の虫」は過去の常識!?
このところ蚊に刺された話をよく聞きます。
「先日ゴルフに行ったら、いっぺんに5~6カ所、蚊に刺されてしまったんです。それがすごく腫れていまだに痒くて。今年の夏は全然刺されなかったのに、まさか10月になってこんな目に遭うとは思いませんでした」
思わず「ですよね?」と共感するゴルファーも多いのではないでしょうか。

こうした現象について、「今夏は猛暑で蚊が活動できませんでした。しかし、ようやく暑さが落ち着きましたので、10月から11月にかけて蚊の活動はピークを迎えるでしょう」と言うのは、さまざまな昆虫の生態や能力を研究・応用して医療器具等の開発にも取り組んでいる長島孝行教授(ヤマザキ動物看護大学)です。
かつて蚊に刺される時期は真夏の7~8月がピークでした。それが最近はどんどん遅くなり、今年は10~11月にかけてピークを迎えそうだというのです。その理由を長島教授は次のように説明します。
「今年は異常な暑さで、気温が35度を超える日が多数ありましたが、蚊は35度を超えると活動ができません。雨も少なかったため卵を産んでも育たず、蚊の数が増えなかったのです。人間も猛暑下の外出を控えたことにより、蚊に刺される状況はさらに少なかったと考えられます」
「ところがここにきて気温が下がってきました。蚊は25度から30度くらいが最も活動しやすく、9月はある程度雨も降って今後も卵が孵化するでしょうから、10月に入ってもますます増えることが予想されます。人間にとっても過ごしやすい季節で、夏に控えたぶんスポーツや外出の頻度も増えるので、血を吸われる機会も多くなるでしょう。しかも蚊にとっては生命の終わりが近づいて繁殖本能が働くため、血を吸おうとしてしつこく人についてきますよ」
蚊の活動期はこれからが本番、しかもしつこいというわけです。いったい、ピークはいつまで続くのでしょうか。
「11月の頭までは活発に活動すると、私はみています。さきほど35度を超えると蚊は活動できないといいましたが、15度を下回った場合も同様に活動を休止するからです」
腕や脇の下よりも手首、足首の汗を拭く
気温が15度を下回るまで、あと1カ月は蚊に要注意といえそうです。そこで長島教授に、ゴルフに行くならこれだけはしておきたい虫刺され予防法ベスト3を教えてもらいました。
「一番実行していただきたいのは、プレー中、汗をこまめに拭くことです。蚊は、呼気に含まれる二酸化炭素や汗の匂いに興奮して活発化するからです。ゴルフのラウンドでは、速く歩くだけで息が上がって汗をかきますが、その匂いにつられて蚊が近づいてきます。汗の匂いは、もともと皮膚にすむ常在菌が汗に反応して生じる匂いです。ウイルス対策のアルコール入り除菌シートで汗を拭き、常在菌を抑えることによって汗の匂いが少なくなるでしょう」
「また、体のどこを拭くかも大事です。汗を拭くというと、まず額、次に腕や脇の下をイメージする人が多いかもしれませんが、それだと大きな効果は期待できません。できるだけ皮膚が薄く柔らかく、常在菌が多くて汗の匂いがしやすいところを拭いてほしいのです。特に、耳の後ろ、首、手指の付け根、手首、足首。最も蚊に刺されやすい部位をしっかり拭くことが大事です」
汗かきの人、またボールを曲げて右へ左へと走り回るゴルファーほど蚊に狙われやすいようです。ぜひアルコール入り除菌シートを携行しましょう。
「2つ目は長めの靴下を履くことです。夏場のラウンドでは短パンや七分丈パンツを愛好していた人も、秋口からは足全体を覆う長ズボンに切り替えるかと思います。ただし、蚊に狙われるのは、体の下の方。長ズボンだからといってズボンの下に短い靴下を履いてしまうと、裾から入り込んだ蚊にいとも簡単に素肌を刺されてしまうので要注意です。しかも足は常在菌が多いため、好物である汗の匂いに蚊が集まり、ひどい時はいっぺんに何カ所も刺されてしまいかねません。シューズの中に隠れるような短い靴下(アンクルソックス)やシューズから1~2センチだけ見えるスポーツソックスではなく、この時期は少なくともふくらはぎの下までの長さで足首を完全にカバーする靴下を履くことをオススメします」
長ズボンを履いているにもかかわらず足首をよく刺されるのは、そういう理由だったのかと腑に落ちた人もいることでしょう。
「そして3つ目は、虫除けスプレーを携行してコースに出ることです。前述の2つを実行したうえでスプレーを使用すれば、かなり予防できると思います。ただ、朝1回スプレーしたら安心するのではなく、9ホールで2~3回かけるのがベターですね。2つ目で言いましたが、これも汗の匂いがする首回り、手首周辺、足首周辺を念入りにスプレーするといいでしょう」
ハーフで2~3回というと、例えば、スタート前とショートホールのティーショット時の待ち時間が思い浮かびます。毎回キャディーバッグから虫除けスプレーを取り出すより、カートの後ろカゴにでも入れておけばクラブを出し入れするとき目に入るので忘れずできそうです。
ところで、「(茶色の)牛をシマウマのような柄に塗るとアブやサシバエなどの吸血昆虫が付きにくくなる」ことを突き止めた日本の研究チームが、先日イグ・ノーべル賞を受賞したというニュースを目にしました。ということは、もしかすると蚊も、シマウマ柄と同じ白と黒の縞のウエアを着ていれば寄ってこないのでしょうか。
「イグ・ノーベルの縞模様効果は、眼の良いハエのケースで見られる傾向です。一方、蚊の眼はあまり良くありません。そもそも蚊は白い色に近づかない、黒い色に近づいていく習性があり、シマウマ柄と同じ白と黒のボーダーの場合は、眼があまり良くない蚊は黒い部分へ近づいていきます。ですから白と黒の縞柄のウエアを着ていれば蚊が寄ってこないということはなく、むしろ蚊が寄ってきますので、蚊の活動期のゴルフでは避けた方がいいでしょう」
長島教授はこう教えてくれました。
ちなみに縦縞、横縞は関係なく、幅は太いほど黒も目立ち、蚊が近づいてきやすくなるそうです。上下真っ白とはいかないまでも、これからピークを迎える蚊に刺されにくくするには、11月上旬まで白シャツとベージュのズボンの組み合わせなどを心がけてはいかがでしょうか。
【解説】長島孝行(ヤマザキ動物看護大学 動物人間関係学科 教授)
農学博士。さまざまな昆虫の生態や能力を研究・応用して、社会や人々の生活や医療器具等の開発にも取り組んでいる。著書に「蚊が脳梗塞を治す!昆虫能力の驚異」(講談社α新書)、「昆虫テクノロジー研究とその産業利用」(シーエムシー出版共著)など。メディア出演も多数。
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