自走式カートの運転は慣れていないと難しい
6月下旬に2組7人の参加者に対して担当コーチが1人つくラウンドレッスンに参加する機会がありました。
スタート前の説明によると、コーチが前の組(男性4人)と後ろの組(女性3人)の間を行ったりきたりしながら動画撮影やアドバイスを行ない、コーチがついていない時間帯(約9ホール)はセルプレーになるとのことでした。
そのゴルフ場は5人乗りの自走式乗用カートを使用しており、カート道路のみ走行できるプレースタイルでした。コーチがついている間はコーチがカートの運転をするのかと思っていました。
ところがコーチはレッスンを効率的に行なうためなのかカートには乗らず、参加者の誰かがカートを運転するというスタイルでラウンドレッスンが始まりました。
筆者は出だし2ホールでティーショットをカート道路と逆方向に曲げたため、カートの運転を他の参加者にまかせていました。
しかしカートの運転者がティーイングエリアを見間違えて通り過ぎたり、カートがホールの途中で置き去りになったりすることが頻発したため、その後は基本的に筆者が1人で運転することにしました。
それは上級者の方と同組でプレーするとき以外は普段から行なっていることです。理由は「慣れているから」です。
筆者は20代から30代にかけてゴルフ雑誌の編集部に在籍していましたから、通常のラウンド以外でもゴルフ場で乗用カートをお借りしてコース撮影に行ったりしていました。ハンドルを握る機会が他の方に比べて圧倒的に多かったのです。
4人全員のプレーを見ていないとスムーズに動かせない
自走式カートを運転する際も、リモコン式カートのリモコンを操作する際も、誰のボールがどこに行ったかを把握していなければスムーズに動かせません。
4人全員がティーショットを打ち終えた時点で、セカンドショットを最初に打つ人が誰なのか、どのあたりにカートを停めるとスムーズなのかをあらかじめ予測します。
その後も4人全員がクラブを交換しやすく、後続組からも見えやすいポジションにカートを停止しながらプレーを進めていきます。
グリーン周辺に近づいたときも同伴者3人を先に降ろしてから自分1人で運転してカート停止位置まで進めておけば次のホールに移動するのにスムーズです。パターをカートに忘れた同伴者がいたら、自分のパターと一緒に持っていってあげれば喜ばれます。
そういうことがスムーズにできるのは一般的には70台から80台のスコアでプレーできる人です。ラウンドレッスンに参加していろんなことを教えてもらいたいレベルの人にカートの運転をまかせるのはハードルが高いと感じました。
また、カートを運転していて印象的だったのは、そもそもカートに乗り込むまでの動きにムダが多いことです。
ホールアウトして次のホールに向かう際、3人ともグリーン周りで使ったクラブをキャディバッグにしまってからカートに乗り込むのですが、自分がハンドルを握らないのであればクラブを手に持ったままカートに乗り込み、次のホールのティーイングエリアに到着してから片づけたほうがスムーズです。
これは悪気なく行なっているので、おそらく知識として知らないのでしょう。知らないことは誰かが教えないと身につきませんが、この日は私もラウンドレッスンの参加者で人に何かを教える立場ではありませんでしたから一切口に出しませんでした。
それを誰が教えるべきかというと、この日の場合はラウンドレッスンの担当コーチが教えるべきなのでしょうが、ラウンドレッスンを受講することが一般的ではない現状を踏まえると本来はゴルフ場が教えるべきことのような気がします。
ゴルフ練習場やショートコースで乗用カートに乗る機会はありませんから、乗用カートを設備として提供しているゴルフ場がスムーズな使い方をゴルファーに知らせる義務があるのではないでしょうか。
たとえば18ホールのうち最初の3ホールだけでもキャディさんがカートを運転し、どのようにカートを動かせばスムーズにプレーできるかをレクチャーしてあげれば、初心者のプレー進行が飛躍的に速くなる可能性がありそうです。