恐怖の浮島グリーン 設計家ピート・ダイのすごさが分かる日本のコース3選 | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

恐怖の浮島グリーン 設計家ピート・ダイのすごさが分かる日本のコース3選

2020年1月に他界した米国のコース設計家、ピート・ダイ。彼が生み出したコースは世界中のゴルファーを魅了し、同時に震え上がらせてきました。中でも浮島グリーンは、ピート・ダイの代名詞でもあります。日本のゴルフ場にある浮島グリーンを見ながら、彼の鬼才ぶりを振り返りましょう。

PGMマリアゴルフリンクス(千葉県) 17番ホール 183ヤード/パー3

 世界中のゴルファーを魅了し、同時に震え上がらせてきた米国のコース設計家ピート・ダイが日本で初めて設計したコースが、PGMマリアゴルフリンクス(旧:きみさらずゴルフリンクス)。

設計コンセプトの集大成ともいえる、PGMマリアGLの17番ホールの浮島グリーン 写真:ゴルフ場提供

 彼の名作のひとつに米国・フロリダ州のTPCソーグラス・スタジアムがありますが、このトーナメントコースにはパー3の美しいアイランドグリーンが造られています。それと同じデザインの浮島グリーンを持つコースは世界にあと2つしかなく、ひとつがカリフォルニア州のPGAウェスト、もうひとつがPGMマリアゴルフリンクスです。

 美しいアイランドグリーンになっているPGMマリアゴルフリンクスの17番ホール。

 見た目のインパクトがメンタルに影響を与えるばかりか、1オンするしか攻略法がないタフなデザインになっており、プレッシャーは相当です。ティーショットの際、美しい景観を楽しむ余裕はないかもしれませんが、チャレンジ精神には確実に火が付きます。ピート・ダイの設計意図が十二分に体感できるホールです。

 他のホールも個性的で、変化に富んだレイアウト。ルートを見極め、正確なショットで着実に攻めていくことが肝心です。とはいえ、言うは易く行うは難し。

「ミスショットをすると、そのぶんスコアに跳ね返ってきます。いかにフェアウェイをキープするかが攻略のカギです。グリーンにはアンジュレーションがあるため、ラインを読むことも難しい。ほかのコースに比べて戦略性が高いので、最初はキャディ付きプレーがおすすめです」(ゴルフ場スタッフ)

 だからこそ、何度でも挑みたくなる。次こそは絶対に乗せてみせると、やる気をたき付ける……。これこそが、ピート・ダイがゴルファーにしかけたワナなのかもしれません。

ADDRESS/千葉県木更津市真里谷2935-7

新・西山荘カントリー倶楽部(茨城県) 17番ホール 179 ヤード/パー3

 17番ホールのグリーンは東京ドームがすっぽり入るほど広い湖の中にあり、島に“上陸”するための細長い橋がかかっています。

新・西山荘CC17番ホールの浮島グリーン。スリリングな興奮を味わおう 写真:ゴルフ場提供

 ティーイングエリアから見るとグリーンは本当に小さくて、ショットするのがためらわれるほど。「絶対無理」というあきらめと、「乗ったらラッキー」という開き直り、「いや、ここは乗せてみせる」という意欲がうずまきます。ピート・ダイは、そんなプレーヤーの葛藤も当然計算に入れているのです。

「皆さん、無意識のうちにスイングが小さくなりがちですが、そうするとショートします。ここはあえて思い切って振るのがコツです」(ゴルフ場スタッフ)

 ほかのホールにも、ピート・ダイの遊び心と卓越した設計力が生きています。

 6番は、左サイドに全長200ヤードのバンカーが横たわるパー4。風の通り道にあるため、風の強い日は難易度が一気にアップします。

 13番は、グリーンまわりに無数のポットバンカーが口を開けている難ホール。あまりにも難易度が高くプレーの進行が滞りがちになったことから、林や植え込みをなくしてある程度攻めやすくたしたそうです。

 奇抜だけれど自然と調和して美しい18ホールは、無難に攻められることを拒みます。だからこそ頭を使い、技を使い、14本のクラブをすべて使ってやっと攻略できるのです。その喜びと達成感は、プレーした人だけに与えられるご褒美になるでしょう。

ADDRESS/茨城県常陸太田市下大門町1063

ピートダイゴルフクラブロイヤルコース(栃木県) 8番ホール 151ヤード/パー3

 ピート・ダイの設計コンセプトを享受しつつ、気軽に回れるのがピートダイゴルフクラブロイヤルコース。

ピートダイGCロイヤルC8番の浮島グリーン。コースは、ピート・ダイの設計理念がギュッと凝縮された造りになっている 写真:ゴルフ場提供

「通年、1ラウンドスルーのプレースタイルで営業しており、プレーの所要時間は4時間半程度。1日を有効活用できます」(ゴルフ場スタッフ)
 
 浮島グリーンがあるのは8番。グリーンの手前にはガードバンカーが鎮座しており、とにかくセンターを狙うしか道はありません。さもなければ、ボールは池かバンカー、はたまたオーバーか……。

 バックティから596ヤードの3番、598ヤードの10番といった超ロングパー5もありますが、全長は6547ヤード。レギュラーティーからなら6090ヤード。パー3とパー5のメリハリが利いているのが特徴です。フェアウェイも広いため、「女性やシニアゴルファーにも好まれています」(同)というのも納得です。

 日光宇都宮道路・大沢ICから約2km(約3分)と交通の便もいいので、ぜひ気軽にピート・ダイにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。18ホールスループランだけでなく、9ホールプランも実施中です。

ADDRESS/栃木県日光市大沢町1209

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両サイドにいくつものマウンドが連なるPGMマリアGLの9番ホール 写真:ゴルフ場提供
日本庭園を思わせるPGMマリアGLの18番ホールの白砂バンカー 写真:ゴルフ場提供
南国情緒を醸すPGMマリアGLのクラブハウス外観。最寄りの圏央道・木更津東ICから約5kmとアクセスも便利 写真:ゴルフ場提供
PGMマリアGLでは『大人のリゾートハウス』をテーマに、華やかさと落ち着きを兼ね備えたロビーがゴルファーを迎える 写真:ゴルフ場提供
超ロングバンカーが強烈な存在感を示す新・西山荘CCの6番ホール 写真:ゴルフ場提供
常連のプレーヤーが「火星のよう」と表現する新・西山荘CC13番ホール。難易度も他の星レベル!? 写真:ゴルフ場提供
コースだけでなく、クラブハウスも個性的な新・西山荘CC 写真:ゴルフ場提供
距離感を合わせるのが難しいピートダイGCロイヤルCの12番ホール。アゲンストの風も難易度を上げる 写真:ゴルフ場提供
三角屋根が特徴のピートダイGCロイヤルCのクラブハウス。コースは栃木県の北西部に位置する 写真:ゴルフ場提供
設計コンセプトの集大成ともいえる、PGMマリアGLの17番ホールの浮島グリーン 写真:ゴルフ場提供
新・西山荘CC17番ホールの浮島グリーン。スリリングな興奮を味わおう 写真:ゴルフ場提供
ピートダイGCロイヤルC8番の浮島グリーン。コースは、ピート・ダイの設計理念がギュッと凝縮された造りになっている 写真:ゴルフ場提供

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