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- なぜ2グリーンは“ほぼ同じ形”なのか 満足度と設計思想から見た理由
日本で一般的な2グリーンは、見た目以上に設計意図がある。難易度の均一化や満足度維持のため、形状は似せて作られるのが基本。一方でダブルグリーン自体の是非や、設計次第で違和感を抑える工夫も存在する。
基本的に同じデザインになるように設計されている
日本のゴルフ場では、1つのホールにメインとサブ、2つのグリーンが設けられた「2グリーン」が一般的です。どちらを使用するかは定期的に切り替えられ、その旨が事前にゴルファーへ告知されることもあります。
普段は休止中のグリーンに目を向ける機会は多くありませんが、「形や傾斜は同じなのか」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。
メインとサブで形状や起伏は同じなのでしょうか。それとも異なるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、次のように説明します。

「メイングリーンとサブグリーンの形状は、できるだけ同じになるよう設計されているコースが多いです。理由は主に2つあります。まず、季節によって芝の種類だけでなく、難易度まで変わってしまうのを防ぐためです。
本来、2グリーンは、夏の暑さに強い高麗芝と冬の寒さに強いベント芝を使い分け、通年でプレーできるようにするためのものです。切り替えの目的はあくまで“芝の種類”であり、デザインまで大きく変えてしまうと難易度に差が出て、プレーしづらくなります。
最近は転がりの良さから、両方をベント芝にするコースも増えています。この場合は季節ではなく、その日のコンディションが良い方を選んで運用します。
もしグリーンの起伏が日によって大きく異なると、『自分はメインがいい』『サブの方がいい』と好みが分かれ、不満や“損をした感覚”につながりかねません。利用者の満足度を考えれば、形状が大きく変わるのは望ましくないのです」
さらに飯島氏は、形状差を避けるべき2つ目の理由として「コース全体のコンセプトにゆらぎが生じる点」を挙げます。
各ホールはティーイングエリアからフェアウェイ、ラフ、ハザード、そしてグリーンまでが一体となった“作品”です。
ゴルフコースはしばしば「ひとつの物語」と表現されますが、グリーンだけが一定でない場合、結末のシナリオが曖昧になり、設計としての統一感が損なわれてしまうといいます。
そもそも2グリーン自体が望ましくない?
一方で飯島氏は、「2グリーンの存在意義そのものに疑問が残る側面もある」と指摘します。
「日本では1ホールに2つのグリーンがあるのが一般的ですが、これはゴルフ本来の形から見ると例外的なものです。
ゴルフはティーショットからカップへ向かうにつれてターゲットが絞られていく競技です。その最終地点が複数存在する状態は、世界的に見れば不自然とも言えます。
ただし、設計の工夫によって違和感を抑えた例もあります。例えばホール途中でY字型に分岐し、使用グリーンによって左・右のドッグレッグが切り替わる設計です。
このようにグリーン手前からレイアウトを変えることで、ティーショットからカップインまでの流れが崩れず、1グリーンのような一貫したプレー体験を実現しています。
シナリオの大枠を保ったまま変化を持たせる設計であれば、グリーンごとに異なるデザインでも不自然さは感じにくいでしょう」
すべてのゴルファーが快適にプレーできるよう、ゴルフ場はグリーンの形状一つにも細やかな配慮を施しています。
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