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- 夜間のゴルフ場に侵入して食料品の窃盗未遂 過去には数百万円単位の売り上げ金が狙われたことも
食料品を盗もうとしてゴルフ場に押し入る窃盗未遂が6月に兵庫県で発生しました。人里離れた場所にあるケースが多いゴルフ場は狙われやすそうですが、過去にはどんな事件があったのでしょうか?
昔は現金での支払いが多く金庫が狙われやすかった
ゴルフ場を舞台にした窃盗未遂事件が6月21日に兵庫県内で発生しました。同日11時17分配信の「神戸新聞NEXT」が「ゴルフ場で食料品を盗もうとしたとして、兵庫県警三木署などは21日、建造物侵入と窃盗未遂の疑いで、住所不定、無職の男(38)を現行犯逮捕しました。

逮捕容疑は、21日午前0時15分ごろ、三木市細川町瑞穂のオリムピックゴルフ倶楽部に侵入し、レストラン調理場で食料品を盗もうとした疑い。「食べ物を盗むために建物に入った」と容疑を認めているということです。
同署によると、同倶楽部では6月上旬にも深夜帯にパンなどが盗まれる被害があり、県警捜査3課と同署が警戒していた」と報じています。
同ゴルフ場の廣山徹支配人に取材したところ「捜査中であるため、報道された内容以外はお答えできない」と口は重く、ゴルフ場が警備会社と契約していたか否かについても「答えられない」とのことでした。
それにしてもゴルフ場というところ、人里離れたところにあることも多く泥棒に狙われやすいという事情はあるようです。
「バブル当時などはクラブハウス内の金庫が破られる被害もありました」と語るのは、日本ゴルフ場経営者協会の大石順一専務理事。
「昔は有人で警備をするところもありましたが、無人のところも多かった。だから入られても翌日まで分からない、なんてこともあったんです。あの頃は現金払いのお客様も多く、1日で500万、金曜日から日曜日の売り上げで1300万円から1400万円の売り上げがあり、夜間金庫まで持っていくのも危ないということで、それを金庫に入れているゴルフ場も多かった。これは昭和50年ごろの話ですが、それを狙われたケースがありました」
犯人が侵入する際に、設備を壊すことによる被害額が馬鹿にならないという現実もあるようです。
「私が八王子カントリークラブにいた時に、5万円ほどの物品を盗まれましたが、ドアを壊されてその修理代が10万円だったことがありました。大きな1枚ガラスを割って侵入されたりすると、そっちのほうが高額になります」
今でこそカード決済も多くなりコースにある現金が少ないため、こうしたケースはまれだとのことですが、昔はコース売店の被害も多かったとか。
「クラブハウスは警備会社と契約しているところも多くてセキュリティーがしっかりしているところも多いですが、売店は離れていて誰もいなくなってしまうので、ある意味無防備。そこからジュースだとか缶詰などを盗み出すという被害はよくありましたね。だから対策として従業員は重いものはクラブハウスまで持って帰ってくることも多かったんですが、今は自動販売機が多くなりましたから。あれを壊すとなると大掛かりになるし、警備会社が廉価で見回りをしてくれるようにもなりましたから、今はほとんど聞きませんね」
旧式の貴重品ロッカーにはご用心
ゴルフ場の被害だけでなく、ゴルファー自身が被害にあうケースといえば、貴重品ボックスからの盗難でしょう。十数年前には暗証番号を打ち込むキーボードの上部に小型カメラを仕掛けて盗撮し、頃合いを見計らってその暗証番号を入力しカードを盗み出す被害が相次ぎました。
「中国人の集団的なスキミング窃盗事件が相次いで、警察庁からゴルフ場もなんとかしろということでクレジット協会さんと一緒に『スキミングの問題があります。貴重品ボックスにカメラなどを付けられるような細工をされないようにしましょう』と(文言を)入れたパンフレットを作るなど、いろんな運動をやって減っていきました。今はメーカーも指紋認証や静脈認証、もう一つはカードホルダーと暗証番号の二重ロックをかけるようになって、ほとんど(盗難の話は)聞きませんね」(大石専務理事)
メーカー側の開発努力もあり、貴重品ボックスの信頼度も劇的に回復。その甲斐あって今や貴重品の紛失で最も多いのは、貴重品を預けずにコースに出ていって、カラスに持っていかれるケース。
「指輪を外して宝石袋に入れてカートに置いていたところ、カラスに持っていかれたという話が某名門コースでありました。これも10年以上前の話ですが」(同前)
この場合、キャディーさんや同伴競技者の目撃証言があって保険が下りたそうですが「やはりゴルフ場の利用約款に沿って、貴重品を預けていただくのが一番。(お客もコース側も)お互いに嫌な思いをすることになりますから」と大石さんは強調していました。
ただ、一部のゴルフ場では古いタイプの貴重品ボックスを使っているケースもあるため、今や古典的な手法となった「盗撮」の手口がまた復活してきている事実もあるのです。これもまた、兵庫県の話。2019年の11月1日に起きていました。
「兵庫県警捜査3課と佐用署などは29日、建造物侵入と窃盗の疑いで、大阪市中央区の自称貿易代理業の男(71)と、同市西区の無職の男(51)を逮捕した。逮捕容疑は昨年11月1日朝、兵庫県佐用町金屋のゴルフ場で大阪府の男性がロッカーに保管した財布からクレジットカード1枚を盗んだ疑い。自称貿易代理業の男は容疑を否認し、無職の男は一部を否認しているという。同署によると無職の男が車を運転し自称貿易代理業の男がクラブハウスに侵入。暗証番号を入力するロッカーに細工を施し、番号を割り出したとみられるという」(2020年1月19日配信=神戸新聞ネクスト)
ほとぼりが冷めたのを見計らって旧式の貴重品ボックスを狙い、今となっては古典的になった手法を使ってカードを盗み出したというわけです。大手貴重品ボックスメーカーの担当者も「静脈や指紋認証は認識の精度を高める必要があり、現在はカードホルダーと暗証番号のダブル認証が主流となっています。だからこそ旧式のタイプでは(盗撮されていないか、などの)確認が必要」と念を押していました。
被害にあったゴルフ場の支配人もダブル認証タイプの貴重品ロッカーを導入したことを明かしたうえで「再発防止に努めております」とコメントしてくれました。
最新鋭のロッカーについては今のところ心配はないようですが、くれぐれも、古いタイプの貴重品ロッカーを使う際にはご用心。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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