以前は辛辣なコメントも多かったが最近は穏やかな傾向
ゴルフ場を予約する際、ゴルフ場予約サイトの総合評価やクチコミを参考にしているゴルファーは多いのではないでしょうか。
インターネットが普及する以前は、ゴルフ場の評判はゴルファー同士のクチコミによって広まっていました。今はインターネットの普及により、クチコミは耳で聞くものではなく文字で読むものになり、見知らぬ人のクチコミを自由に閲覧できるようになりました。

ゴルフ場予約サイトが日本で普及し始めたのは2000年代前半です。当時はゴルフ場関係者からいろんな悩みを聞きました。「悪口ばかり書かれる」という声が圧倒的に多かった気がします。
同業者(近隣のゴルフ場同士)が互いに悪口を書き合うという醜い争いの話を聞くこともありました。そのころと比べてゴルフ場予約サイトのクチコミはどうなっているのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「ゴルフ場予約サイトのクチコミは、以前は辛辣なものや誹謗中傷が多かったのですが、最近は逆の方向に行っています。悪意を持って書かれる投稿が明らかに少なくなりました」
「以前はゴルフ場でお客様の要求が思いどおりにならないとき、『ネットに書き込むぞ』と脅し文句を言われたり、実際に書き込まれたりしたこともありました」
「私もお客様の思いどおりにならないようなことを言ったとき、容姿の特徴を挙げて悪口を書かれたことがありました」
「ところが最近は、お客様自身がクチコミを書き慣れているので野暮な書き込みはしない風潮になっているようです。『天気がよくて楽しかった』とか、軽い感じのコメントが多くなりました」
ゴルフ場関係者がゴルフ場予約サイトの担当者に話を聞いたところ、クチコミ投稿する人の割合は利用者の約20%で、年齢層は40~50代が50~60%とのこと。
「クチコミ投稿をするとポイントがもらえる仕組みになっていますから、ゴルフ場を批判するためにクチコミを書くというよりも、ポイントをもらうために穏やかなコメントをする人が増えている印象があります」
クチコミの内容は俯瞰して見ている
ゴルフ場は予約サイトの総合評価やクチコミ投稿をどの程度気にしているのでしょうか。
「総合評価は私自身も初めてのコースに行くときに一つの指標にしますから気にしています。ただし、その評価が必ずしも正しいとは限らないと感じます」
「また、『クチコミ投稿を気にしますか? 気にしませんか?』と聞かれたら、やっぱり気にしますね。私はすべてのコメントに目を通しています。参考にしていることは多いです」
「クチコミ投稿はあくまでもお客様の主観で書かれていますから、投稿内容がすべて正しいとは思っていません。でも、何かの理由で書き込みをされているわけですから、その背景にどんなことがあったのだろうかと俯瞰して見るようにしています」
「たとえば最近ですと『食事が最悪』と書かれたことがありました。でも、その方は総合評価で4点をつけてくださっているのですね。そして『食事が美味しい』と『スタッフ接客』が1点になっていました」
「おそらくこの方は、レストランスタッフの接客に何らかの不満を感じたので、このような評価とコメントを書き込んだのだろうと分析します」
ゴルフ場がクチコミ投稿に目を通しているのであれば、オペレーションや接客面で気になった点を伝えてあげることでサービス向上につながりそうです。
電話予約とインターネット予約の割合はコースによって異なりますが、ゴルフ場関係者の話によると「インターネット予約は少ないコースでも2~3割、多いコースでは5割を超えているだろう」とのこと。
今後も電話予約が減り、インターネット予約が増えていくのは間違いないでしょう。ゴルファーにとってゴルフ場予約サイトの存在感がますます大きくなることが予想されます。そういった意味では、クチコミ投稿の健全化はゴルフ業界にとって安心材料の一つです。