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- 「クラブ片手に運転」は絶対ダメ!過去には死亡事故もある「ゴルフカート」で命を守る鉄則
現在、全国のゴルフ場における「ゴルフカート」の導入率は9割を超えると言われます。アップダウンがあっても楽にラウンドできるカートは便利な乗り物ですが、一方で事故も増えています。カートで事故を起こさないためには、どんな点に注意すべきなのでしょう?
通常のクルマに比べて注意する意識が薄れやすい
近年はキャディーをつけないセルフプレーが主流となっています。それに伴い、ゴルファー自身がゴルフカートを運転してプレーする機会が増えました。

もはや快適なラウンドのために欠かせない道具となったゴルフカートですが、各地のゴルフ場ではしばしば事故が起きています。では、ゴルフ場での事故とはどんなものがあるのでしょう?
いくつか過去の事例を紹介しましょう。まずは2011年10月、大分県のセントレジャーゴルフクラブ城島高原(現・城島高原ゴルフクラブ)で起きたケースです。
この事故では、やや上り坂のゆるやかな右カーブを曲がる際にゴルフカートが左斜面に横転し、4メートルほど転落。ゴルフカートから投げ出され下敷きとなった1人が死亡し、他のメンバーも重軽傷を負いました。
ゴルフカートは通常のクルマほどスピードが出るわけではありません。しかしその分、運転に対する注意が薄れやすくもなるのでしょう。ゴルフカートには窓やドア、シートベルトがないため、スリップなどが起こると人が投げ出される危険があります。この事例のように死亡につながる大きな事故が起こる可能性もあるのです。
短期間に横転事故が立て続けに起こった事例もあります。10年8月、兵庫県のライオンズカントリー倶楽部では、1週間に2件のゴルフカートによる事故が起こりました。
1件目はクラブを持ったまま運転したことが原因で起こりました。クラブがペダルに挟まり、ブレーキを踏めなくなったことで、カーブを曲がり切れず木に衝突。1名が死亡する事故となりました。
2件目は、法面に乗り上げた後の対処を誤り、カート道路を飛び出して横転。幸い軽い怪我だけで済んだようですが、いずれのケースも免許証を保持した運転者が起こしたもので、自己責任が強いケースだとされています。
ゴルフカートの事故について、ゴルフ場のコンサルティングを行う株式会社TPCの代表取締役社長、飯島敏郎氏は以下のように話します。
「ゴルフ場では上り坂や下り坂が頻繁にあります。そのため、カートの運転を慎重に行うことはもちろん、そもそもセーフティーな設備があるゴルフ場をラウンドするという方法もあります。たとえば、自走式のカートではなく、電磁誘導式で自動運転するゴルフカートが導入されたゴルフ場であれば、事故が起こる可能性はかなり低くなります」
急なカーブや坂があるにも関わらず、予算の都合上、電磁誘導式のゴルフカートを導入できないゴルフ場もあるようです。コース選びの段階から注意してみると良いかもしれません。
「ながら運転」だけは絶対ダメ
通常のクルマとは違う独特な車体感覚のあるゴルフカート。それだけに操作ミスによる事故もしばしば起きているのですが、どのような点に注意すれば事故を防ぐことができるのでしょう?
まず、スピードの出し過ぎは禁物です。通常のクルマに比べて、高性能なブレーキやタイヤが装備されていませんので、慎重に運転する必要があります。特に、雨や雪が降るとかなりスリップしやすくなるので、いつも以上の安全運転を心がけるべきでしょう。
GPSナビにスコアを入力したり、クラブを持ったままの「ながら運転」は絶対にしてはいけません。ラウンドに慣れるとやってしまいがちですが、判断の遅れや操作ミスが起きやすくなるため、危険な事故につながる可能性が高くなります。
ゴルフ場によってはカート道路だけでなく、フェアウェイへの乗り入れが許可されている場合があります。フェアウェイを走行してボールのすぐ近くまで行けるのは非常に便利ですが、カート道路以上に注意が必要でもあります。
そもそもフェアウェイはゴルフカートの走行を前提に設計されていません。平らな場所もあれば、極端に傾斜が強い箇所もあるわけです。ゴルフ場が乗り入れを禁止していることもありますが、運転者自身がなるべく傾斜のゆるやかな場所を選んで走行するといった配慮をすることが大切です。
運転者以外の同乗者は、走行中、バーなどにつかまると良いでしょう。急ハンドルを切られた際に、頭を打ったり、投げ出されるリスクを低減することができます。エアバッグやドアがない分、自分の身は自分で守る意識が必要となるのです。
ラウンド中、プレーファストやスコアを気にするあまり、ゴルフカートの運転がおざなりになることも少なくありません。危険な事故につながる可能性をしっかり頭に入れた上で、細心の注意を払って運転するようにしましょう。
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