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- フェアウェイ乗り入れ有料化や値上げが増えている… 負担増やむなし!? “日本特有の事情”とは?
近年、フェアウェイにカートをそのまま乗り入れできるゴルフ場が増えていますが、なかには導入後に追加料金を値上げしたり、新たに有料としたりしているコースもあるようです。その背景には、どのような事情があるのでしょうか。
日本のゴルフ場の芝はカート乗り入れに向いていない
近年、フェアウェイにカートをそのまま乗り入れできるゴルフ場が増えており、「歩く距離が少なくなってうれしい」というゴルファーも多いかもしれません。
ところが、なかには導入後に追加料金を値上げしたり、新たに有料としたりしているところもあるようです。
では、カートのフェアウェイ乗り入れ料金を改定、もしくは有料化するコースが増えているのには、どのような理由によるものなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「日本のゴルフ業界では、『ゴルファーの高齢化』と『猛暑日・酷暑日対策』が喫緊の課題と言われているので、より快適かつ安全にラウンドを楽しめるようにするというのが、カートパスを逸れてフェアウェイに入ることを認めるところが多くなっている主な背景です」
「しかし、ゴルフ場側にとってカートのフェアウェイ乗り入れは、コストの増大を泣く泣く受け入れざるを得ない、非常に痛い処置です。というのも、フェアウェイ乗り入れが一般的なアメリカのゴルフ場は、ジェネラルエリアにも洋芝が使われているのに対し、日本は北海道など一部地域を除いて高麗芝をはじめとした和芝がよく用いられています」
「洋芝と和芝とでは修復や成長スピードに大きな違いがあり、後者はかなり手間をかけないと元通りになりません。カートがフェアウェイの中に入ると、重量で芝が押し潰されてタイヤが通った跡が出来ますが、和芝だと修復に時間がかかるため、料金の値上げに踏み切ったり検討したりしているゴルフ場が現れるのも無理からぬところだと思います」
日本のコースで普及している5人乗りカートは車体重量が重く、欧米等に多い2人乗りよりも芝に負担がかかりやすいのも、日本でフェアウェイ乗り入れに踏み切れないコースが多い一因だといわれます。
実際に、大手ゴルフ場運営会社のアコーディア・ゴルフをはじめ、多くのゴルフ場でフェアウェイ乗り入れ料金を有料化しており、価格帯は通常のプレー料金に1人当たり550円から1100円程度、またはカート1台分につき2000円程度プラスされるのが一般的なようです。
また、PGMでは2023年ごろから料金改定を順次行っているほか、乗り入れを前提とした専用プランを販売し、カートをフェアウェイに乗り入れさせて自由自在にラウンドできることの快適性や利便性を、より多くのゴルファーに広げようとしています。
「フェアウェイ乗り入れ不可」なコースは今後どう対応すべき?
とはいえ、現在でもカートのフェアウェイ乗り入れが全面的に可能なコースは限られており、依然としてカートパス以外の走行ができないところが多数派といった印象です。
では、今後フェアウェイ走行がOKなゴルフ場を増やすには、どのような対策が必要になるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「まだカートのフェアウェイ乗り入れが行われていないゴルフ場が多いのは、そのコースに愛着を持っているスタッフやメンバーの思いが強いからというのもあるでしょう。やはり、タイヤの跡が残るとコースの見栄えは多少悪くなるので、『キレイなコースが台無しになってしまう』などの意見は一定数あり、気持ちは十分理解できます」
「しかし、ゴルフ場側が主体となって『乗り入れ前提で、芝や運行をどう管理していけば良いのか』をしっかり研究していけば、美しい状態を保ったまま乗り入れを認めることは可能だと考えています。例えば出入り口を固定化し、特定の場所からでないとカートが入れないようにすれば、修復が必要な芝を物理的に減らすことができてコストを削減でき、見栄えの良さも維持できるはずです」
「また、カートナビに搭載されたGPSの位置情報を利用し、決められた範囲を超えるとカートが強制的に止まったり、減速してバックを促したりする『ジオフェンス』と呼ばれるシステムも開発されています。そのような技術を導入すれば、カートで自由にプレーできながらも、ある程度秩序も取れた運行が可能になるでしょう」
酷暑が常態化している日本の夏にラウンドするには「乗り入れじゃなきゃ無理」と思っているゴルファーも多いでしょう。IT技術等も活用してフェアウェイ乗り入れ可のコースが増えてほしいところです。そのためには多少の値上げは甘受せざるを得ないのかもしれません。
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