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- 「電波が届かない…」 カートナビ時代にゴルフ場で起きている意外な問題
カートナビの普及でコンペの集計は大幅に効率化されました。しかし、その一方で通信環境やシステム運用など、アナログ時代にはなかった新たな課題も浮かび上がっています。
カートナビの普及でコンペの集計はラクになった
カートナビの普及によって、ゴルフ場のコンペ運営はかなり効率化されました。以前は各組の代表者がスコアカードに全員分のスコアを記入し、ラウンド終了後にマスター室へ提出していました。コーススタッフは、そのスコアを見ながら手入力で集計作業を行なっていました。
現在はカートナビにスコアを入力し、データ送信ボタンを押せば、データがマスター室の管理システムへ届きます。「コンペの成績集計がものすごくラクになった」という話をよく聞きます。
一方で、便利な機械には、便利すぎるがゆえに、操作方法が分からない人たちを置き去りにする“冷徹さ”があります。導入当初は年配ゴルファーを中心に、「こんなの入力できないよ」「若い人が入力して」と戸惑う声も少なくありませんでした。今でも、ベテランゴルファーがスコア入力を若手に任せる場面は珍しくありません。

不思議なもので、デジタル機器に苦手意識がある人がおっかなびっくり操作すると、普段は起きないようなトラブルが発生することがあります。慌てて「戻るボタン」を押しても、元の画面に戻れず、どうしていいか分からなくなります。これはゴルフ場のカートナビに限らず、スーパーやコンビニのセルフレジでも似たような光景を見かけます。
では実際に、カートナビの導入によって、「今まで存在しなかったトラブル」は起きているのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「うちのゴルフ場は正直なところ、そんなにトラブルはないですね。もちろん、導入当初は『分かんねえ!』とおっしゃる方もいましたが、今はほぼないですね」
電波が不安定でカートナビが思いどおりに作動しない
むしろ最近は、スコア集計よりも、通信環境そのものに関する問題のほうが気になっているそうです。
「うちは山岳コースですから、谷になっているところなんかは、電波が弱いんですよ。ですから、本来は前にいるはずのカートの位置情報が、フッと消えたりするんです。『肉眼では見えているんだけど、ナビにはいない』みたいなことが起こります」
これは単なる“表示不具合”とも言えますが、安全管理という意味では無視できません。前の組との距離確認は、事故防止にも直結するからです。
「ドコモが3Gをやめたじゃないですか。あれから電波状態がすごく悪くなっているんですよ。業者さんに『何とかして』とお願いしたら、『とりあえず何台かauで試してみましょう』ということになり、端末側のSIM(ICチップ)をauに差し替えて、様子を見ているところです」
つまり、カートナビは「機械を入れれば終わり」ではなく、通信インフラとの相性や保守運用まで含めて成立しているシステムなのです。
デジタル機器の導入によって、ゴルフ場は少人数でも効率的に営業できるようになった反面、不安要素もあります。何かトラブルが起きたとき、それを現場で即座に解決できる“デジタル人材”が常駐しているわけではありません。
実際、カートナビの不具合が発生しても、現場スタッフは「再起動をかける」「それでもダメなら業者に連絡する」くらいしか対応できないケースもあるようです。
ゴルフ場は、以前より少ない人数で運営する方向へ進んでいます。その中で、カートナビは業務効率化を支える重要な存在になりました。ただ、その便利さは、通信インフラやシステム環境が正常に動いていることを前提に成り立っています。
アナログからデジタルへ移行したことで、コンペ集計は劇的に便利になりました。一方で、“電波が届かないエリアがある”“通信環境が不安定になることがある”といった、以前には存在しなかった悩みも生まれているようです。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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