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- 過去にはゴルフ場ぐるみの貴重品ボックス荒らしも! ゴルフ場の“窃盗犯”今昔
ゴルフ場にほぼ必ず設置されている「貴重品ボックス」。財布など大事な物を盗難や紛失から守るために必須です。しかし、過去には貴重品ボックスに入れたことでかえって窃盗犯に狙われるケースも。日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)会長の小川朗氏が、盗難から身を守る方法を解説します。
かつては暗証番号を盗み見る手口が横行
ゴルフ場に常備されているのが、貴重品ボックス。最近は温浴施設、スポーツジム、プールなど、あらゆる施設に普及している貴重品ボックスですが、ゴルフ場は最も早く普及した業種の一つだそうです。その最も大きな理由は、プレー後にお風呂を利用すること。大浴場の脱衣かごに財布や時計などの貴重品を置いてしまうと、盗難の被害に遭う危険が増大するからです。
そのため貴重品ボックスが普及するまでは、フロント係の前で貴重品袋に現金や時計などを入れ、封をしたうえで袋についていた半券を点線に沿って切り、終日キープ。帰りの精算の際に半券にサインして確認の上、貴重品を受け取るというシステムが定着していました。
その後ダイヤル式で暗証番号をお客が決める貴重品ボックスが登場。このタイプはその後、現在おなじみのタッチパネル式に進化を遂げます。こうした貴重品ボックスは、フロント業務の負担が軽減され人件費の削減にもなることからゴルフ場でも一気に普及していきました。ところがここで問題が起きます。このタイプの貴重品ボックスは、第三者に暗証番号を知られると簡単に開けられてしまうのです。
最初に横行したのが、番号を決めているところを背後から盗み見て、預けた後に開錠して盗み出す方法。この手口が周知され、ゴルフ場も人目に付きやすいフロント脇などに貴重品ボックスを移動するなどの対策を講じるようになりました。
プレーヤーにも注意喚起がされるようになり、誰もが背後を気にするようになり被害も減っていきます。そこに登場したのがキーボードの真上に小型カメラを設置し、ボックス番号→暗証番号の入力を盗撮する方法。この手口は露見するまで一気に被害が拡大していきました。
しかも利用者の多くがキャッシュカードなどの暗証番号と貴重品ボックスの番号を同じにしていたため、多額の現金を引き出されるなど被害はさらに深刻化しました。ゴルフ場も深刻に受け止め、キーボードの天井部分に人工芝を張ってカメラを付けにくくするなど、さらなる予防策に追われることとなりました。
プレーヤーたちもまず天井を触ってカメラの有無をチェック。周囲を気にしつつ、手元を隠しながら入力するという手間がかかることになり、貴重品ボックスへの信頼性が大きく揺らぎます。ついにはフロントで貴重品を預かる旧来型の方法に戻すゴルフ場まで出現しました。
過去には北関東の某ゴルフ場で、支配人から受け取った貴重品ボックスのマスターキーから合鍵を作製、一時的にカードを盗み出しスキミングし、プリントされた暗証番号をもとに偽造カードを作成し引き出すという衝撃的な事件が起きました。ゴルフ場のスタッフに共謀されては、もはや防ぎようがありません。もはやゴルフ場には最小限の現金と、盗まれても被害の少ないクレジットカードなどを持参するぐらいしか対策はなくなります。
その後はゴルフ関係者による地道な努力を続ける中、指紋認証とカードホルダーを併用した安全度の高い新しいタイプも登場。貴重品ボックスは再びゴルファーたちの信頼を回復しています。
現在は貴重品ボックスに入れたほうが安全
しかし、コロナ禍となり新たな“窃盗犯”による被害が多発しています。その犯人とは……。
それはずばりカラスです。ゴルフ場では現在スループレーが定着。乗用カートへのバッグの積み込みもセルフで行い、スループレーであるため軽食やお菓子などを持参するゴルファーが増えました。これをカラスは上空や木の上から狙っているのです。
筆者も前の組で回っていたご夫妻の軽食を、乗用カートからレジ袋ごとくわえていった光景を目撃したことがあります。このような事態は、今や日常茶飯事。日本野鳥の会の会員でゴルフ場の鳥類にも詳しいマグレガーゴルフジャパンの松下健氏によれば「ラウンドポーチから車のカギやスマホ、財布などを持っていかれることも多い」のだそうです。
しかし食べ物以外、カラスには無用の長物のはず。カラスの奴、いったい何を考えているんでしょうか。
「食べ物と間違うか、食べ物がなかったときの腹いせにイタズラされるみたいです。大体その辺に落としていきますが」(前出の松下課長)
何にしても相手はカラス。必ず返してくれるという保証はありません。しっかりと閉じられるバッグをカラビナでカートに固定するか、重いクーラーボックスなどを使うなどの対策を講じる必要がありそうです。
※ ※ ※
財布などの貴重品は面倒でも、コースの貴重品ボックスに預けることが得策と言えそうです。ただこの際、二度手間とならないように小銭を出しておくことも忘れずに。最近のゴルフ場のコース売店は、自動販売機のみとなっているケースが多いからです。
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