コンペ幹事が参加者のスコアを見てから隠しホールを選ぶケースもある
ゴルフ場関係者に新ペリア方式のコンペで上位に入るためのコツを聞いていたところ、面白い話を耳にしました。
「参加者全員のスコアを見てから、特定のプレーヤー(たとえば取引先の社長など)を優勝させるように隠しホールを選ぶことは可能ですか?」と質問したところ、「できますよ。実際にそういう依頼はあります」という答えが返ってきました。

ゴルフ場は隠しホールのパターンをあらかじめ何通りか用意し、その中のどれか一つを当てはめてコンペの成績を集計するのが一般的ですが、参加者全員がホールアウトしてから隠しホールを選ぶこともシステム的には可能だそうです。
新ペリア方式は18ホール中12ホールのスコアを抽出してハンディキャップを計算します。アウト・インともにパー3が1ホール、パー4が4ホール、パー5が1ホールというのが基本フォーマットで、その範囲内であれば隠しホールを自由に選べるとのことでした。
「ウチのゴルフ場で貸し切りコンペを毎年開催してくださるお客様がいるのですが、そのコンペは成績表をAパターン、Bパターン、Cパターンと3通り用意し、その中から選ぶ方式を採用しています」
「さらに『Aパターンがいいんだけど、優勝と準優勝を変えたいです』というときは、隠しホールを微調整して順位を変えます」
「ゴルフ場が隠しホールのパターンをあらかじめ何通りか用意しておくのは、毎回カスタマイズしていると忙しくなるからです。でも、お客様から依頼があれば隠しホールをカスタマイズすることはできます」
新ペリア方式のコンペに参加すると、ダブルボギーやトリプルボギーのホールが隠しホールに入り、パーやバーディーのホールが隠しホールから外れることを願います。でも実際にはなかなかうまい具合にハマりません。
一方で、コンペ主催者からの依頼があればゴルフ場が隠しホールを操作し、特定の人のスコアをうまい具合にハメることもできるわけです。
ハンディの上限が36だと意図的に優勝させるのは難しい
ただし、順位を上げることはできるけど優勝させることは難しいスコアがあると言います。
「新ペリア方式はお客様の希望がなければダブルパーカットでハンディキャップの上限が36になります。したがって、ダブルパー以上のスコアがあると不利になります。また、グロススコアが108以上ですとハンディキャップが36でもネットスコアが72以下になりませんから、他の方のスコアにもよりますが優勝は難しくなります」
逆に言うと、ダブルパー以上をたたかず、グロススコアが108以下であれば優勝の可能性があるということになります。
ハンディキャップが36になる条件は、隠しホールのハーフ6ホールの合計スコアが15オーバーになること。アウト15オーバー、イン15オーバー、合計30オーバーでハンディキャップが36になります。
6ホールで15オーバーということは、ダブルボギー3つ、トリプルボギー3つでOKなので、それほど高いハードルではありません。
しかしながら、この時点でグロススコア108以下の目安となるハーフ54(18オーバー)にあと3打に迫っていますから、残り3ホールはボギー以下が必須条件になります。
つまり、パー3のどちらかがボギー以下、パー5のどちらかがボギー以下、パー4の5ホール中1ホールがボギー以下で、ハーフ54以内のスコアであれば、隠しホールを操作することによってハンディキャップを上限まで引き上げることができるわけです。
ゴルフコンペは競技性のあるイベントですが、新ペリア方式を採用している時点で運の要素を含んでいます。コンペの主催者は参加者を楽しませるために開催していますから、参加者が最も楽しめるように演出したいのは当然です。
たとえばコンペ参加者の中に取引先の社長とヒラ社員の2人がいたら、ヒラ社員が優勝するよりも社長が優勝したほうが主催者にとっても参加者にとっても円満です。
ゴルフ場も接客業ですから、お客様に楽しんでもらうためにできることは対応します。これが本格的な競技でしたら隠しホールを後から選ぶのは不正行為になるかもしれませんが、親睦目的のコンペであれば親睦が深まる結果を提供するのもゴルフ場の役目と言えます。
ただ、すべてのゴルフ場が隠しホールのカスタマイズに対応してくれるかどうかは分かりませんので、コンペの幹事さんは事前に確認しておく必要があるでしょう。