目標物を設定し、パターヘッド1個ぶんを目安に右か左にずらす
ゴルフを始めたばかりのころ、グリーン上で同伴プレーヤーから「ボールマーカーをずらしてもらえますか?」とお願いされたとき、「ボールマーカーをずらすのって、どうすればいいのですか?」と聞き返したのを今でも覚えています。

同伴プレーヤーのボールマーカーがパットの邪魔になる場合、ボールマーカーを左右どちらかにずらしてもらうことができます。ずらしたボールマーカーはパットを打ち終えた後、元の位置に戻します。
当時は何のためにボールマーカーをずらすのかも分からず、やり方も知りませんでしたから、手取り足取り教えてもらいました。
今は自分がゴルフ経験者になり、ゴルフを始めたばかりの人とラウンドするとき「ボールマーカーをずらすのって、どうすればいいのですか?」と聞かれる立場になりました。
そのときに心がけているのは、実際にボールマーカーのところまで行ってやり方を教えることです。距離が離れているところから口頭で教えようとしてもうまく伝わらないので、必ずボールマーカーのところまで足を運びます。
そしてグリーン周辺の樹木など具体的な目標物を指し示しながらパターヘッドを合わせ、ヘッド1個ぶんボールマーカーをずらす一連の行為を目の前で見せると、ほとんどの人が一回でやり方を覚えます。
ボールマーカーをずらす行為自体はそんなに難しいことではありません。しかし、その際に相手のパットのラインを踏んでしまうケースも時折見かけますから、そういった注意点も伝えます。そうすれば、その後はスムーズに対応できるようになります。
ずらしたボールマーカーは必ず元の位置に戻すこと
ボールマーカーをずらす行為を覚えると、ゴルフの面白さと奥深さを感じる機会が増えます。

自分のボールマーカーが誰かのパットの邪魔になるかもしれないと思い、「(ボールマーカーを)ずらしましょうか?」と声をかけると、「大丈夫です。そのマーカーに当たると(パットが)入りません」という答えが返ってくることがあります。
逆に自分では邪魔になると思っていなくても、「(ボールマーカーを)ずらしてもらえますか?」とお願いされることもあります。
これらはいずれも自分と相手のラインの読みが異なっています。同じラインでも人によって傾斜の感じ方が違いますし、直線的に狙うか曲線的に狙うかによっても打ち出す方向とスピードが変わります。
そのため、基本的に自分のほうから「(ボールマーカーを)ずらしましょうか?」と声をかける必要はありません。相手のほうから「(ボールマーカーを)ずらしてもらえますか?」とお願いされたときだけ対応すればOKです。
そして前述のとおりラインの読みは人それぞれですから、ボールマーカーを右にずらすか左にずらすかもパットを打つ本人に決めてもらいます。
でも、ボールマーカーをずらしたにもかかわらず、パットがボールマーカーに当たることがあります。あるいはボールマーカーをずらしてほしいと言われなかったのに当たることもあります。
ゴルフはショットだけでなく、パットも狙ったところにボールが打てないことがけっこうあります。
パットが同伴プレーヤーのボールマーカーに当たってもペナルティーはありませんから、そういう事態が発生すると笑いが起きたり、場がなごんだりします。
ただし、そういう展開になったときに、ずらしたボールマーカーを元の位置に戻すのを忘れる可能性が高くなります。
こちらはペナルティーが発生し、誤所からのプレーで2罰打になりますから、本人だけでなく同伴プレーヤーも注意深く見守り、ずらしたボールマーカーは必ず元の位置に戻すようにしましょう。
また、ボールマーカーをずらすのではなく、マーカーの種類を(ゴルフ場のマスター室前に置いてある地面に埋まるタイプに)取り替えてほしいとお願いされることもあります。
これはパットが狙いどおりに打てれば当たらないはずだけど、ミスパットしたら当たる可能性があるというケースです。そういうときに備え、普段はマグネットタイプのマーカーを使っている人も地面に埋まるタイプのマーカーをポケットに入れておくのもマナーの一つです。