ゴルフ場の落雷警報は即座に必ず避難すること
ゴルフの原稿を書く仕事をしているのでゴルフ関係のSNS投稿をこまめにチェックしているのですが、先日気になる投稿がありました。
後半のスタート直後に落雷警報のサイレンが鳴ったのでクラブハウスに戻ったものの、2組8人のメンバーの中で「クラブハウスに戻ろう」と言ったのが自分だけで、他のメンバーは「カートで待とう」と言ったというのです。
ゴルフ場がなぜ落雷警報のサイレンを鳴らすかというと、落雷事故は死者が出るからです。ゴルフ場での落雷を一度でも経験したことがあれば一目散に逃げるのですが、一度も経験したことがなければ落雷警報を軽視する可能性があります。それは冗談抜きで命を落とす危険があります。
ゴルフ場は落雷に備えてクラブハウスから離れた場所には必ず避難小屋があります。そこに逃げ込めば避雷針が設置されていますから安全です。
仮に17ホールのプレーを終えており、残り1ホールがダブルボギーでもベストスコア更新という状況だったとしても、落雷警報のサイレンが鳴ったらプレーをただちに中断し、安全な場所に避難するのが鉄則です。
落雷警報に関する話をゴルフ場関係者に聞いてみました。
「ウチのゴルフ場は日本気象協会の雷レーダーと、東京電力ホールディングスの雷情報と、ヤフー天気・災害の雷レーダーの3つを見て確認しています」
「ゴルフ場としましてはお客様の安全を第一に考えて落雷警報のサイレンを鳴らします。ただ、ゴルフ場の敷地は広いですし、全ホールにスピーカーがついているわけではありませんから、サイレンを鳴らしても大雨が降り始めてしまうと『聞こえなかった』とお叱りを受けることがあります」
「ですから必ず巡回車を走らせて『雷なのでプレーを中断してください』とお客様に告知するようにしています」
電磁誘導式カートのゴルフ場は落雷警報時に大変
このゴルフ場は電磁誘導式カートで営業しています。電磁誘導線に落雷の恐れがあるため、カートはサイレンの30秒後に電源が停止するそうです。
カートが停止したら、ただちに近くの避難小屋・コース売店などへ避難してくださいと案内しています。
「近くに避難小屋などがない場合はカート内に避難してください(スタッフがお迎えに参ります)」とフロントガラスに貼ってあるため、落雷警報のサイレンを鳴らすと「プレーを切り上げるから迎えに来て」という電話が次々とかかってくるそうです。
電磁誘導式カートはカギを取りつけないと自走式に切り替わらないため、マスター室のスタッフがカギを持っていき、自走式に切り替えてから誘導してクラブハウスに戻ります。
「それが1台や2台ならいいのですが、10台や20台になることもありますから、マスター室は大変なことになります」
「そういう意味で言いますと、電磁誘導式カートは雷のときは大変です。でも、お客様の安全を守るために俊敏に対応します」
避難小屋やコース売店に避難した人には、落雷警報が解除になり次第、プレー再開を放送でお知らせします。
「落雷警報のサイレンを鳴らすタイミングと、プレー再開の放送を流すタイミングはなかなか難しいです。もちろんお客様の安全を考えて早めに対処しますが、雷の音がゴロゴロと鳴っていても遠い場所であれば大丈夫だと判断することもあります」
「一方で、雷雲がゴルフ場の敷地内を通過するのが確実なときは必ず落雷警報のサイレンを鳴らします」
まだ雷の音も聞こえておらず、雨も降り始めていないのに落雷警報のサイレンが鳴ることもありますが、それは10~20分後に雷雲がゴルフ場の敷地内を通過することが確実だからです。
最近ゴルフを始めたばかりの方は、ゴルフ場での落雷を経験したことがないかもしれませんが、本当に怖いですから絶対に避難してください。