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- 一人乗り乗用カートが高齢化対策の切り札に!? 日本のゴルフ場導入への課題を探った
一人乗り乗用カートの導入が各地のゴルフ場で進んでいるそうです。利便性向上や高齢化対応の切り札として期待される一方で、安全性や地形の制約といった課題も浮上しているといいます。
一人乗り乗用カートを導入するコースが増加
ここ1年ほどの間に、一人乗り乗用カートを導入するゴルフ場が増えてきました。車両が軽くて小回りが利くので、フェアウェイに乗り入れても芝生への負担が少なく、ボールの近くまでスムーズに移動できます。
背景には、ゴルフを取り巻く環境の変化があります。夏の暑さが年々厳しくなり、ラウンド中の移動そのものが負担になりやすくなっています。また、ゴルファーの高齢化も進んでおり、「できるだけ歩かずにプレーしたい」というニーズは確実に高まっています。
これまで主流だった4~5人乗りの乗用カートでは、フェアウェイへの乗り入れには制約がありました。車両重量が重く、芝生へのダメージが大きいことに加え、安全面でのリスクも無視できません。
4~5人乗り乗用カートでフェアウェイ乗り入れを実施しているコースもありますが、雨天時は乗り入れ不可だったり、その翌日もフェアウェイがぬかるんでいるから乗り入れ不可だったり、ニーズに応じたサービスが提供できているとは言えない状況でした。

ゴルフ場関係者に話を聞くと、乗用カートの乗り入れはプレーヤーの利便性を高めるメリットがある反面、コースを運営する側としては数々のデメリットもあると語ります。
「フェアウェイの乗り入れを実施すると、カート道路からフェアウェイに入る箇所の芝生と、出る箇所の芝生がグチャグチャになります。出入り口をこまめに変えないとダメですし、コース管理がしっかりメンテナンスしないと芝生がボロボロになります」
そのため、多くのゴルフ場ではカート道路のみの走行や、電磁誘導による制御が採用されてきました。その制約を乗り越える存在として、一人乗りカートが登場しています。
一人乗りカートを導入には安全性の問題は大きい
ただし、この時点で、どのゴルフ場でも導入できる設備ではなさそうだという印象もあります。
「アップダウンがなければアリですけど、高低差があるコースは絶対に事故が起こります」
「うちは一人乗りカートどころか、自走式カートも無理ですから。普段は電磁誘導式カートで営業を行なっているのですが、冬になると寒くて地面が凍り、電磁誘導線が切れてしまうことがあるんですよ」
「そうするとカートが作動しませんから、カートにカギを取り付け、自走式に切り替えてプレーしてもらおうと思いました。しかし、コースに出た瞬間に事故を起こしました。救急車を呼ぶハメになりました」
「それ以降は自走式で営業を行なうのはやめて、電磁誘導線が切れたらインコースを2周してもらうなど、営業スタイルを変更するようになりました」
こうした条件を踏まえると、一人乗りカートは「どのゴルフ場でも導入できる設備」ではないことが見えてきます。
特に日本のゴルフ場は、平地よりも丘陵地や山岳地に造成されているケースが多く、アップダウンのあるコースが主流です。そうした環境では、安全性の確保が難しく、導入そのものが現実的でない場合も少なくありません。
一方で、比較的フラットな地形で、自走式カートを導入しているコースにとっては、一人乗りカートは大きな可能性を持った設備といえます。プレーの快適さを高め、ラウンド時間の短縮にもつながるため、集客の武器としても機能するでしょう。
一人乗り乗用カートが普及すると、ゴルファーにとってプレーの選択肢が増えます。暑い時期はラウンドを控えていた人や、ゴルフ自体から足が遠のいていた人が、ゴルフ場に戻ってくるきっかけになるかもしれません。
ただし、その恩恵を受けられるのは、あくまでも条件がそろった一部のゴルフ場に限られます。その広がり方は一様ではなく、コースの地形や運営方針によって左右されます。
どのくらいのコースが一人乗り乗用カートを導入するのか。導入することによって来場者数や客層にどんな変化が生まれるのか。設備投資費用をどれくらいの期間で回収できるのか。そのあたりの動向に注目しながら、近いうちに一度、一人乗りカートでの乗り入れプレーを体験してみたいと考えています。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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