繊維メーカーだからこそ実現できた計測アイテム
ブース内に展示されているのは、軽そうなベスト。他にもウエアらしきものもあるが、メインはこのベストらしい。
『ゴルフは「MATOUS」で進化する』というキャッチコピーもあるし、試打ブースのような打席もある。「これは一体何?」と、疑問ばかりが浮かぶので、近くにいるスタッフに尋ねると「このベストを着用して、スイングしていただくと、いろいろな方向からご自身のスイングを可視化することができるんです」との答をくれた。

説明してくれたのは、帝人フロンティア株式会社の新事業開発室の有木裕貴さん。
「いろいろな方向からスイングを可視化する」と聞くと、すぐに浮かぶのは「ギアーズ」。三次元の最先端解析ツールで、クラブや身体の動きが見られるものすごいシステムで、クラブメーカーでのフィッティングや、インドアでのレッスンで活用されている。
ツアープロたちも利用しているハイテクなシステムなのだが、スイングデータを取るには、モーションキャプチャ―スーツなる、たくさんのセンサーが埋め込まれた専用のウエアの着用が必要で、かなり大掛かりになってしまうため、ちょっと躊躇してしまっていた。
でも「マトウスゴルフ」では、ベスト型ウエアとリストバンドだけで、高精度なモーションセンシングが可能とのこと。
高いグリップ力を有する超極細繊維「ナノフロント」を使用し、帝人フロンティアの縫製技術が活かされたウエアは、ベスト型だから容易に装着することができ、さらにサイズも、S、M、Lが用意され、いろいろな体型の人が試せるという。
身につけた状態でスイングすると、専用アプリ上にアバターを作り出し、スイングを可視化してくれる。
セットアップからスイングの始動、インパクト、フォロースルーまでの動作について、体幹軸の角度、回転、ブレなどを瞬時に多面的に解析。独自のアプリによる3D画像で全方向から見える化することで、スイングの改善がのぞめるという。
会場では試せなかったが、導入しているインドアスクールで測定可能
リリースされたのは、2021年2月というから、すでに1年以上経過しているのだが、コロナ禍で、なかなか外に出なかったせいで、こんな便利なグッズがあったことに気づかなかった。
さらに、今回は会場で試すこともできなかったのだが、リリースしてから、時間が経っているからこそ、すでに導入されているインドアレッスン施設もあるとのこと。

「マトウスゴルフ」のホームページをのぞいてみると、高島早百合プロが代表を務める「エバーゴルフスタジオ」と、住友不動産エスフォスタが展開している「マイゴルフスタイル新宿店」で導入していると記載されている。
ゴルフフェアでは、最終日に高島プロがゲストプロとして、こちらのブースに登場していたそうだ。
確かにこのアイテムは個人が購入というよりは、レッスンを主体にしているプロたちが活用するもの。現在のゴルフレッスンは、動画撮影などを主体にしているところが多く、後方と正面からの映像のみで、スイングの悪癖を修正するケースが多い。
でも、実際の肩や腰の動きは、上から見た方がわかりやすいし、「MATOUSGOLF」を使えば、前後左右、俯瞰からスイングをチェックできるので、より正確に身体の動きが修正できるはずだ。
ベストとリストバンドだけで、こんなに細かく分析できることに驚くとともに、現在の動画撮影に変わるレッスンツールとして、今後、大きく広がっていく可能性を感じさせてくれた。近いうちに、導入施設で試してみたいと思わせる未来型レッスンツールだった。