- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ゴルフライフ
- 「メガネはゴルフに不利なのか?」にメガネ歴35年のティーチングプロが結論 トップでボールが見切れるのは
メガネをかけているゴルファーは珍しくありませんが、プロゴルファーにはあまり見かけません。やはりメガネはゴルフに不利なのでしょうか? メガネ歴35年のティーチングプロが疑問に答えます。
ボールが見切れるのは目・顔と体を分離できていないから
ある日のメガネゴルファー同士の会話です。
「メガネをかけていると、バックスイングでボールが見切れませんか?」
「それ、あります。ボクもボールがメガネフレームから外れます」
「やっぱり!? 自分だけじゃなかったんだ」
「ほんとメガネって、ゴルフには不利ですよね」
実は筆者もゴルフにおける「メガネあるある」を感じている一人です。構えた時はくっきり浮き上がるように見えていたボールが、スイングのトップ前後でメガネフレームから外れて一瞬ぼやけ、小さくかすんで見えてしまうのです。近視が進み自分の打球がどこへ飛んだか見えなくなってメガネをかけているのですが、構えたボールがスイング中に一瞬でも見えづらくなるのでは本末転倒とも思います。
プロはこの問題をどのようにクリアしているのでしょうか。アマチュア競技に参加していた20歳代前半からメガネをかけてゴルフをしているというティーチングプロの永井延宏氏にお聞きしたところ、衝撃的な答えが返ってきました。

「“ボールが見切れる”ですか? メガネについては、雨の日レンズに水滴がつくのはストレスですが、それ以外、私は特にボールがフレームから外れてしまう不自由さを感じたことは一度もないですね」
35年以上のメガネ歴で、ボールがメガネフレームから外れた経験がないというのです。
「メガネフレームの大きさにもよるのでしょうが、そうなってしまうのは、体と目の使い方が原因かもしれません」
具体的にどういうことなのでしょうか。永井氏に詳しく教えてもらいました。
「スポーツ動作として求められる目の使い方を提唱している“スポーツビジョン”の考え方によると、さまざまな種目で、頭や首、体軸を固定して目だけ動かす使い方が重要と考えられます。ゴルフの場合、バックスイングで肩を回す動作により肋骨が右へ動くのにつられて頭は多少右へ動いても構いません。となると、目線はそれに拮抗するように左へ動きます」
「ところが、この頭の動きに応じて目を動かせていない。皆さん肩を回すことなどを強く意識していると思うので、顔や首が動きすぎてしまうのに目線もついていってしまっている。その結果、ボールがメガネフレームから外れてしまうのではないでしょうか」
「また、ゴルフのスイングでは、テークバック時の首の動きが大変重要です。これをビギナーレッスンでは特に重視しています。まず、今着ているシャツやセーターの胸元を手でつまんで左右へ動かします。服だけがパタパタと左右に振られるはずです。次に、手を鎖骨に当て、服のときと同じように、肋骨だけ左右へ動かしてみましょう。実はこのとき、肋骨だけではなく、大抵の人は顔と首も一緒に動かしてしまうんです。イメージとしては、コルセットで首を固定しているようなしくみになります」
「正しくは、顔と首は動かず、肋骨と胸の面が左右へ動く。それがゴルフスイングに大事な首の動きです。このことを私は“首周りの分離”と表現するのですが、テークバックで肩を回すとき、首周りに装着したコルセットを外すのが正しい動きです。コルセットを外して、“首から上”と“胸の動き”とを分けるのがポイントです」
とはいえ、頭はまったく動かないわけではありません。肩の回転につられて実際は頭も多少右へ回ります。
「そこで目の使い方が重要になってきます。さきほども言いましたが、バックスイングでは肋骨が右へ動き、頭を固定しようとしても実際は顔や首も多少右へ動きます。するとボールを見る目線は顔や首の動きと反対に左へ動くべきです。アドレス時は顔の面はボールと正対していましたが、バックスイングで胸の面は右へ動き、目は左へ動く。この2つのバランスがうまくいかず、目線が右への体の動きにつれていかれてしまうと、メガネフレームからボールが外れてしまうと思います」
3つのボールを使った練習で正しい目の動きを習得
では、目の使い方をよくするには、どんな練習をしたらよいのでしょうか。
「3つのボールを使って行う練習が大変有効です。スタンスをとってから、ボールを(1)左足の前、(2)真ん中、(3)右足の前にそれぞれ置きます。次に、私がお話ししたポイントを意識して、アドレスからバックスイングのトップまでを行いましょう。アイアンクラブでは、アドレス時にボール位置が(2)のやや左側にあると思います。バックスイングでは体の動きや重心が(3)に動きますが、目線は(1)に向けるようにすると目が動くのを感じると思います」
「よくある勘違いですが、目線と同じく体の動きや重心が(1)にいってしまうのはリバースピボット(トップで体重が左に乗ること)です。ただ、バックスイングで右に体重移動をせずに左足体重のままスイングする“スタック&チルト”を基点とした“左1軸”スイングは、私の考えでは460cc大型ヘッド対応の現代的なスイングのベースになっていて、近年カレッジゴルフからPGAツアーへ進んだ若手選手では、一見リバースピボットと思われるスイングが主流です。話が少しそれてしまいましたが、こうしたスイング理論やメカニズムについては、ご自身のゴルフ向上を目的とした情報収集の際によく精査する必要があります」
「さて、頭と首の動き、それに目の使い方をカウンター動作としてスイングに取り込めると、エネルギー効率がアップし、ボールが見切れることはないはずです。頭が動きすぎているようなら首周りの分離を思い出して頭を固定する意識をもつ、目の動きが少ない人は顔を(2)に向けて目だけ動かして(1)、(3)を見るエクササイズをするのもいいと思います」
この練習を取り入れれば、バックスイングでメガネのフレームからボールが見切れる問題を解決できるだけでなく、スイングの欠点も改善できそうです。
ボールが見切れるのがイヤでゴルフのときだけ使い捨てコンタクトにしていた人には、コンタクト代の節約もできて、一石三鳥になるかもしれません。
【解説】永井延宏
ゴルフコーチ歴30年、ゴルフ歴45年。2006年、ゴルフ専門誌によるレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞。知識と経験を生かした分かりやすいレッスンが好評を博している。東京、埼玉、奈良、大阪、兵庫で定期レッスンを開講中。
最新の記事
pick up
ranking








