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- もういい加減“シャツの裾出し”許して… “すっきり”と“だらしない”を分ける基準はポケットと前開きの見え方!?
ゴルフではシャツインが常識――そう教わった人は多いでしょう。しかし今は、裾出し前提の「アンタック専用」ウエアも増加。着崩しか、進化か。世代で分かれるゴルフの新常識と、スマートな着こなしを考えてみます。
見た目だけじゃない、アンタックが広がる理由
「おいおい、シャツの裾が出ているぞ」
若いゴルファーの“アンタック”つまり裾出し姿を見て、そう感じるベテランもいるでしょう。ゴルフでは長く、襟付きシャツをタックインし、ベルトを締める装いが基本とされてきました。
マナーを守ってきたのに、その姿を“おじさん見え”と言われれば、納得できないのも当然です。しかし、相手が裾出し前提の専用ウエアを着ていたら、注意する側の常識が古いのでしょうか。

以前「ゴルフのニュース」が行ったアンケート(有効回答数2470人)では、裾出しでのプレーを「OK」とした人が60.2%。「NG」の22.9%を大きく上回りました。
ただし、多数派になったからといって、従来のマナーがそのまま「古い常識」になるわけではありません。
従来のゴルフ用ポロシャツは、スイング中に裾が出にくいよう着丈が長めです。そのまま外に出すと、腰まわりに生地がたまり、だらしなく見えることがあります。
一方、アンタック専用ウエアは着丈が短く、裾のリブやスリットなどにより、外に出した状態でシルエットが整うよう設計されています。
米ゴルフ誌「Golf Digest」は、裾がパンツのファスナー中央付近に収まり、ポケットの一部が見える程度を、きれいに見える長さの目安と紹介しています。
つまり、タックイン用のシャツを無造作に出すのと、専用ウエアを設計通りに着るのは別物です。
実際、マンシングウエアも今年、シャツアウトでもすっきり見える裾リブ仕様や、イン・アウトの両方で着られるモデルを提案しています。
アンタックは単なる着崩しではなく、機能性とファッション性を両立する新しい選択肢になりつつあるのです。
プロが着ても賛否…印象を決めるのは「丈」
リッキー・ファウラーは2019年、裾を出したボタンダウンシャツでPGAツアーに出場。事前にツアーの了承を得ていましたが、テレビ解説では「丈が長すぎるのでは」と指摘されました。
前年に着用したモデルより裾が長く、シャツアウトが強調されて見えたためです。裾出しでは、丈とシルエットのバランスが印象を大きく左右します。
23年には、J.J.スポーンもハワイの大会でアンタック姿を披露。土地の雰囲気に合うという声がある一方、ゴルフウエアとしてはラフすぎるという反応も見られました。
プロが着ていても評価が割れるのですから、「裾を出せば今風」「入れれば上品」と単純には決められません。
猛暑対策でも、コースのドレスコードが優先
アンタックが注目される理由は、見た目だけではありません。
日本ゴルフ協会(JGA)は今年7月、ゴルフ場が認めている場合、プレー中にシャツを外へ出すことで体温の上昇を抑えられると案内しました。以前から同様の呼びかけは行ってきています。
25年度の日本アマチュアゴルフ選手権東日本予選でも、熱中症アラートを受け、コース内での裾出しが認められました。
裾出しはファッションだけでなく、猛暑対策としても意味を持ち始めているのです。
もっとも、専用ウエアでもゴルフ場の規定を超えることはできません。アンタックを認めるかどうかは、商品やブランドではなく、その日のコースが決めます。初めて訪れる場合は、事前に確認しておくのが安心です。
ゴルフのマナーは、昔からの形を守るだけでなく、同伴者やその場所に不快感を与えないためのものです。
新しいスタイルを頭ごなしに否定するのも、長く守られてきた装いを「古い」と切り捨てるのも、スマートとはいえません。
格式を重んじるコースではタックインし、認められた場所ではアンタック専用ウエアを楽しむ。服装の進化を理解しながら、その日のコースや同伴者に合わせて使い分けることこそ、大人の余裕ではないでしょうか。
アンタック専用なら、新しいゴルフスタイルとして認めるべきなのか。それとも、ゴルフ場では今まで通りタックインすべきなのか。
みなさんは、どちらがスマートに感じますか?
文/井上茜
1979年東京生まれ。外資系ゴルフメーカーでPRを務め、女性ゴルファー支援プロジェクトの立ち上げにも携わる。ファッションアパレルでのプレス経験も持ち、ウエアとギアの両面に通じた知識を活かした記事を得意とする。
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